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平和学の授業にて卒業生・被爆体験伝承者による講演会を開催しました

6月7日、平和学の授業にて、被爆体験伝承者として活躍されている沖本春樹さんをお迎えし、講演会を開催しました。沖本さんは本学、法学部国際政治学科(現在の国際コミュニティ学部国際政治学科)の2011年度卒業生で、現在自動車部品メーカーで働きながら、被爆体験伝承者として活動されています。

この度の講演会は、被爆体験伝承者という取り組みについて知る、平和という観点から歴史や戦争体験を語り継ぐ意味を考える、そして、先輩の経験から自身のキャリアについて考える、の3つをねらいに、「被爆体験伝承者~私がこれまで辿った道のり~」と題して開催しました。多くの学生にとって、被爆体験伝承者について詳しく知る、初めての機会となったようです。

講演では、沖本さんは被爆伝承活動を志した経緯を、大学時代の学びや社会経験に触れながらお話しくださいました。沖本さんは、旅行で訪れたドイツの戦争遺構を巡るツアーのなかで、若い世代のツアーガイドが熱心に説明している姿をみて、「自分は”ヒロシマ”のことをここまで説明できるだろうか」と衝撃を受け、「自分も広島を語り継ぐべきでは」との思いを抱いたとのことでした。講演では、さらに、伝承者となるためのプロセスや、講話の難しさ、また、活動するにあたり自身の迷いをどう解決したかなどをお話しいただきました。

講演の後の質疑応答では、「受け継いだ講話を英語に翻訳して海外の方に伝えたいとのことですが英訳の難しさを感じるところは?」との問いに「擬態語、擬音語など、どうやって表現するか、これは今から取り組む課題になります」との回答をいただきました。また「大学時代の経験で生かされたことは何ですか?」という質問に、「沢山ありますが、その一つは英語です。英語は話したいと思ってもすぐに身に付きません。学生時代から、積み重ねた経験が今に生かされています。」と話されました。そして、最後に「まさか卒業して13年後、平和学の授業で私が話をさせていただくとは思ってもいませんでした。」と語ってくださいました。

沖本さんは講演の中で、自身がキャリアを深めるなかで、「自分が本当にやりたいことは何か」に向き合い、考え抜いたことが、今の自分自身につながっているとお話しくださいました。講演会の感想には、「しっかりと自分に向き合って自分のしたいことを見つけようと強く思いました。」「今日の沖本さんの話を聞いて、大学生のうちに様々なことに挑戦するモチベーションとなりました。」などがあり、沖本さんの経験に学生たちは大いに刺激を受けた様子です。