1. ホーム
  2. 大学について
  3. 活躍する卒業生
  4. 卒業生からの便り Vol.11

卒業生からの便り Vol.11

馬場田 真一さん

一般財団法人 広島県環境保健協会
人間環境学部人間環境学科 2007年卒業

学内外の活動に精力的に取り組んだ4年間

小学校への脱温暖化出前講座

入学時、文系の「環境」系学部、しかも学部は前年できたばかりの2期生ということもあり、将来は環境問題や対策を分かりやすく伝える通訳的なポジションで働くことを自分なりにイメージしていました。在学中は、市民活動で現場感を知ることやマネジメントスキルを高めようと修大生協学生委員会や学友会執行委員会、環境サークルがんぼなどに所属して活動しました。執行委員会では、47期・48期の2年間、会計局長として学友会を財務面からサポートしました。学部の仲間と始めた環境サークルがんぼでは、自然体験観光メニューづくりや公民館での環境学習講座など、積極的に学外活動を行いました。その時の縁がきっかけで、今でもつながりを持っている活動もあります。授業はもちろん、学内外の活動を通して、住民目線や企業目線など複数の視点で企画やマネジメントに触れることができたのは大きな財産です。
現在の仕事に出会ったきっかけは大学の授業でした。履修した「環境教育論」の講師を広島県環境保健協会(以下、「環保協」)が行っており、これがファーストコンタクトでした。その後、温暖化学習会で出会った環保協の職員の知識、ワークショップやディスカッションの技術を目の当たりにして、「カッコいい!ついていきたい!」と思うほど感銘を受け、アルバイトを始め、そのまま就職して今に至ります。

住民・企業・行政をつなぐ

情報誌「環境と健康」の編集

環保協は、県内に網羅的に組織された住民組織「公衆衛生推進協議会」のパイプ役として誕生し、環境づくり・健康づくりと幅広く住民活動の中間支援を行っています。
就職してからは地域活動支援センターに配属され、主に企画・広報業務に携わっています。リーダー育成研修の企画・実施や、環保協が発行している情報紙「環境と健康」の編集を行っています。住民活動を継続する上では、地域ニーズに合わせた活動が展開できることを広く住民に周知し、協力関係を築くことが欠かせません。そのために、住民活動のノウハウや事例を研修や情報紙で県内に発信しています。
最新の業務では、この6月、広島県の湯崎知事が海洋プラスチックごみゼロ宣言を行ったことに関連して、近県と連携した「瀬戸内オーシャンズX」や広島県版の「GSHIP」に関わっています。県内網羅型住民団体の中間支援組織という特徴を活かし、住民団体・企業・行政が一緒に成果を残せるよう、企画を進めています。
在学中、学外でさまざまな活動を行ったことによる人脈は、社会人になってから、私の武器となりました。助言をもらったり、時には一緒に仕事をすることができる諸先輩方がたくさんいたのは非常に心強かったです。

より地域を元気にするために

地域住民への専門研修

4年前、「一般社団法人ふるさと楽舎」を仲間と立ち上げました。当法人では、安佐北区可部を拠点に、過疎が進む中山間地域で、6次産業や地域の魅力を活かした事業などを企画・発信しています。現在は、豪雨災害で被災した田んぼをメンテナンスし、米を作り、酒を造るプロジェクトを進めています。2020年度には私たちのお米でクラフトビール「郷乃米麦酒」を開発・販売しました。売価の一部は中山間地域を元気にする企画に充てられます。今年度は日本酒ができる予定です。
今後は、地域づくりの相談といえば環保協といわれるよう、それを体現した人材になりたいと考えています。そのためにも、公私ともに地域活動の実践事例を積み上げたいと考えています。環保協では海洋ごみと温室効果ガスの削減、ふるさと楽舎では中山間地域で6次産業化など、引き続き最新情報を仕入れ、発信していきます。

百聞は一見に如かず

私が大切にしている考えに「百聞は一見に如かず」という言葉があります。諸説あるようですが、この言葉には続きがあり、聞く→見る→考える→行動する→成果を出す→みんなを幸せにするという内容が続きます。私も、取り組むからには成果をだし、活動した地域の皆さんが豊かになるような仕事をし続けたいと考えています。
コロナ禍で、ボランティア募集などが減り、学外活動を経験する場が失われていると思います。一方で、地道に美化活動や水路清掃を通して、防災や美観確保、プラゴミ対策につなげている住民団体は多くあります。アンテナの張り方を工夫し、今しかない大学生活を充実させてください。かけた時間の分だけ、将来の自分の武器になるはずです。
※掲載内容は全て取材当時(2021年)の情報です。