適切な物流マッチング制度を考察

商学部 教授 橘 洋介(タチバナ ヨウスケ)先生
早稲田大学 博士(商学)
専門分野:交通経済学
主要研究テーマ:道路交通における価格形成理論の研究、物流マッチングの研究
財・サービスは数に限りがあり、欲しがっている人全員に配るには足りないのが一般的です。であるならば、それを「より必要としている」人に配る方が「もったいなくない/有益」だと考えられます。例えば野球に興味がない人にチケットをあげても「無駄」になるだけです。だから、限りがある財・サービスは可能な限りそれを必要としている人から順に配る方が望ましいのです。
一般道は誰でも無料で通行可能です。しかし、それ故に利用が集中すると混雑が生じることになってしまいます。例えば農産品について考えると、需要が供給を上回れば価格が上昇することによって、その農産品をさほど必要としない人はふるい落とされ、本当に必要とする消費者だけがその農産品を手に入れることができると考えられます。しかし、先に述べたように、道路は誰でも無料で通行可能であることから、価格を通じて本当に必要とする利用者だけを選別することができないのです。
そこで混雑している道路の利用について利用料を徴収すれば、本当に急いで移動しなければいけない利用者を選別することができ、彼らだけに道路を使わせてあげることが可能となります。これが道路の価格形成理論ですが、「その価格をいくらにするべきか?」など、考えるべき難しい問題が存在するため、社会実装のための研究が必要となるのです。
一般道は誰でも無料で通行可能です。しかし、それ故に利用が集中すると混雑が生じることになってしまいます。例えば農産品について考えると、需要が供給を上回れば価格が上昇することによって、その農産品をさほど必要としない人はふるい落とされ、本当に必要とする消費者だけがその農産品を手に入れることができると考えられます。しかし、先に述べたように、道路は誰でも無料で通行可能であることから、価格を通じて本当に必要とする利用者だけを選別することができないのです。
そこで混雑している道路の利用について利用料を徴収すれば、本当に急いで移動しなければいけない利用者を選別することができ、彼らだけに道路を使わせてあげることが可能となります。これが道路の価格形成理論ですが、「その価格をいくらにするべきか?」など、考えるべき難しい問題が存在するため、社会実装のための研究が必要となるのです。

物流においては2024年問題(労働時間の上限規制の厳格適用によって生じた人手不足)に代表されるように、労働力不足が大きな課題となっています。したがって、より少ない働き手でモノを運ぶことができるようにすること(効率化)が求められているのです。
そのような中で、すべてのトラックが貨物を満載しているわけではないことから、特に需要の少ない地域などにおいては共同配送が一つの方法として考えられています。また、一部の輸送事業者に荷物の輸送の依頼が集中して輸送能力がひっ迫する一方で、輸送能力に余裕のある輸送事業者が存在するなど、荷物の輸送を依頼する側と輸送する側のマッチングが必ずしもうまくいっていないケースも存在しています。
そこで、現在ある輸送能力を最大限に発揮できるように、荷物の輸送を依頼する側と輸
送する側を適切に組み合わせる物流マッチング制度が必要とされています。しかしながら、現在のマッチング制度は必ずしも両者にとって使いやすいものではないことから、その改善のための研究が必要となっているのです。
そのような中で、すべてのトラックが貨物を満載しているわけではないことから、特に需要の少ない地域などにおいては共同配送が一つの方法として考えられています。また、一部の輸送事業者に荷物の輸送の依頼が集中して輸送能力がひっ迫する一方で、輸送能力に余裕のある輸送事業者が存在するなど、荷物の輸送を依頼する側と輸送する側のマッチングが必ずしもうまくいっていないケースも存在しています。
そこで、現在ある輸送能力を最大限に発揮できるように、荷物の輸送を依頼する側と輸
送する側を適切に組み合わせる物流マッチング制度が必要とされています。しかしながら、現在のマッチング制度は必ずしも両者にとって使いやすいものではないことから、その改善のための研究が必要となっているのです。