1. ホーム
  2. 大学について
  3. 活躍する卒業生
  4. 活躍する卒業生 Vol.24

活躍する卒業生 Vol.24

川村 孔二さん

法学部 法律学科 2006年3月卒業
法務研究科(法科大学院) 2009年3月修了
ひかり総合法律事務所
弁護士

サークル活動や学問に勤しんだ学生生活

学部3年次の始めの頃まで、映画研究会とボクシングのサークルに所属し、大会という目標に向かって仲間と一緒に取り組む姿勢を学びました。また、民法や刑法のゼミナールでは、多角的な視点で事案を検討したり、法律の解釈にあたって様々な考え方があることを学びました。
サークル活動やゼミナールを通じて、相手の意見・考えについて、どのような理由からその意見に至ったのかなどを考えたり、相手に質問した経験は、検事時代の取調べや弁護士の法律相談などに生かせていると思います。

法律家に感銘受け法曹の道へ

警察官になりたいという漠然とした考えで法学部法律学科に入学しました。日常生活にとって身近な法律に興味を持つようになりましたが、当初は、司法試験を受験しようとは全く考えていませんでした。しかし、3年次に現役の弁護士である2人の先生の民法の授業を受講し、実際の事案における法律の具体的な適用、法律の解釈・問題点などを学ぶとともに、法律家の考え方に感銘を受け、弁護士をめざすことにしました。
司法試験に合格すると、約1年間の司法修習があるのですが、その修習期間の検察修習において、検事の仕事にやりがいを感じたため、検事採用面接を受け検事に任官しました。

多種多様な訴訟に携わった検事時代

検事在職中は、大阪、宇都宮、東京、横浜、岡山及び広島の各地方検察庁において、捜査・公判の仕事をしていました。捜査の仕事は、被疑者の取調べ、被害者等の参考人の事情聴取を行い、証拠の精査をした上で、起訴・不起訴を決めるものになります。公判の仕事は、刑事裁判に出廷して、有罪立証のための証拠調べや意見を述べるものになります。事件の内容は、窃盗、傷害、殺人などの一般刑事に加え、交通事故、薬物事件、脱税事件などの幅広い分野を担当しました。また、検事在職中に福岡法務局に出向し、国が当事者となる国家賠償請求訴訟や行政訴訟において、国の代理人として訴訟活動を行う訟務検事として働いていたこともあります。
昨今、インターネット上で詐欺の受け子などを募集する、いわゆる闇バイトが問題となっていますが、検事在職中、高校生や大学生が高額な報酬欲しさに、詐欺の受け子や薬物の転売などに加担して逮捕された事件を担当することがありました。逮捕された大学生らは、その多くがそれまで犯罪に関与したことがない普通の学生たちであり、逮捕後に、家族や将来のことを考えてとても後悔している姿を見るのはつらかったです。

地域に根付く弁護士

検事として約12年間勤務した後、今年から地元広島で弁護士をすることになりました。弁護士として働いている期間はまだ短いですが、離婚や遺産分割、交通事故などの分野を扱っています。法律相談では、相談者から、どのような解決を望んでいるのかをしっかり聞いた上で、それ以外の適切な解決方法があれば、それを提案し、相談者にとって最適な方法で悩みや紛争を解決していきたいと思っています。
検事在職中は2年毎に転勤があったため、法科大学院卒業以降は、故郷である広島にほとんど住むことができませんでしたが、今後は、地域に根付く弁護士になれるよう頑張っていきたいです。

目標達成のために大事なものは計画

大学生活は、将来のことを見据えて、興味があることに積極的に取り組むべきだと思います。そして、やりたい仕事、職業という目標が決まったのであれば、その目標に向かい、どのような行動をとる必要があるのかを考えて計画を立てることが大事です。目標がとても困難なもので、周りから「無理だ」と言われても、しっかり計画を立てて努力すれば、きっと目標を達成することができると思います。
※掲載内容は全て取材当時(2024年)の情報です。