2022.10.14

高校

高校2年生研修旅行「沖縄コース5日間」3日目

期日:2022年10月11日(火)~10月15日(土)

3日目(10月13日)

沖縄コース3日目、少し疲れを出している生徒もいますが、ほとんどの生徒たちは元気に朝食会場に集まりました。
今日はいよいよ読谷村での一日研修です。バスごとで出発時間・回るコースが異なりますが(場所は順番が異なるだけで同じです)、一日かけて読谷村のさまざまな場所を巡ります。 例えばバスの1号車は、ホテルを出発後、チビチリガマ→サトウキビ畑歌碑→ユンタンザミュージアム・座喜味城→残波岬公園→掩体壕→御菓子御殿本店→ホテルという順番で回ります。他のバスは、この順序を少しずつ入れ替える形で回り、途中のユンタンザミュージアム・座喜味城で一度全員が揃うようにしています。

8:30~16:00 読谷村 各名所を巡る

チビチリガマ(平和学習)

沖縄戦の最初の戦場(米軍の上陸地)となった読谷村ですが、そこにあるチビチリガマの悲惨な歴史についてガイドの方から説明を受けました。生徒たちは前日のひめゆりの塔でガマについては目にし、説明を受けてはいましたが、このチビチリガマはほとんど当時のままに保存されており、その雰囲気やガイドの方の語る、戦争というものの現実の姿に、生徒たちは言葉を失っていました。
ここでは、前日に夜の班長会の際に、各班の班長に作ってもらった行燈を供え、祈りを捧げました。この行燈は、平和公園に捧げられた千羽鶴の再生紙から作られています。

ガイドの方から説明を受けます。

昨晩、作成した折り鶴再生紙で作った灯篭を供えます。

サトウキビ畑 歌碑(平和学習)

チビチリガマのすぐそばには、名曲「サトウキビ畑」歌碑が建てられています。この歌は歌手の森山良子さんが歌われていますが、明石家さんまさん主演の「サトウキビ畑の歌」で使用されてヒットしたということです。その映画のロケ地となったのがこの読谷村で、あたりはまさに一面サトウキビ畑で、映画のシーンと歌のメロディが思い出されました。

ユンタンザミュージアム・座喜味城跡

ユンタンザミュージアムは、座喜味城跡のすぐそばにある資料館で、世界遺産・座喜味城跡や読谷で育まれた自然・文化遺産や沖縄戦について展示がされています。座喜味城は、15世紀の初頭、読谷山按司護佐丸によって築かれたといわれ、2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の資産として世界遺産に登録されています。それぞれのコースを回っていた生徒たちは一度ここで集合し、お弁当を受け取って、それぞれが眺めのいい場所を探して(戦後の一時期はアメリカ軍のレーダー基地になっていたそうです)昼食を取っていました。

残波岬公園

残波岬公園では、東シナ海に臨んで高さ30mの断崖絶壁が約2kmにわたって続く景色や、岩にぶつかり白い飛沫を激しくあげる波の様子に、生徒たちは歓声を上げていました。また、青い空にそびえ立つ真っ白な灯台の美しさに、しばし声を忘れて見入っていました。

掩体壕

掩体壕は、旧日本軍によって1943年に軍用機を敵の攻撃から保護する施設として建設されました。当時約10基が作られたそうですが、現在残っているのは1基だけということです。読谷村に以前旧日本軍の飛行場があったこと(それは読谷村が米軍の上陸地に選ばれたこと、そしてその後米軍の飛行場となってしまったこととつながるのですが)を示す、貴重な戦跡の一つです。

どのバスも最後には御菓子御殿本店に集まり、いよいよ生徒たちはお土産選びです。この研修旅行では、初日の10月11日(火)から始まった全国旅行支援が適用されました。生徒一人、一泊につき3000円の地域クーポンが配られました。全4泊ですから、合計12000円分です。思わぬお小遣いに生徒たちは大喜び。家族や友だちに買って帰るお土産をカゴ満載に買って、とても満足そうな様子でした。

このバス移動とは別に、白岩校長先生と生徒代表として生徒自治会会長の川原君、副会長の滝本君、学年主任の新納の四人で、昨年10月に行った「被爆ピアノ・平和集会」の際にビデオメッセージを寄せてくださった読谷村の村長・石嶺傳實様へ表敬訪問を行いました。ビデオメッセージの中の石嶺村長の真摯な眼差しに触れ、研修旅行での読谷村訪問を思い立ってから1年、やっと対面が実現しました。

10:00 読谷村役場 石嶺村長に表敬訪問しました。 白岩校長、新納学年主任、生徒代表2名、ひろしま被爆ピアノの会沖縄事務局 松田氏

石嶺村長は、思っていた通りの優しく穏やかな方で、緊張するこちら側に気を遣っていただき、様々な話を聞かせていただきました。途中で生徒からの質問を求められ、生徒からの「村長として一番大変だったことはどのようなことですか?」や「なぜ村長になろうと思ったのですか?」という質問にも丁寧に答えて下さいました。

11:00 FMよみたん「ゆんたんじゃ出番ですよ!」に出演しました。
白岩校長、新納学年主任、生徒代表2名

表敬訪問を終えると、すぐそばにあるFMよみたんのラジオ番組に出演しました。パーソナリティは、平和集会で司会をしてくださった金城礼子さんです。しかもその場には昨年被爆ピアノを演奏して下さったベニー津波さんもいらしてくださり、うれしい再会となりました。番組では、緊張する教員とは違って堂々と自分の考えを述べる生徒二人にびっくりしました。自分の考えや質問されたことに堂々と答える姿に、生徒たちの成長を感じ、嬉しくなりました。

FMよみたんのYouTubeにて視聴できます。ぜひご覧ください。

この日の読谷村でのプログラムが、この研修旅行のメインと言っても過言ではありません。1年前の「被爆ピアノ演奏・平和集会」から1年、生徒たちも様々なことを学び、経験してきました。そして今日、さらに新たな学びや出会いがありました。このことは、きっとこれからの生徒の生き方に良い影響を与えると思っています。
今回の読谷村でのプログラムは、コーディネートをしてくださった松田様を初めて、石嶺村長、チビチリガマのガイドの方々、遺族会の方々など、多くの人々のお力を借りて実現したものです。この場を借りて、深く御礼申し上げます。ありがとうございました。