2025.10.16

高校

高校2年生研修旅行「沖縄コース」3日目~戦跡見学と学校交流を通して深める平和への学び~

今日から次のホテルへ移動するため、朝6時から起床し、部屋の片付けをしたり、荷物をまとめたりと忙しい一日のスタートでした。
午前中は読谷高校との学校交流を行うグループと掩体壕・ユンタンザミュージアムを見学するグループに分かれて行動しました。

学校交流:読谷高校

読谷高校との交流では、両校がこれまで取り組んできた平和学習について、お互いにプレゼンテーションを行いました。
初めに、読谷高校の喜久本校長先生より、戦後80年の節目に広島と沖縄の高校生が交流することの意義についてお話しいただき、読谷高校のまつどう君による開会の挨拶で始まりました。

交流学習:広島について

まず、本校生徒によるプレゼンです。
広島で平和学習と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「原爆」ですが、今回はさまざまな角度から広島の平和について捉え直しました。
「広島の原爆」と「沖縄の地上戦」を比較したり、大久野島の例から、広島を「戦争の加害者」として捉えたり、広島が誇る2つの世界遺産でインタビューをしてまとめたりしました。また、路面電車やお好み焼き、スポーツ(カープとサンフレッチェ)が戦後の復興に果たした役割について考察しました。

交流学習:沖縄について

続いて、読谷高校生徒によるプレゼンです。
方言クイズを交えた「沖縄文化と戦争の歴史」、疎開する多くの民間人が命を落とした「対馬丸の悲劇」、本土決戦の時間稼ぎをするために10代半ばの少年達で結成されたゲリラ部隊「護郷隊」、現在進行形で続いている「沖縄の基地問題」について、プレゼンをしてもらいました。
 
両校のプレゼンに共通して言えるのは、「押し付けられる」平和ではなく、自分たちで課題を見つけて、さまざまな視点から「探究する」平和であったことです。このような柔軟性こそ、戦争の悲惨さや平和を語り継いでいく上で、必要な素養のように思われました。

プレゼン終了後には、お土産を交換し合い、本校生徒の竹野くんが閉会の挨拶を行いました。挨拶の最後には、竹野くんの唱和でお互いに拍手を送り合い、交流会は無事に終了しました。
ただ、時間の都合で、自由な懇親の時間が取れなかったことだけが惜しまれます。
 
交流会は終始、和やかな雰囲気で行われましたが、頻繁に聞こえてくる戦闘機の音を耳にする時、ここが「沖縄」であることを思い知らされました。
 
沖縄と広島、ともに忘れられない、忘れてはいけない歴史を持つ県の高校生同士が交流することには、大きな意義があるはずです。生徒たちにとって、大変貴重で大きな経験になったことと思います。
ここまで準備をしてくださった方々、そして読谷高校のみなさんに感謝いたします。ありがとうございました。

掩体壕・ユンタンザミュージアム

▲掩体壕

掩体壕・ユンタンザミュージアムのグループは読谷村の現地のガイドさんと合流し、ミュージアムや掩体壕の説明を行なって頂きました。ユンタンザミュージアムでは読谷村の歴史や、文化、遺産等の資料を見学し、読谷村について理解を深めました。また、座喜味城跡を見学し、琉球王国の歴史にも触れる事ができました。城壁の上からは読谷村や水平線を一望でき、生徒達はその壮大な景色に感動していました。
掩体壕(当時、小型戦闘機を収めていた場所)の見学ではかつての戦争の跡地を見ながら、当時の沖縄地上戦の細かな様子まで、ガイドの人に教えて頂きました。改めて戦争の怖さを実感することができたと思います。

掩体壕

ユンタンザミュージアム

ユンタンザミュージアム

座喜味城跡

座喜味城跡

昼食:バーベキュー

昼食では2つのグループが合流し、沖縄ポークビレッジでバーベキューをしました。
綺麗な海岸を背にしながら、美味しいお肉をいただきました。お肉もたくさん用意して頂き、生徒達はみんな満腹で大満足の様子でした。

表敬訪問 読谷村石嶺村長

▲表敬訪問

午後からは一部の生徒が読谷村役場へ赴き、昨年9月に行った「被爆ピアノ・平和集会」の際にビデオメッセージを寄せてくださった読谷村の村長・石嶺傳實様へ表敬訪問を行いました。
読谷村の歴史、広島とのかかわりなど、ここでしか聞けない様々な話を聞かせていただくことができ、貴重な経験となりました。やや緊張感漂う空気で始まった訪問でしたが、時には笑いも交えながらお話くださったおかげで生徒たちの緊張感も解け、終わった後には「もっとお話したかった」という声も聞くことができました。
表敬訪問の後は、「被爆ピアノ講演会」で司会を務めていただいた金城礼子さん(FMよみたんパーソナリティ)の案内で、FMよみたんサテライトスタジオにお邪魔し、実際にラジオを収録する様子を間近で見学させていただきました。
「被爆ピアノ講演会」を通して出会えた方々と再び交流を持てたことに、終始嬉しそうな様子が窺えました。

左:金城礼子さん(FMよみたんパーソナリティ)

FMよみたんサテライトスタジオ見学

FMよみたんサテライトスタジオ見学

チビチリガマ・シムクガマ

その他の生徒は1年生の平和学習で被爆ピアノの際に学んだ、シムクガマとチビチリガマへ実際に訪れました。本来、チビチリガマの中に入る事はできませんが、これまでの交流を通して、協創高校の生徒は特別に中に入る事を許可して頂きました。ガマの中は真っ暗で、今でも遺品や遺骨が残っており、当時の悲惨な状況を肌で感じる事ができました。ガイドさんの話しにも真剣に耳を傾けて、二度と戦争を繰り返してはいけないという想いをより強くすることができました。
ガマを出発した後は「道の駅かでな」に立ち寄り、展望台から嘉手納基地の滑走路を見る事ができました。何台かの軍用機が基地に着陸する所を近くで観ることができ、その迫力を肌で感じることができました。

夕食

 その後、ホテルに移動し夕食を食べました。夕食のビュッフェでは沖縄の伝統的な料理も数多くあり、中でもブルーシールのアイスクリームが大人気でした。暑い中、長い距離を歩いたこともあり、疲れも見えていましたが、夕食でエネルギーをチャージする事ができたようです。
今日から泊まるホテルはアメリカンビレッジのすぐ隣で、日本とは違う建物や景観に生徒は興味津々でした。
明日はアメリカンビレッジを自由に散策する時間もあり、生徒達は非常に楽しみにしています。明日もたくさん学びたくさん楽しむ1日になって欲しいと思います。