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研究室の扉拡大版

商学部:中園研究室

研究テーマ「オープン・イノベーションの戦略と組織」

商学部 助教

中園 宏幸(なかぞの ひろゆき)

私はオープン・イノベーションを研究の対象にしています。オープン・イノ ベーションとは、ある企業が他の企業や組織の持つ技術を活用することによって技術革新を実現させることを指します。ある企業が社内の技術だけではなく、社外の技術を活用するという意味でオープンであると表現されています。 オープン・イノベーションが盛んな領域のひとつに「人工知能」があります。人 工知能技術を用いた新サービスを開発するスタートアップ
企業が増加しており、既存の大企業がスタートアップ企業と手を組もうとする事例もまた増加し ています。私は社外の技術を探索・獲得する組織と、実際に技術開発を遂行する組織との関係に着目して研究を行っています。そこでは、ある技術に対する 評価が異なるという経営戦略の論理と組織の論理の不整合がしばしば観察さ れます。それではどうすればよいのか、ぜひ研究室にあなたの解答をもってお越しください。あるいは論文を読むことに挑戦してみてください。
「人工知能」は人間の「仕事」を奪う?
奪います。ただし、その良し悪しはよく考える必要があります。
歴史的に技術の発展とともに、仕事の内容は変化しています。より効率的に仕事を行うためには、機械に任せたほうが良い場合があります。もちろん、人間が行ったほうが効率の良い場合もあります。それでは、なぜ、いま、このタイミングで技術による仕事の代替が注目されているのでしょうか。それは、人工知能が知的な仕事を行える可能性があるからです。これまでの技術による仕事の代替では、主にブルーカラーの仕事が想定されていました。たとえば工場の機械化です。ところが、人工知能では、投資の判断などといった知的な仕事を代替する可能性があります。ただし、「人工知能」という大味な表現は適切ではありません。「人工知能」にかかわるどのような技術が、どのような「仕事」を代替するのかについて考えなければなりません。ここに、経営学が「技術」と「組織」の関係について考える意義があります。

人文学部:大澤研究室

研究テーマ「英語教育(学)-ICTの活用-」

人文学部 教授

大澤 真也(おおざわ しんや)

私が専門としている分野は英語教育(学)という分野で、どのようにすれば英語の学習や教育が効果的に行えるかについて研究しています。近年は主に2つのことを研究しています。1つ目は日本人大学生の英語学習に対する態度の調査です。大学の英語専攻で4年間英語を勉強しているのに、英語力が付いたという実感を持てない学生が多くいます。そこで、何が大学生の自信や英語力につながっているかについて調査を行っており、その結果を英語カリキュラム作成の際に活用しています。2つ目はテクノロジーの活用です。テクノロジーを提供する側である教員とデジタル世代である学生の意識の間には大きなギャップがあります。そこで、調査によって教員のニーズを探り、教員が利用できるツールの開発や、授業で使えるアニメ英語教材の開発などを行ってきました。このように英語教育という研究分野であることから、研究にとどまらず何らかの形で教育に還元するということを心がけています。
テクノロジーを活用した英語学習は効果的?
効果的だということは既に証明されています。上手に利用しましょう。
コンピュータを活用した英語学習はCALL(Computer-Assisted Language Learning) と呼ばれており、多くの大学にはコンピュータおよび言語学習に利用できるさまざまな機能を備えたCALL教室があります。また、最近ではCALL教室という枠にとらわれず、タブレットやスマートフォンなどを使った英語学習も行われるようになってきました。そのため、このような持ち運びができる端末で行う学習に特化したMALL(Mobile-Assisted Language Learning) ということばも聞かれるようになってきています。持ち運びができるので家でも外出先でも英語学習ができるというのは大きなメリットです。特に日本のように英語を外国語として学習している国では、テクノロジーを活用した英語学習を行うことによって、「本物」の英語に触れることができるので効果的だと言われています。

経済科学部:佐藤研究室

研究テーマ「デザイン&プロジェクトマネジメント」

経済科学部 教授

佐藤 達男(さとう たつお)

