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活躍する卒業生 Vol.15

船木 路子さん

積水ハウス株式会社 人財開発部
商学部国際商学科(現在の商学部商学科)2002年9月卒業

2度の留学を経験した大学時代

カナダ留学時(写真左:船木さん)

広島修道大学へは、異文化コミュニケーションやグローバル人材育成に注力している点に惹かれ、交換留学を視野に入学しました。念願叶い3年次に韓国、4年次にカナダへ各10ヵ月の交換留学の機会を頂き、大学生活の約半分を海外で過ごしました。留学中は、International business、Marketing communicationをはじめ、Environment、AnthropologyからEntrepreneurshipまで幅広く受講しました。
留学生活は、全てが新鮮かつ刺激的な一方で、慣れない環境下の為上手くいかないことも多々ありました。幾度となく心が折れかけましたが、限られた時間をなんとか充実させたいと奮闘し、積極的に行動することを心がけました。その結果、最低限の目的である語学習得に加え、生涯を通して付き合える世界各国の友人と得難い時間を過ごすことが出来ました。また、「異国でも自分らしさを貫きチャレンジし続けた」という自信は、後の人生の中でも大きな糧となっています。
大学時代の留学は、人生においても感受性豊かな時期に「多様な価値観に放り込まれる」経験でもありました。否定せず、背景を含めて受容する経験は、私の生き方に大きな変化をもたらしてくれました。

ライフスタイルに合わせキャリアチェンジ

新卒で入社した地元広島の自動車部品メーカーでは、海外拠点の設立・閉鎖に関わる業務や中長期経営計画に基づく人材・財務面の経営資源管理を行い、海外赴任も経験しました。留学と赴任の違いを目の当たりにし、語学スキルUPを含めたリスキリングの重要性にも気付かされました。結婚を機に広島を離れることとなり、一時は専業主婦を選択しましたが「好きな仕事で社会と繫がり役に立ちたい」との思いが強くなり、再就職に至りました。

HRテクノロジー大賞 奨励賞受賞

「第4回HRテクノロジー大賞」授賞式

縁のあった総合モーターメーカーでは、知的財産部にて海外分室を立ち上げるプロジェクトを任されました。その後、パラリーガル業務を経て、人事部門へのキャリアチェンジ機会を得ました。人事では、国内外の採用戦略企画立案から選考実施・入社後フォローまでの一連のプロセスの実行や、採用メンバーの育成、更にダイバーシティ推進等に携わり、さまざまな仕事にトライしてきました。

成果の一つとして、「第 4 回 HRテクノロジー大賞」(HR総研主催、経済産業省後援)の受賞があります。キャリア採用において煩雑化していた採用工程を、テクノロジーの活用により2割削減し、その時間を採用戦略立案などの高付加価値業務に注力できる仕組みを作りました。この一連のプロセスと、高付加価値業務のひとつであるダイバーシティ推進の一環として、女性管理職・管理職候補の採用強化を進めた点が評価され、奨励賞の受賞に至りました。人事採用分野の取組みが会社の生産性向上に寄与し、経営課題解決へ貢献、さらには社会的影響をもたらしました。推進責任者として、メンバーを叱咤鼓舞しながら共に作り上げた、思い出深い仕事のひとつです。

現在の仕事との出会い

仕事風景(オンラインミーティングをしている様子)

二社で異なる業種や職種を経験し、私自身もキャリアの迷子になっていた時期がありました。人事部へのお誘いを頂き、人事領域で経験を重ねるうちに、キャリアの悩みを持つ人や岐路に立つ人の自律的なキャリア形成支援、また、個と組織が共に成長できるような人事面の施策(制度構築・研修企画立案)実施にやりがいや魅力を感じ、この領域をライフワークにしたいという気持ちが強くなりました。自分のやりたいこと、できること、求められていることを見つめ直していたところ、そのタイミングで現職との出会いがあり、2021年秋に現在の会社に転職しました。
現在は、これまでの知見を生かし、本社の人財開発部で管理職(スペシャリスト)として、採用に関わる仕事全般を遂行しています。当社は、「わが家を世界一幸せな場所にする」というグローバルビジョンを掲げ、お客様だけではなく、従業員、そして社会の「幸せ」を最大化する取り組みを推進しており、私も関わる皆さまの「幸せ」の一助となれるよう、日々励んでいます。
このような新たな出会いと挑戦が、私の仕事と人生を充実したものにし、さらなる成長につながっていると実感しています。 

“connecting the dots”

今振り返ると、大学時代の学びの多くが社会に出て生かせています。例えば、外国語(英語・韓国語)の習得に励んだことや留学中に鍛えられた伝える力やディベート力、ロジカルシンキングの基礎、また、経済学で得た金融リテラシー(投資、株の基礎知識)やアルバイトから学んだ調整力やコミュニケーション能力などです。
大切なのは、自身の直感を信じて一歩踏み出す勇気、少しでも興味があれば限られたリソース(時間・経済面)の中でトライしてみること、それらの経験から何を得たのか内省し自問自答ながら経験一つ一つを意味付けすることです。正に“connecting the dots”(故ジョブズ氏の格言)のように行動する事で、点と点の経験が線で繋がるようになると思います。 

修大生へのメッセージ

自身の採用・育成業務の経験から後輩のみなさんへ、是非伝えたいことがあります。仕事と人生を豊かにする大事なポイントは、まず「自身のありたい姿」を思い描き、次に「自身の好きなこと・得意なこと」を見つけて追求し、この2つをマッチングさせる、というサイクルを続けていくことです。「自身のありたい姿」に向かって「自身の好きなこと・得意なこと」を追求し続ければこの2つのマッチング部分の重なりが多くなっていきます。このサイクルを何度も繰り返すことで、「自分のありたい姿」により近づくことができます。
思い返せばずっとこの思考で、今も今後の人生を描いています。翻って、企業の人材育成の研修現場では、この思考法の研修が高確率で取り入れられており、実践できていない人が多いことに気付かされました。
良かったら、取り入れてみてください。自身のありたい姿は、難しく考えなくても大丈夫です。職業でもいいし、抽象的なイメージでも、幼児が思い描くようなものでもいいと思います。好きや得意が見つからないなら、少しでも興味のあるもの、興味はなくても機会があったもの、何でも経験をしてください。小さくても兆しが見つかったら、その2つを重ね合わせて徐々にその姿に向かい、その中で出会う機会に積極的にトライしてください。きっと、豊かなライフステージに出会えると思います。

本学合同企業説明会にて

本学合同企業説明会にて

※掲載内容は全て取材当時(2023年)の情報です。