研究室の扉
ようこそ、わたしの研究室へ
「Community based」
「Community based」という言葉にたどり着く前は、研究者としてはあるまじきことですが、「コミュニティ」という言葉を特別なもののように期待や希望を持って拡大解釈していました。そのセミナーで学んだのは「コミュニティ」とは共通項があること、利害関係があることであり、どこにでも存在するごく普通の集合体だということでした。また、そのセミナーが開催されたポートランドは渡航前の下調べで市民の声によって今の姿になったと知りました。しかし、実際に訪れてみると市民の声をベースとすることはもちろんのこと、トップダウンとボトムアップのバランスのとれた街なのではないかと感じました。コミュニティも市民発のものだけでなく行政発のものや、法や制度に裏付けされたものもあり、そのようなさまざまなコミュニティが時には行政の仕組みのもと、時には自発的に連携しています。また、上記のようなボトムアップな取り組みに加え、さまざまな場面をオープンにし、多様な方々が関わることによってトップダウンも市民の声がもとになっています。このような「Community based」なまちづくりにより、全米で最も住みやすい街の一つと称される姿をなしていることがわかったのです。
広島に長年住んできましたが、どうやらその点のバランスがあまり良くない印象を受けています。広島ももっと住人が誇りを持って住み続けたいと思える街になってほしい。世界中の人もその住みやすさに、そして国際的平和都市として注目してもらえる、魅力を感じてもらえる街になってほしい。そんな想いから現在に至っています。
「Community based」な実践
※地域課題解決のための仕組みを当事者意識を持つ多様な関係者がともに考える場
「Community based」な教育
「Community based」の ための研究
研究は大きくは3つの柱があります。1つ目はまちづくりの話し合いを進める際に専門性の高い知識や技術を必要とする場面についてです。一般市民の方も抵抗なく参加でき、一般市民からの意見自体も専門家の意見と対等に検討され、今後の方針や検討項目の内容に組み込む方法の研究をしています。2つ目はその話し合いの場はどのような空間が最適なのかについてです。その一端を明らかにするために「FutureCenter」という都市施設の空間構成を研究しています。3つ目は都心のプロトタイプ(ビジョン)を考える上で必要かつこれまで調べられていない基礎データの検証と実際に調査をしデータ収集をしています。
一見すると共通性はありませんが、「Community Based Urban/Local Design」を実践する手法である「対話」の方法やそのために必要な空間、そして「デザイン」する上で必要な情報について研究しているわけです。コツコツと進めています。
地域コミュニケーションデザイン、都市環境デザイン、建築意匠学