近年の社会システムは、多様性・拡張性・複雑性・不確実性を背景に、多くの企業は新たな顧客価値と市場機会を創出していかなければなりません。このような状況で注目されているキーワードの一つがデザインです。デザインとは、新たな価値を生み出すための全体構想です。そしてこれを実現するために、さまざまな異なる分野・領域・機能の境界線を越えて複数のプロジェクトをボーダーレスに連携していくのが次世代のプロジェクトマネジメントです。私は、これらの背景と現状を踏まえ、「デザイン」と「プロジェクトマネジメント」を組み合わせることで、新たな時代に適応する価値創造型のマネジメントモデルを構築することをテーマに研究を行っています。大学のゼミでも、多様な考え方を活かしてさまざまなアイデアを出し合い、ひとつの形にまとめていく流れをプロジェクト形式で実践することで、学生たちに自由な発想と目標達成のプロセスを経験させています。
「広島カープ」はプロジェクトなの?
広島カープはプロジェクトではありませんが、広島カープの2018シーズンは優勝をめざしたプロジェクトといえます!
プロジェクトとは、「決められた期間に目標として定めた独自の成果を生み出すための活動」です。プロジェクトには始まりと終わりがあるという有期性と、同じものはない独自性という特徴があります。プロジェクトマネジメントとはプロジェクトに求められる品質・予算・期限などを守って目標達成に導くための手法で、建築・商品開発・システム開発などのビジネス分野から地域の行事イベントまで、さまざまな活動で使われています。広島カープは野球の球団なのでプロジェクトとはいえませんが、例えば広島カープの2018シーズンは、シーズン開幕から最終戦までの期間を優勝という目標に向かって戦っていくという意味ではプロジェクトと考えることができます。そして優勝に導くために監督がどのようにチームをマネジメントしていくのかは、とても興味深いです。

人間環境学部:奥田研究室

研究テーマ「野生動物の生態学・管理学」

人間環境学部 助教

奥田 圭(おくだ けい)

野生動物、特に中・大型哺乳類と鳥類の生態学・管理学を主とする研究に取り組んでいます。自動撮影カメラを用いてどんな野生動物が生息しているのか、なぜそこに生息しているのか調べたり、イノシシやシカを捕獲して、GPS内蔵の首輪を装着し、彼らがどのような生活をしているのか追跡したり、糞や胃の内容物から彼らの食べ物を調べたり…多角的な視点から彼らの知られざる”生態”に日々迫っています。そして、彼らの生態をしっかりと理解した上で、人間と野生動物との軋轢をどのように解消していけばよいのか、どのような対策が必要になるのか研究する、”Wildlife Management”=”野生動物管理”に関する研究分野にも力を入れています。
ぜひ皆さんも野生動物の世界を覗いてみませんか?そして、将来、私たちは野生動物たちとどのように関わっていけばよいのか考えてみましょう。
全国各地で野生動物が増えてるってホント?
本当です!今、日本の至るところでイノシシやシカなどの野生動物がどんどん増加していて、分布域が拡大しているのです。
野生動物がどんどん増加していることを知っていましたか?「野生動物が増える=それだけ豊かな自然があること=良いこと」と思えますが、実はさまざまな問題が生じています。野生動物が増え過ぎてしまうと、農家さんが作った作物が一夜にして荒らされてしまったり、住居の屋根裏をねぐらや排泄場所にされてしまったり…困ったことが起きてしまうのです。
これから日本の人口は減少の一途を辿る一方で、今や野生動物たちの生息領域は、都市部近くにまで侵出してきました。人間と野生動物との軋轢は将来さらに深刻化してくるでしょう。では、私たちは野生動物たちとどのように対峙していけばよいのでしょうか?その解決を図るための研究分野、”野生動物生態学・管理学”が私の専門です。

健康科学部:岡本研究室

研究テーマ「食べ物のおいしさとその評価」

健康科学部 教授

岡本 洋子(おかもと ようこ)

