1. ホーム
  2. 報道関係の方
  3. 報道関係の方 NEWS
  4. 熊本県南部地域で 絶滅危惧種タガメの新たな自然集団を発見

熊本県南部地域で 絶滅危惧種タガメの新たな自然集団を発見

人間環境学部  鈴木智也助教 研究成果発表

広島修道大学の鈴木智也 助教、熊本県立大学の一柳英隆 学術研究員、長崎大学の大庭伸也 准教授からなる研究グループが、熊本県南部地域で特定第二種国内希少野生動植物種に指定されている大型水生昆虫であるタガメの新たな自然集団を発見しました。

タガメはかつて日本列島に広く生息していたものの、都市化による生息環境の悪化などによりその生息数が大きく減少しています。特に九州地域ではタガメの生息数減少が著しく、危機的な状況です。そのような状況の中、研究グループでは一柳 学術研究員を中心として熊本県南部地域のタガメの保全活動を展開してきました。この保全活動では、熊本県南部で唯一確認されていた既知のタガメ生息地※(「保全地①」)の安定した生息個体数の維持を目指すと共に、保全によって個体数が増加した「保全地①」から新たな生息地へ個体を移植することで「保全地②」を創設し、今後の保全活動に役立てる試みも実施しています。
上記の保全活動を展開していく中で、「保全地②」の近くにこれまで知られていなかったタガメの生息地(「新産地」)が発見されました。そこで研究グループが、「新産地」のタガメと「保全地①」および「保全地②」のタガメのDNAを比較した結果、「新産地」のタガメは「保全地①②」とは独立して、これまでひっそりと生き残っていた自然集団である可能性が高いことが示されました。この発見は、九州のタガメを保全する上で極めて重要であるといえます。

本研究成果は 2023年12月8日に日本昆虫学会国際誌『Entomological Science』で公開 されます。

詳細は、添付の資料をご確認ください。

※保全上の観点から、生息地の正確な位置は公開していません

関連資料