2025.10.17
高校
高校2年生研修旅行「沖縄コース」4日目~「観光人クエスト」で描く、私たちの未来像~
研修旅行沖縄コース4日目は観光人クエストとアメリカンビレッジの自由散策でした。
観光人クエスト
観光人クエストでは沖縄で活躍している観光人の方の講演やワークショップを通して、自分のキャリアについて考えるきっかけになりました。 今回は3つのコースに分かれました。
セソコマサユキさん
問い:「100年後も、自分達の暮らしのそばにあり続けてほしいものは?」
セソコマサユキさんのコースでは、ものづくりをテーマに活動を行いました。セソコさんは編集者、ライター、カメラマンと様々な顔を持ち、現在は「島の装い」というお店の経営をしており、沖縄県内でものづくりをされている多くの作家さんの作品を販売しています。そんなセソコさんからの問いは「100年後も、自分達の暮らしのそばにあり続けてほしいものは?」というものでした。ワークショップではクバの葉を使ったカゴ作りを体験し、ものづくりの大変さと楽しさを感じる事ができました。その後、セソコさんからは自分達の小さな選択が未来を作っているというお話をして頂きました。何を選び、何を買うかで、未来にどんなものが残っていくかが決まるので、伝統的なものや大切に作られたものを未来に残していくために、今のお店を経営して作家と使う人を繋げる役割をしているという事でした。
生徒達は今回のワークショップを通して、ものをもっと大切にしたいという思いや、値段だけではなく、それがどんな想いで作られているか考えるようにしたいと振り返ってくれました。






深田友樹英さん
問い:「今、自分が面白いと思うことと、わんさか大浦パークを掛け合わせると、どんな可能性が生まれるか?」
深田友樹英さん(株式会社わんさか代表取締役)のコースでは、名護市大浦湾周辺の地域づくりについて学びました。 深田さんが働く「わんさか大浦パーク」は、過疎化が進む大浦湾周辺地域を元気にすることを目的に運営されている施設で、地域資源を生かしたさまざまな事業を展開しています。
フィールドワーク① ストア・直売所の見学
はじめに、地域の農産物や加工品、工芸品が並ぶストア・直売所を見学しました。島バナナやシークヮーサーなど、沖縄ならではの商品に生徒たちは興味津々。販売されているシークヮーサーアンダギーやシークヮーサージュースの試食もさせていただき、地場産の魅力を発信する取り組みを知ることができました。


フィールドワーク② マングローブ遊歩道の散策
続いて、エコツーリズム事業として整備されたマングローブ遊歩道へ。沖縄特有の植生や、トビハゼ・カニなどが息づく多様な生態系を間近で観察することができました。広島とは全く異なる自然環境は、生徒たちの心に強く刻まれた様子でした。






フィールドワーク③ 大浦集落の散策
大浦集落では、地域の暮らしと知恵が息づく建物や植物を見学しました。川の氾濫に備えた高床の建物や赤土で作られた壁、住民みんなで作ったシーサーなど、土地に根付いた工夫と文化に触れ、地域のつながりの温かさを感じることができました。




グループワーク
午後からは、「今、自分が面白いと思うことと、わんさか大浦パークを掛け合わせると、どんな可能性が生まれるか?」という問いをもとに、グループで企画を考えました。
生徒からは、「地域の生き物や植物を題材にしたマンガや歌を作ってはどうか」「美しい海や川を生かした水上アクティビティを増やしたら良いと思う」など、地域の魅力を生かしたアイデアが生まれました。
最後に、深田さんから、事業に取り組む思いや歩んできた道のりについてお話を伺いました。「自分の可能性を信じることを忘れないでほしい」という力強いメッセージに、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
生徒からは、「地域の生き物や植物を題材にしたマンガや歌を作ってはどうか」「美しい海や川を生かした水上アクティビティを増やしたら良いと思う」など、地域の魅力を生かしたアイデアが生まれました。
最後に、深田さんから、事業に取り組む思いや歩んできた道のりについてお話を伺いました。「自分の可能性を信じることを忘れないでほしい」という力強いメッセージに、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けていました。