どんな食事でも、栄養的な配慮とともに、おいしく感じられることが大切です。食事はおいしくなければ意味をなさないのではないかと考え、食べ物のおいしさについて20年ほど研究を続けてきました。おいしさに影響を与える因子はたくさんありますが、特に「味とテクスチャー(食感)」に着目して、官能評価の手法や分析機器を用いて調べています。最近は「油脂」と「だし」の味に関心をもっており、「油脂味」については、科学研究費補助金(基盤研究(C)(一般):2017~2019年度)の支援を受けて研究を進めています。塩味量や甘味量を軽減したうえで、おいしさを享受する方法を見出すことは、生活習慣病予防の観点からも重要です。今回、モデル試料を用いて、油脂添加量と粘度や塩味・甘味強度との関係を調べたところ、油脂添加により粘度上昇と塩味・甘味増強効果が認められ、少量の油脂添加が塩味や甘味摂取量の低減に寄与するのであろうという方向性が見えてきました。
味の話:「トウガラシ」「コショウ」「ショウガ」の「辛さ」って同じ?
「辛い」という一つの形容詞を用いますが、味質は異なります。
トウガラシ、コショウ、ショウガ、サンショウ、ネギ、ワサビ、どれも「辛い」と表現されます。ですが、それぞれの辛味成分はカプサイシン、ピペリン、ジンゲロン、サンショオール、ジアリルジスルフィド、アリルイソチオシアネート。つまり、含まれている成分によって私たちが感じる辛味の質が異なるのです。従って、日本語では「辛い」という一つの形容詞を用いますが、味質は同じではないというのが正解です。味に関する用語は非常に少なく、それぞれの味を適切に表現できないといわれています。一方、色については、マンセル表色系によって多くの色が正確に表現でき、再現性もあるため、世界共通でだれでも理解できます。味については、どうやら日本語も、英語も適切に表現できる語が限られているようで「大根おろしの辛さ」のように具体的な食材名を添えるのが親切な表現でしょう。

国際コミュニティ学部:伊藤研究室

研究テーマ「地域の社会・経済・財政の成り立ちを考える」

国際コミュニティ学部 教授

伊藤 敏安(いとう としやす)

私の問題意識は、「地域はどのようにして成り立っているか」ということです。その一環として、税財源の使途、地方財政と地域経済の関係などに関心を持つようになりました。ここ数年は、地方分権改革と「平成の大合併」の問題を扱ってきました。その成果を『地方分権の失敗 道州制の不都合』『2000年代の市町村財政』にまとめています。他方では、「広島県民の人口1人あたり県民可処分所得はなぜ低いのか」「いわゆる低所得県には使えるお金はあるのに、なぜうまく回らないのか」といった論文にも取り組んでいます。
さらなる人口減少と高齢化の進展が見込まれるなか、地域はどのように変化するのか、地方行財政はどのような役割を担うのか、その財源をいかに確保するか、せっかくのお金を地域にどう循環させるか、そして私たちは何をすべきか──研究室と現場を行き来しながら実態を把握したうえで、地域政策のあり方を考えていきたいと思います。
「地方議会の議員数は多いから減らせ」というのは適切?
「正解」を決めるのは有権者です。
一般都市における人口1万人あたり議員数は3.7人、議員1人あたり議員報酬手当は640万円です。多そうに見えますが、歳出に占める議員報酬手当は0.47%です。議員数を少し増減させても、歳出への影響は限られています。
民主主義の点からいえば、住民代表である議員数は多いほうが望ましいかもしれません。その一方、選挙年齢の引き下げにもかかわらず、地方選挙の投票率は全般に低下しています。また、地方議員のなり手がいなくて、無投票の事例が増えています。そのため地方議会の一部では、夜間・休日議会の開催、議員報酬手当の引き上げなどが試行されています。
これからの地方議会はどうあるべきか、望ましい地方行財政の仕組みはどのようなものか─国内外の動向をふまえながら、皆さんと一緒に考えてみましょう。