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活躍する修大生 Vol.14

地域つながるプロジェクト2023「ひろしま Global Bridge」のプロジェクトリーダーである坂田郁穂さん(国際コミュニティ学部国際政治学科4年)にインタビューをしました!
国際コミュニティ学部国際政治学科4年 坂田 郁穂さん

  

「ひろしま Global Bridge」のやりがい

私たちは、日本人向けに作成された情報量の多い「ハザードマップ」や、「ゴミ分別表」から、外国人の方に最低限知っていただきたい情報を取捨選択し、それを多言語に翻訳しました。多言語化は、人手も時間もかかる細かい作業で苦労しました。だからこそ、外国人の方向けのハザードマップという日々の生活に喫緊で必要なものであっても、これまで手を付けられることがなかったのだと思います。今回、私たちはその課題に取り組み、外国人も安心して暮らせる地域社会づくりの一助となることができました。
この点を評価していただいた結果、様々なところからお声がけいただき、より多くの方に多言語版ハザードマップや私たちの活動を知っていただく機会を得ることができました。例えば、「一般社団法人ええじゃん」さま主催の「ひまわり&おりずるフェスタ」展(3月27日~3月30日)にて多言語版ハザードマップを展示していただく機会、中国新聞やNHKに私たちの活動を取り上げていただく機会、広島県立図書館へ多言語版ハザードマップを寄贈する機会などを頂きました。活動が地域に広がったことを実感し、やりがいを感じました。

リーダーという立場の苦労

リーダーには素早い意思決定力が求められますが、私は素早くチームとしての決断を下すことに苦労しました。リーダーになった当初、私はメンバーの意見をしっかりと聞いて活動に反映させることを決めました。しかし、この意識が強くなりすぎたこともあり、素早く決断すべき場面で自分の決断をチームとしての決断にする覚悟を持てず、決断に時間がかかりました。反対に、この問題を解決しようと素早く決断することを意識しすぎて、メンバーの意見を十分に聞けなかったこともあります。
これらの問題には、少人数で話し合い、そこで決まった意見をチームの決断にするという方法で対応しました。しかし、正直に申し上げると、私は活動の最後までこの課題に苦労し、チームメンバーにたくさん迷惑をかけました。メンバーの助けがあったからこそ、なんとかリーダーをやりきることが出来たと思います。

活動で生きた授業やゼミでの学び

 私は、グローバル科目「外国語としての日本語」や学科基礎科目「体験実践A」の授業を受け、「やさしい日本語」の基本について学習しました。この学習は、在住外国人への聞き取り調査や、多言語ハザードマップのやさしい日本語版を作成する際に役立ちました。授業で学んだ「ハサミの法則(はっきり言う、さいごまで言う、みじかく言う)」を意識するだけでも、日本語学習者に分かりやすく伝えられることを実感しました。

挑戦から得られたもの

 「ひろしま Global Bridge」の挑戦から、地域に持続可能な好影響をもたらす活動こそ良い活動だと学びました。活動当初、私たちは自分たちが楽しみながらできるイベント型の活動を計画していました。しかし、その活動は単発で終わるものであり、地域に長期的な良い影響をもたらすことのできる活動ではありませんでした。そこから「私たちが楽しい活動」よりも「地域の外国人に寄り添った活動」の方がよいと考え直し、多言語版ハザードマップを作る活動と、外国人住民と日本人住民間のゴミ分別トラブルを改善するための活動を行うことに決めました。活動終了後も様々な反響を頂いており、地域にとって価値のある活動をすることが出来たと感じています。

私個人としては、リーダーに挑戦したことで自分の適性が分かったことが最大の収穫でした。これまでリーダー経験はなかったものの、私はリーダーよりも副リーダーの方が性に合っているとなんとなく感じていました。それを確認したいという思いもあり、今回リーダーに初挑戦しました。その結果、私はチームとしての決断力が必要とされるリーダーよりも、副リーダーとしてリーダーを補佐し、細かい部分まで気を配ってチームの円滑な運営のサポートをする役回りに適性があると確信をもって考えるようになりました。
また、はじめて人をまとめる立場に立ち、嫌でも自分の未熟さを痛感する場面が多々ありました。しかし、その都度失敗から学び、反省点を踏まえた解決策を考えて実践することを繰り返したことで、課題解決能力が高まりました。冷静に自己を内省する習慣も身につきました。
就職後は、仕事がうまくいかない時に、課題を冷静に分析して解決する力を生かしたいです。また、今回の経験からリーダーよりも副リーダーに適性があるのではないかと考えていますが、将来、再びリーダーの立場を担うことがあるかもしれません。その時に備えて、職場の先輩がどのようにチームを統率しているのか見て学び、良いところを吸収していきたいと考えています。

修大生へのメッセージ

 「地域つながるプロジェクト」に参加して様々な困難に直面しましたが、苦労があった分、活動成果が出たときの喜びもひとしおでした。たとえ目に見える成果に繋がらなかったとしても、活動の過程で一回りも二回りも成長できたため、プロジェクト活動に参加してリーダーに挑戦してよかったと断言できます。社会人になって生きる力がたくさん身につくので、地域での活動やチーム活動に積極的に参加することをおすすめします!
※掲載内容は全て取材当時(2024年)の情報です。