1日を通して、生徒たちは自然の魅力や地域に根付く暮らしの工夫、人と人の結びつきを五感いっぱいに感じ取りました。目の前の風景に心を動かされながら、自然と共に生きる尊さや地域を支える人々の思いに触れ、多くの気づきと学びを得ることができました。
知念杏珠さん、崎濱花鈴さん
問い:「自分が未来に『残したいもの』・『変えたいもの』は何ですか?」
知念杏珠さん、崎濱花鈴さんのコースでは、身近な地域の課題解決をテーマに活動を行いました。
知念さんと崎濱さんは、Okaraokara株式会社を設立し、おからの活用や島豆腐の魅力を発信する活動を行っておられます。なぜ「おから」なのか?お二人は、沖縄の豆腐屋さんが次々と閉店していくことに疑問を持ち、閉店の原因を調べ始めたそうです。その結果、豆腐の副産物である「おから」の廃棄にかかるコストが経営を圧迫していることが分かりました。なんと豆腐を1kg作ると、おからは1.4kgもできるそうです。そこで、自分たちの大好きな豆腐屋さんを守るために、おからのロス問題に取り組み始めたとのことでした。
そんなお二人からの問いは、「自分が未来に『残したいもの』・『変えたいもの』は何ですか?」。この問いを考えるために、生徒たちは2つのワークショップに取り組みました。
ワークショップ① 豆腐づくり体験




生徒たちは、大豆から「ゆし豆腐」(四角く成形する前のおぼろ状の豆腐)を作ることに取り組みました。豆腐は身近な食べ物ですが、作り方を知らない生徒たちは、本当に豆腐ができるのか不安な様子でした。大豆から豆乳を搾り、豆乳に「にがり」を入れて固まる様子を見て、とても驚いていました。そして、実際に豆腐を作ったことで、本当に多くのおからができることを実感していました。
ワークショップ②公設市場「いとま〜る」探究




昼食後、広島では見たことのない不思議なものを探しに、糸満市の公設市場「いとま〜る」を訪れました。そこで商品以上に生徒たちを"翻弄"したのは、沖縄の「おじい」と「おばあ」でした。「どこから来たの?」「いつまでいるの?」「これ美味しいから食べて(飲んで)行きなさい」と広島から来た高校生を歓迎してくれました。
始めはたじろいでいた生徒たちも、話しているうちに打ち解けていき、いつしか話は沖縄の歴史や暮らし、食文化へと移り、インターネットでは知ることのできないことをたくさん教えていただきました。
振り返り
最後に、知念さんと崎濱さんから生徒たちにメッセージが送られました。自分が未来に『残したいもの』・『変えたいもの』を見つけるために必要なこと、それは自分にとって大事なこと(もの)=「自分ごと」を増やすこと。そして、失敗することを恐れず行動してみてほしい。行動すれば失敗することもたくさんあるけれど、自分でも気付かないうちに大きな成果や変化を生み出していることがあるんです。
ワークショップを通じて生徒たちは、身の回りの課題を自分ごととして捉えること、まずは行動してみることの重要性を学ぶことができました。
アメリカンビレッジ
観光クエストが終わった後はホテルに戻って、待ちに待った、アメリカンビレッジの散策を行いました。煌びやかな街並みに生徒達は少し興奮気味で出発して行きました。
アメリカンビレッジでステーキや、タコス、ハンバーガーなど各々で夕食を食べた後は、お土産や古着、アメリカならではの雑貨を見ながら、買い物を楽しみました。
最後には海岸沿いから花火が上がり、生徒達にとっては最高の思い出になったのではないでしょうか。
明日はいよいよ最後日です。長いようであっという間の研修旅行でした。最終日は首里城公園の見学や、国際通りの散策もあります。最後までしっかり楽しみ、しっかり学んで広島へ戻りましょう。








