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活躍する卒業生 Vol.36

佐渡 菜摘さん

健康科学部心理学科 2021年3月卒業
県立広島学園 自立支援課 主事

授業から児童福祉の現場へ

1年生の時に履修した授業がきっかけで、在学中は児童養護施設で夜間指導員として勤務しました。子どもたちと一緒に夕食を取り、学習支援をしたり余暇を一緒に過ごしたりする仕事でしたが、さまざまな事情や生育歴を抱える子どもたちが集団生活をしている場では対応が難しいことがたくさんありました。児童福祉の現場を近くで見るのは初めてで、施設での日々めまぐるしい状況に、最初はとても戸惑ったことを覚えています。うまく対応できなかったことなどを大学の先生に相談しながら、子どもたちの言動の背景や伝えようとしていることなどを考えていくうち、虐待や愛着に関する課題などが人に与える影響の大きさを痛感しました。子どもたちの安心安全な暮らしを実現するために、どのような職業の選択肢があるかと自問した時、大学生活で得た知識や経験を、仕事として児童福祉の分野に生かしたいと強く思い、公務員として働く道を選びました。

児童の自立をサポート

大学卒業後は、広島県庁に心理職として入庁し、広島県北部こども家庭センター(児童相談所)で児童心理司として3年間勤務しました。心理検査や面接を通して家族や子どもの状況を理解し、必要に応じて助言したり、児童福祉司と連携し適切な支援方法を考えたりすることが主な仕事内容です。現在の職場である県立広島学園は、児童自立支援施設という分類の施設です。問題行動などにより地域で適応が難しい児童が入所し、規則正しい生活を通して社会の一員として自立できるよう支援していくことが主な業務です。ここでは、子どもたちの成長のためにスポーツ活動にも力を入れており、男子は野球部、女子はバレーボール部、冬期は全員駅伝マラソン部として活動します。私は女子寮担当のため、バレーボールなどを指導することもありますが、幼少期から運動が苦手なので、苦戦しながら子どもたちと一緒に頑張っています。

過去の経験が強みに

生活指導も主な業務の一つですが、子どもが指導に納得してくれず、職員と衝突することも多くあります。そのような場合は、子どもの生育歴や背景などを頭に入れながら、伝え方や面接の進め方、伝えるタイミングなど工夫を重ね、最終的に子ども自身が納得して指導を受け入れられるようにしていく必要があります。指導がうまくいかないこともあり、悩むことも多いですが、その都度周りの職員や上司に相談に乗っていただき、日々勉強しています。自分のこれまでの経験を話すと、子どもたちは警戒心を解いて関心を持ちながら話を聞いてくれることが多いように思います。子どもたちと話をするきっかけとしても、大学時代も含めた過去の自分のいろいろな経験が生きていると感じます。

意識的に行動した4年間

在学時は、サークルやゼミなどで活動する時間を意識して増やしていました。多くの人と関わる機会を持つことで、たくさんの学びがありました。特に、所属していた吹奏楽団ではOB・OGの方々との交流の機会も多く、1年生のうちから社会人の先輩に、就職活動や卒業後の進路に関する相談ができました。また、日々一生懸命何かに打ち込むことで、社会人になっても自然と熱意を持って物事に取り組みやすいのではないかと感じています。
中学生の頃、部活の顧問の先生から教えていただいた、「置かれた場所で咲ける人になる」という言葉を今も大切にしています。自分には難しすぎると感じることや、やりたくないと思うことでも、その環境で自分なりに一度やってみる。結果的に実力不足で助けていただくこともたくさんありますが、やってみると意外とうまくいったという経験もありました。「選んだ道を正解にする!」という気持ちで、そのときの自分のベストを尽くすことをモットーに、時間がかかっても絶対に逃げないと決めています。

修大生へのメッセージ

大学時代を修大で過ごして本当に良かったと思います。修大は多方面にさまざまな取り組みをしており、自分次第でいくらでも経験を積むことができる環境だと思います。授業の延長で、好奇心から始めた児童養護施設での勤務が将来の仕事につながる経験となったように、思いがけない場面にいろいろなきっかけが転がっているものです。私の場合心配性な性格上、不安や迷いもありましたが、学生のうちは「とにかくやってみる!」の精神が成長の鍵だと感じました。たとえ失敗しても学びになりますし、誰かに迷惑をかけてしまったとしても、素直に謝ることができれば大きな問題にはならないと思います。
この環境を生かしてたくさん経験してみてください。皆さんの進む道が素敵な人生になりますように。

私のターニングポイント

私は元来、人に注意や指摘をすることが得意でなく、自分のやり方や子どもたちとの関わり方に悩んでいた時に、先輩から「自分の色を生かして自分なりのやり方を見つけていけばいい」と助言をいただきました。そこから、先輩と同じようにしなければならないという考え方が変わり、自分の強みを生かした支援を心がけるようになりました。指導のゴールが同じであれば、やり方は人それぞれであっていいと思えるようになったのです。
※掲載内容は全て取材当時(2026年)の情報です。