学習支援センターでは、「LSCドキュメンタリー・アワー」という、本学の教員が自ら選んだ映像資料を教員の解説とともに視聴し、楽しみながら見識を深めるイベントを行っています。
第81回は「地域社会の民俗学—『村系ホラー』を超えて—」と題して、人文学部の三隅 貴史先生にお話をいただきました。
社会学・民俗学において重要となる「ものの見方」について、近年流行している「村系ホラー」作品や、福岡県柳川市をはじめとする地域社会の事例を手がかりに、わかりやすく解説されました。当日は、高畑 勲氏が監督を務めたドキュメンタリー映画「柳川堀割物語」を視聴し、民俗学者ならではの視点から、映像資料の価値や魅力についてもお話いただきました。
第81回は「地域社会の民俗学—『村系ホラー』を超えて—」と題して、人文学部の三隅 貴史先生にお話をいただきました。
社会学・民俗学において重要となる「ものの見方」について、近年流行している「村系ホラー」作品や、福岡県柳川市をはじめとする地域社会の事例を手がかりに、わかりやすく解説されました。当日は、高畑 勲氏が監督を務めたドキュメンタリー映画「柳川堀割物語」を視聴し、民俗学者ならではの視点から、映像資料の価値や魅力についてもお話いただきました。
「村系ホラー」作品の傾向
多くの作品では、因習に支配されていた村が主人公によって滅ぼされたり、因習から解放されたりする構図が描かれがちです。ストーリーの上では地域社会の人々は因習に支配され、論理的に行動することができない「近代的ではない存在」として描かれることが多い点が指摘されました。さらに、人口規模が縮小されており「限界」を迎えている地域社会が、若者など外部の手で活性化されなければならないという固定観念にとらわれやすいことも示されました。
地域社会への偏見
三隅先生が実際に訪れた集落での体験やさまざまなデータをもとに、現実の地域社会での生活についての説明がありました。そこでは、比較的近距離に親族が住んでいる事例が多いことや、祭りなどの地域行事を通じて人々がいきいきと生活している様子が紹介され、私たちが地域社会に対して無意識のうちに抱いている偏見が改めて浮き彫りになりました。
柳川の堀割(水路)と人々の生活
柳川の堀割は、高度経済成長期に汚染が進み、人々の生活との関わりが一時的に希薄となりました。しかし、多くの地域では小川を暗渠化・埋め立てする中で、かつて柳川で行われていた堀の清掃といった地域活動を復活させ、衰退していた堀割との「煩わしいつきあい」を取り戻しました。その結果、今でも美しい堀割が保たれ、自然と人間が共生する地域になっていることが、映画内で示されました。
今回のLSCドキュメンタリー・アワーでは、これまで守られてきた「伝統」の論理には、都市に暮らす私たちが学ぶべき点が多くあり、地域社会は決して「限界」ではないということを知る機会となりました。
参加者からは、「煩わしいつきあいという観点で、自然や住民問題を分析している視点に共感できた」、「限界集落や因習について普段の解釈と異なる新たな視座をいただけた」などの声がありました。
次回のLSCドキュメンタリー・アワーは2026年度前期に開催予定です。
問い合わせ先
学習支援センター
協創館(8号館)1階
Eメール: skill@js.shudo-u.ac.jp
電話: 082-830-1426
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