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活躍する卒業生 Vol.32

杉 葉子さん

法学部国際政治学科* 1998年3月卒業
*現在の国際コミュニティ学部国際政治学科
有限会社 IC4DESIGN
グラフィックデザイナー

世界を知った学生時代

 高校時代、漠然と雑誌や新聞をつくる仕事に憧れていました。また、「できるだけ広い世界を経験してほしい」という母の思いがあり、幼い頃から外国人留学生が自宅に宿泊するなど異文化交流の機会も多く、自然と国際交流にも関心を抱いていました。そういった影響から、政治と国際社会のことについて学べる点に惹かれ、国際政治学科へ進学しました。
大学時代を振り返って最も鮮明に覚えているのは、2年生の時に参加した6週間のニュージーランド研修プログラムです。何もかもが初めての経験で、刺激的な時間でした。人とのコミュニケーションは苦手ではないのですが、ホームステイ先のパーティーでは、自分だけが外国人というのが初めての経験で、英語も得意ではなかったため、その場にいるのがつらいと感じることもありました。しかし、この経験がその後の人生に役立っていると実感しています。また、現代のようにインターネットで容易に情報が得られない時代に海外に滞在し、現地の生活を肌で感じながらその国の文化を深く学べたことは、大変貴重な経験だったと考えています。

夢の実現をめざして

私の就職活動は、有効求人倍率が1を切るほどの就職氷河期真っ只中でした。しかし、「雑誌を作る仕事以外の自分は想像できない」という若気の至りともいえる強い思いがあり、大学時代に身につけた未知に飛び込む力を生かし、大学卒業後は専門学校へ進学。その後、現在の会社に入社しました。
現在はグラフィックデザイナーとして、デザインやアートディレクションの仕事に携わっています。過去には、広島修道大学の「イノベーション・ブリッジによるひろしま未来協創プロジェクト(ひろみらプロジェクト)*」のデザインや公式マスコットキャラクター「しゅうまる」のデザインも手掛けました。最近は、さまざまな県の観光の仕事に携わることが増えてきました。また、絵本の企画やデザインも手掛けています。

デザインの仕事

グラフィックデザイナーの仕事では、毎回異なる課題が与えられ、デザインを通してそれを解決するという仕事柄、今でも常に試行錯誤しています。特に若い頃は技術や経験が足りず、一つのものを作り上げるのが今の何倍も大変で、日々満身創痍でした。
「しゅうまる」に関しては、偶然、母校である広島修道大学の公式キャラクターをデザインできる機会が訪れ、卒業生としてぜひ担当したいという気持ちと、自分以外の案が採用されたら悔しいという思いが強く、特別な気合いが入りました。私がアートディレクターとしてコンセプトや方向性をとりまとめ、社内のイラストレーターが描き、チームでアイデアを形作っていったのですが、自分たちの案が公式マスコットキャラクターに決まったと連絡を受けたときは嬉しかったです。大学時代の友人の子どもが今年広島修道大学に入学し、親である友人がしゅうまるグッズを買ってくれたりしているのも嬉しいです。

「しゅうまる」のポイント

「しゅうまる」のポイントは、やはり大学のシンボルマーク(道マーク)から派生した耳の形です。クマのキャラクターは数多く存在しますが、その中でも個性的なクマになったのではないかと思います。見慣れたシンボルマークを取り入れることで私のようなOBの方々にも愛着を持ってもらえるのではないかと思います。それから、イラスト表現としては線をまっすぐではなく、手描き感が感じられるようあえて少し歪ませています。ぱっと見普通は気づかないかもしれませんが、そういった細かい表現が「なにかクセになる」という理屈ではない部分に響くのではないかなと思っています。

>広島修道大学公式マスコットキャラクター「しゅうまる」について

大学時代の経験が生きる

通常のデザイン会社と比べ、当社は海外との取引も多く、近年はブルガリアやオーストリアなどへ出張で訪れました。大学時代の留学経験は、自分の知らない世界が数多くあることを教えてくれ、海外取引の際に役立っています。また、英語でのコミュニケーションに対する自分の中のハードルを下げるきっかけにもなりました。
この仕事の根幹はコミュニケーションだと感じていますが、大学時代の学びやサークル活動といった毎日の学校生活、そして海外留学などを通して得た大切な仲間との日々や経験が、私の視野を広げてくれました。これらの経験が現在の仕事におけるコミュニケーションに生きていると実感しています。

今後の目標

 国内外問わず、行ったことのない場所にたくさん行ってみたいです。プライベートでももちろん良いのですが、仕事で行くと現地の人と関わる機会が増え、より深くその場所を知ることができるので、できれば仕事で行けたらうれしいです。

未体験のことに挑戦してみる

未体験なことには、いくつになっても怖さを感じます。しかし、挑戦した時には必ず何かを得られると考えています。日々の仕事においても、ルーティンや自分の想像の範囲でこなすと楽なことでも、新しい方法を試してみる。そうした積み重ねが、自分自身を形作っていくのではないでしょうか。
学生の皆さんは、もし何か心が動くことがあるのなら、無理そうなことでも頭でっかちにならず、まずは挑戦してみてください。その時に頭や体や心を使えば使うほど、充実感を得られるはずですし、自分の大きな財産になるのではないかと思います。やってみたら意外と簡単かもしれません。

*イノベーション・ブリッジによるひろしま未来協創プロジェクト(ひろみらプロジェクト)…2013年~2017年に文部科学省「地(知)の拠点整備事業」として採択。地域、自治体、経済界、NPO等の各団体と協働し、大学全体の事業として教育、研究、社会貢献の3領域を好循環させながら、“地域イノベーション人材”を輩出し、地域の持続化に寄与した。

私のターニングポイント

2024年仕事で訪れたオーストリア インブルックにて (本人:写真中央 社長:写真左)

私のターニングポイントは、社長との出会いです。当時、専門学校の講師をされていた社長に雑誌編集部のアルバイトを紹介してもらい、学校に通いながら実際の現場を経験することができました。その後、専門学校卒業前に会社に入れてほしいとお願いし、今に至ります。
※掲載内容は全て取材当時(2025年)の情報です。