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第75回ドキュメンタリー・アワーを開催しました

学習支援センターでは、「LSCドキュメンタリー・アワー」という、本学の教員が自ら選んだ映像作品を、教員の解説とともに視聴するイベントを行っています。

10月28日(金)に、第75回LSCドキュメンタリー・アワーを実施しました。
今回は、人間環境学部の城野哲平先生にマダガスカルの生物多様性について解説していただきました。生物多様性ホットスポットとしてのマダガスカルについて、ドキュメンタリー映像や、現地調査の体験談や調査映像から考えを深めていきました。

アフリカの東側にあるマダガスカルは世界で4番目に大きい島で、生物多様性ホットスポットの1つに指定されています。生物多様性ホットスポットとは、固有種割合が高い一方で、人間の活動により危機的状況にさらされている生態系がある地域のことです。ドキュメンタリー・アワーのはじめでは、城野先生に、なぜマダガスカルには多くの固有種が生息しているのか、そして、なぜ共存できているのかという二つの問いを提示していただきました。
まず、なぜ多様な生物が共存できるのかという点について、生物は生きていくための競争を避けるために、食い分けや住み分けをすることで、種が分化し、共存できるようになったと説明していただきました。
次に、なぜ多くの種が生息しているのかという点については、ドキュメンタリー映像を視聴し、隔離された場所で、生物が独自の進化をしたことを確認しました。また、固有種の多いマダガスカルでは、種間関係も特異に進化することがあります。その一例として、城野先生が現地で研究されていたアリとメクラヘビの関係について、フィールドワークで撮影された映像を見ながら、解説していただきました。
今回テーマになったマダガスカルでは、現在、人口増加と政情不安により、密猟や森林伐採が活発化し、自然破壊が進んでいるそうです。このような現状を踏まえ、ドキュメンタリー・アワーの最後では、人と自然を二項対立で捉えるのではなく、人は自然の一部であると捉えることで、生物多様性の重要性を認めることができるという考えを示していただきました。

お話の後では、参加者から積極的に質問が出されました。アンケートでも、「フィールドワークの面白さと生物多様性の重要さがよくわかった。写真や映像が見ていて楽しかった」「独自の生態系がはぐくまれたマダガスカルの内部事情を詳しく知ることができた」などの声がありました。

講師を担当された城野先生、参加された学生・教職員の皆さんに心より感謝申し上げます。
次回のLSCドキュメンタリー・アワーは来年度前期に開催する予定です。皆さんのご参加を、お待ちしています。

問い合せ先

学習支援センター

協創館(8号館)1階
Eメール: skill@js.shudo-u.ac.jp
電話: 082-830-1426