学習支援センターでは、「LSCドキュメンタリー・アワー」という、本学の教員が自ら選んだ映像資料を教員の解説とともに視聴し、楽しみながら見識を深めるイベントを定期的に行っています。
第82回は、「国際協力を問い直す—「私たち」と「あの人たち」の境界を超える—」と題して、国際コミュニティ学部の隅田 姿准教授が登壇。今回は、『ポバティー・インク』というドキュメンタリー映画を見ながら、「国際協力」という行為の背景にある「助ける側/助けられる側」という無意識の先入観について、従来の発想を問い直し、本来の国際協力のあり方について、参加者の皆さんと一緒に考えながらわかりやすく解説しました。
第82回は、「国際協力を問い直す—「私たち」と「あの人たち」の境界を超える—」と題して、国際コミュニティ学部の隅田 姿准教授が登壇。今回は、『ポバティー・インク』というドキュメンタリー映画を見ながら、「国際協力」という行為の背景にある「助ける側/助けられる側」という無意識の先入観について、従来の発想を問い直し、本来の国際協力のあり方について、参加者の皆さんと一緒に考えながらわかりやすく解説しました。
寄付行為から生まれる副作用
まず、各々が考えている世界の現状の捉え方やこれまでの国際協力への取組を振り返るために、世界の現状に対するクイズや国際協力についての質問に取り組みました。一般的に国際協力に関する行為(行動)としては、寄付行動・寄付連動型商品の購入・募金活動などが想起されます。善意で行われるそれらの行為について、隅田准教授からその続き(影響)について考えたことがあるかという問題提起がされました。
『ポバティー・インク』では、他国からの衣類の寄付によって、現地の綿産業が廃業となり職人が解雇されていたり、寄付の内容や頻度で現地の中小企業の売上が左右されたりする実情が紹介され、寄付行為による副作用が生じていると指摘されていました。このような寄付行為は、海外への支援が行われ始めた第二次世界大戦以降継続的に行われていますが、副作用が生じるという状況はこの80年間一向に変わっておらず、隅田准教授は疑問を投げかけました。
『ポバティー・インク』では、他国からの衣類の寄付によって、現地の綿産業が廃業となり職人が解雇されていたり、寄付の内容や頻度で現地の中小企業の売上が左右されたりする実情が紹介され、寄付行為による副作用が生じていると指摘されていました。このような寄付行為は、海外への支援が行われ始めた第二次世界大戦以降継続的に行われていますが、副作用が生じるという状況はこの80年間一向に変わっておらず、隅田准教授は疑問を投げかけました。
副作用の背景
改善されない状況について、隅田准教授は寄付行為による副作用には、あるメカニズムが働いていると示しました。そのメカニズムとは、①人々に「私たち(助ける側)」と「あの人たち(助けられる側)」という分断の思想が生まれる、②相手に対して物事をドラマティックに見ていくことで、「あの人たち」には足りないものがあるという欠如のラベリングがされていく、③国際協力の制度や枠組みでラベリングが固定化される、④実践によって分断が証明される、という悪循環です。さらに⑤寄付を通して、人の役に立ったことで得られる快楽感からこれらの悪循環が促進されるというものです。そして、改めて国際協力について固定観念を見直し、「あの人たち」と「私たち」を分けないことや、現地の人や社会状況を知ることが大切であると話しました。
今回のドキュメンタリー・アワーを通して、善意で行われる国際協力に関する行動について、どれぐらい影響を与えるものになるのか想像力を働かせて考える良いきっかけとなりました。
今回のドキュメンタリー・アワーを通して、善意で行われる国際協力に関する行動について、どれぐらい影響を与えるものになるのか想像力を働かせて考える良いきっかけとなりました。
参加者からは、「『無意識のバイアス』という表現があり、国際協力に限らず自分の尺度で物事を見ているかもしれないと気づくきっかけになった」「国際協力に関するイメージが変わりました。安易な援助で、現地の文化まで失われている事実に驚きました」などの声がありました。
次回のLSCドキュメンタリー・アワーは、2026年度後期に開催する予定です。
次回のLSCドキュメンタリー・アワーは、2026年度後期に開催する予定です。
問い合わせ先
学習支援センター
協創館(8号館)1階
Eメール: skill@js.shudo-u.ac.jp
電話: 082-830-1426
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