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法曹三者による講演会を開催しました

10月15日、法学部1年生の初年次セミナーの授業として、広島地方裁判所より横井裕美判事、広島地方検察庁より西岡剛検事、広島弁護士会より目代雄三弁護士を講師としてお招きし、裁判員制度をテーマに講演会を開催しました。この講演会は、広島地方裁判所、広島地方検察庁及び広島弁護士会による裁判員制度についての啓発活動の一環です。

最初に、横井判事より、裁判員制度について、裁判官と衆議院議員の選挙権を有する者から選ばれた裁判員とが、重大な刑事事件についてともに審理し、評議を行い、量刑を決定するまでの手続きの流れを、クイズを交えながら教えていただきました。ついで、西岡検事より、検察官の挙証責任に関して、立証手法を具体的にご説明いただき、裁判員裁判における証拠調べに関して、事件資料の量の軽減等を通じて、裁判員に理解しやすくする工夫をされていること等お話しいただきました。最後に、目代弁護士より、不意に被疑者・被告人となってしまった人の権利の保障に資するという弁護人の役割を全うするために、裁判員裁判は通常の裁判と比べて日程が詰まっているので、より過酷ではあるが、裁判員の理解に向けて尽力されていること等をお話いただきました。

その後、質疑応答の時間が設けられ、学生から活発に質問が出されました。「裁判員の守秘義務はいつまで継続するのか?」という質問には、「評議の内容にかかわる事項については、守秘義務は一生涯続く」という回答が得られ、評議における自由な意見交換の場を守る必要があることが改めて認識されました。また、「裁判官以外の検察官および弁護士の裁判員への関わり方はどうなのか?」という質問に対しては、「直接裁判員と評議等を通じて話す機会があるのは裁判官で、他の二者は公正を担保するため接触することはない。しかし、裁判員の正確な理解が公正な裁判につながるのだという共通認識の下、公判前整理手続の段階で三者協力して裁判員に理解しやすい裁判を実現する努力をしている」という回答が得られました。

法学部1年生は、前期の基礎演習Iの授業で、広島弁護士会のご協力を得て広島地方裁判所で刑事裁判を傍聴しました。今回、実際に裁判に関わっている法曹三者のお話を伺い、裁判に対する関心もより一層高まったことと思われます。