高石 実さん
法学部法律学科 1988年3月卒業
前 広島市安佐南区役所 区長
大学での思い出
私が広島修道大学に在籍したのは、1984年度から1987年度の4年間です。法学部に籍を置き、PR研究会というマーケティングを研究するサークルに所属していました。社会全体がバブル期と呼ばれる活力に満ち溢れていた時期で、大学で勉学に励むというよりも日々アルバイトに明け暮れ、PR研究会の仲間たちと楽しく過ごした記憶の方が強く残っています。当時は、大学祭で各サークルが仮装して中区の本通商店街を練り歩く市中行進というイベントがあり、そこで一番になることに情熱を注いでいました。準備のため約1カ月間大学に泊まり込み、仲間たちと夢中になって山車や衣装を作ったのは、青春時代のいい思い出です。今のようにインターネットや映像ツール、SNSといった楽しみがなかった時代ですから、リアルな人とのつながりの中、自分で工夫して楽しい時間を作り出していたように思います。
憧れを仕事に
私は安芸郡熊野町で育ちましたので、広島市という都会への強い憧れがありました。広島市は1980年に政令指定都市になり、大都市の中でも特別なまちになったこともあって、広島市役所の職員として働くことに魅力を感じていました。しかし先述のとおり、遊びにもとことん注力した4年間でしたので、現役での職員採用試験は残念ながら不合格。1年間のブランクを経て広島市職員になりました。その就職浪人時代が私の生涯で一番勉強したような気がします。既に卒業した身ではありましたが、修大の図書館を使わせてもらい朝から熱心に勉強に取り組んだのを覚えています。
市役所に就職した後は、人事・給与制度を所管する労務担当部署に約10年間所属。その後は、主にスポーツや経済振興の分野で働いてきました。市役所の業務は非常にさまざまな分野があり、どこに配属されるか自分では決められません。そんな環境の中自分の好きな分野で長期間職員人生を送れたのは幸運だったと思います。
市役所に就職した後は、人事・給与制度を所管する労務担当部署に約10年間所属。その後は、主にスポーツや経済振興の分野で働いてきました。市役所の業務は非常にさまざまな分野があり、どこに配属されるか自分では決められません。そんな環境の中自分の好きな分野で長期間職員人生を送れたのは幸運だったと思います。
思いをくみ取り、人をつなぐ
市役所時代を振り返ってみると、広島市が初めて取り組む事業を担当することが多かったように思います。具体的には、マツダスタジアムでの初ライブとなる奥田民生さんの「ひとり股旅スペシャル」の開催支援、U-21サッカー日本代表合宿の誘致・開催や、商工センターを会場としたロードバイクレース「広島クリテリウム」の開催、G7広島サミットの誘致などがあります。特に思い出深いのはG7広島サミットの開催誘致で、私は実務も担う責任者という立場で携わりました。広島開催で決まりだろうといった周囲の空気の中「これは失敗したら大変なことになる!」と、今までにない重圧を感じることになりました。誘致にあたっては、広島で開催することの意義や魅力を盛り込んだ提案書を外務省に提出する必要があります。作成には広島市全部署と広島県の総力を結集するため、日々調整に奔走しました。全力で関係各所の思いをくみ取り、連携に取り組んだ経験は一生忘れられません。イメージどおりにうまくいかない場合でも、現状を少しでも好転させることや、そのチャンスは必ずあると常に思っています。何事もなんとかなる。初見で無理だと思っても、手数を打てば思いもよらぬ突破口が見つかるものです。
「キャンパスの交流」から「地域のまちづくり」へ
市役所での仕事は非常に広範囲に渡り、関係者と連携を図る調整力が求められます。現在私は安佐南区長(2026年3月時点)として地域まちづくりに関わっていますが、ここでも地域の皆さんとの連携・調整が必要になります。初対面の人との「コミュニケーション力」や、関係の薄い人を仲間にする「巻き込み力」は、大学時代のサークル活動で身につけたと思っています。それが将来の仕事につながる力になるとは、当時の私は全く思っていませんでしたが。
修大生へのメッセージ
現職では、安佐南区を安全で安心して暮らせる素敵なまちにすることを目標に、大学、住民、関係団体や区役所が一体となった地域総出でのまちづくりをめざしています。現在実施いただいている広島修道大学と安佐南区役所との連携事業の継続など、これからも一緒に地域を盛り上げていけたらと考えています。
予測困難な今の時代にあって、皆さんは将来への不安を抱いているかもしれません。幸せな人生や仕事のやりがいをどこかに探しに行くのではなく、今置かれている状況が望むものでないのなら、まずは自分の力で求める方向に少し変えてみる。それを繰り返して、理想に近づけていくことが大切なのではないかと思います。広島市のまちづくりも同じ。ぜひ皆さんの若い力を貸していただけると心強いです。
予測困難な今の時代にあって、皆さんは将来への不安を抱いているかもしれません。幸せな人生や仕事のやりがいをどこかに探しに行くのではなく、今置かれている状況が望むものでないのなら、まずは自分の力で求める方向に少し変えてみる。それを繰り返して、理想に近づけていくことが大切なのではないかと思います。広島市のまちづくりも同じ。ぜひ皆さんの若い力を貸していただけると心強いです。
私のターニングポイント
これまで人生で挫折してしまいたくなるような状況に遭遇したとき、人からの助けや状況の変化など、何かしら救いの手が差しのべられてきたように思います。それらを見逃すことなく少しずつ軌道修正する中で、大きな変化につなげることができたと感じています。
※掲載内容は全て取材当時(2026年3月)の情報です。