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第36回初年次教育セミナーを開催しました

10月17日(月)に、崇城大学の大嶋先生を講師にお招きして、第36回初年次教育セミナーを開催しました。学習支援センターでは毎年、教職員向けに「初年次教育セミナー」を開催して初年次教育の意義や授業・学習支援の工夫のしかた、学生を主体的な学びへ導く教育手法などを提案しています。
今回は、「学習支援の場で学生の学びを促す‐数学の学習支援を志す学生はどう集まっているか‐」をテーマに、崇城大学の学習支援体制「SALC」について、設立の経緯や数学・物理分野等のSALC組織の仕組み、学生ファシリテーターの育成と課題、学習支援の中で有効なアドバイジングスキルなどの観点からご講演いただきました。

【開催概要】
日時:2022年10月17日(月)14:50-16:20
講師:大嶋 康裕 氏 (崇城大学 総合教育センター 准教授)

大嶋先生は数学科学がご専門で、数学が必要な学部に入学したものの、数学の基礎力が足りない学生を指導する際に、微分・積分分野でも高校で学ぶ全範囲が必要というわけではないので、どこまでを理解しておくべきかを明確に示しておく必要がある、そうすれば最初から過剰な苦手意識とともに学習を進めずに済むことを教えていただきました。
場合によっては、教員よりも先輩学生のほうが経験的にその科目に必要な数学の範囲をよく理解しているので、学生ファシリテーターを育成して委託し、学生同士の学び合いで学力をつけさせ、確実な単位修得へ導く事例などをお話いただきました。

また、「崇城⼤学令和3 年度学⽣FC 研修(講師:宝来華代⼦) 活動1 実践練習」 および「「学習アドバイジングスキルガイドブック(1st ed.)」(崇城⼤学AP)1 - 13.アドバイジングの流れ」からの抜粋でアドバイジングの技術について教えていただきました。概要としては、「例えば対話の際、本題に入る前に、まずはラポール関係を築くため相談者の学修経験や好きなことなど、いくつかの質問をして相談者に関する情報を集める。これらの話の中にモチベーションを上げる⾔葉や学修以外の経験からでも学修問題の解決へと結びつけられる重要なヒントが⾒つかることもある。関⼼や情報を集める際には傾聴と観察をしっかり行い、気持ちについても尋ねる。」ということです。また、「会話中のアドバイジングスキル(非言語スキル、言語スキル)の具体的な留意点」についても詳しくご説明いただきました。
参加者からは、「久しぶりに文科省の事業のことを知ることができて有益な情報でした」、「学科で求められる数学が限定されている話で、大学で必要な数学力がどこまでなのかを知らせるため、教員へ質問することを促したいと思いました」、「学生対応の時に学生と信頼関係を築くために、非言語スキル(うなずき、ミラーリング、アイコンタクト)と言語スキル(あいづち、繰り返し、注目のスキル、褒める、共感)を活用していきたい」、「学生をサポートする学生のしくみをどう作るのか参考になりました」という声が寄せられ、質疑応答も含め大変有益なセミナーとなりました。                                     (参加教員9名、職員8名)