2023.10.17

高校

高校2年生研修旅行「沖縄コース5日間」 2日目

期日:2023年10月16日(月)~10月20日(金)

2日目(10月17日)

沖縄コース2日目、ほとんどの生徒たちが元気に朝食会場に集まりました。研修旅行が良い経験である証でしょうか?皆の表情も良いものであると感じています。
今日はいよいよ読谷村での一日研修です。バスごとで出発時間や回るコースが異なりますが、一日かけて読谷村の歴史に関連した場所を巡ります。
例えばバスの1号車は、ホテルを出発後、チビチリガマ→サトウキビ畑歌碑→ユンタンザミュージアム・座喜味城跡→残波岬公園→掩体壕→御菓子御殿本店→ホテルという順番で回ります。他のバスも、この順序を少しずつ入れ替える形で回っていき、平和について考えを深めていきます。

▼7:00~朝食

読谷村での一日研修

(チビチリガマ/サトウキビ畑歌碑/ユンタンザミュージアム/座喜味城/残波岬公園/掩体壕/御菓子御殿本店)

バスごとで出発時間・回るコースが異なりますが(場所は順番が異なるだけで同じです)、一日かけて読谷村のさまざまな場所を巡ります。

チビチリガマ(平和学習)

沖縄戦の最初の戦場(米軍の上陸地)となった読谷村ですが、そこにあるチビチリガマの悲惨な歴史についてガイドの方から説明を受けました。このチビチリガマはほとんど当時のままに保存されており、その雰囲気やガイドの方が語る、自分たちが知っているような「戦争」の姿だけでなく、本来の「戦争の現実」に、生徒たちは言葉を失っていました。
チビチリガマの内部で集団死された方々に黙祷を捧げ、哀悼の意をこめて高校2学年全体で折った千羽鶴を奉納しました。千羽鶴を手渡しさせて頂いた方は、チビチリガマ遺族会会長の与那覇様でいらっしゃいますが、「今一度戦争というものに心を傾けて、平和に対しての思い『戦争をなくそう』ということを広島からも訴え続けてください。子どもたち、孫たちのために」という思いを皆で共有しました。
生徒たちにとても強く心に響いたようで、戦争の様々な側面やその後の遺族の方々の思いに対して思考を深め、「平和の希求」が沖縄での凄惨な出来事から70年あまりたった現在でも重要であると再確認しました。

サトウキビ畑 歌碑(平和学習)

チビチリガマのすぐそばには、名曲「サトウキビ畑」歌碑が建てられています。この歌は歌手の森山良子さんが歌われていますが、明石家さんまさん主演の「サトウキビ畑の歌」で使用されてヒットしたということです。その映画のロケ地となったのがこの読谷村で、あたりはまさに一面サトウキビ畑でした。歌詞にあるとおりですが、このさとうきび畑で過去にあったことに思いを馳せて、歌を聞きながらきれいなさとうきび畑を眺める生徒の姿が印象的でした。

ユンタンザミュージアム・座喜味城跡

ユンタンザミュージアムは、座喜味城跡のすぐそばにある資料館で、世界遺産・座喜味城跡や読谷で育まれた自然・文化遺産や沖縄戦についての展示がされています。座喜味城は、15世紀の初頭、読谷山按司護佐丸によって築かれたといわれ、2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の資産として世界遺産に登録されています。ミュージアムの展示物を鑑賞する生徒たちからは、「沖縄のくらしというのはやっぱり気候とすごく関係が深いな」、「琉球の文化がとても残っているな」など気づいたことが沢山あったようです。また、城跡を散策しているときには、この城跡からの沖縄の眺めや、琉球石灰岩のきれいな石垣を見て驚くとともに楽しんでいました。

残波岬公園

残波岬公園では、きれいな海の様子や、青い空にそびえ立つ真っ白な灯台の美しさに歓声が上がっていました。残波岬の近くにはビーチなどもありましたが、岬自体はゴツゴツとした大きな岩が点在しており、海の力、自然の力を見ることができました。海を見て、生徒からは「きれ~い」「すご~い」のことば。やはり沖縄といえばきれいな海なんでしょうね、しっかりと目に焼き付けましょう!!

掩体壕

掩体壕は、旧日本軍によって1943年ごろに軍用機を敵の攻撃から保護する施設として建設されました。沖縄には多数の掩体壕があるようですが、読谷村にも飛行場から飛び立つための軍用機を隠す掩体壕が存在します。近くに飛行場があったこともありこういった史跡がありますが、戦争の結果残ったものを見学していると、「平和」について多数の側面を見出すことができるなと感じました。生徒たちにとってなかなか軍用機とは馴染みがありませんが、近くには「義烈空挺隊玉砕之地の碑」もあり、過去の出来事にも思いを馳せ黙祷を捧げました。平和の裏側にあること、その歴史に考えを深められる良い機会になったように思います。

お菓子御殿

 どのバスも最後には御菓子御殿本店に集まり、いよいよ生徒たちはお土産選びです。沢山のお菓子に目移りしつつ、ガイドさんにもオススメを聞いてお土産を選んでいました。沢山のお土産を買っていた生徒の皆さんの表情を見る限り、とても満足そうな様子。今日の一日で沢山の平和への思い、遺族の方の思いを聞きました。自分自身の考えも変わったのではないかと思いますが、お土産と同じように、ぜひとも今回の平和学習で築いた「平和」への考えを持ち帰って周りと共有していってほしいと願います。

また、自治会役員2名は読谷村村役場を訪れ、読谷村村長の石嶺傳實様を表敬訪問いたしました。沖縄の人々の温かさとおおらかさ、多くの素晴らしい工芸を生み出した読谷村出身の人間国宝の方々等、沢山の読谷村の素晴らしさについてお話くださいました。
その後、FMよみたんの番組に出演した自治会役員は今回の研修旅行までの平和学習やこれから目指していることについて、パーソナリティの金城様にインタビューされる形で話しました。貴重な体験でした。

11:00 FMよみたん「ゆんたんじゃ出番ですよ!」に出演しました。 小林学年主任、野々村先生、生徒代表2名

▼夕食

この日の読谷村でのプログラムが研修旅行のメインと言っても過言ではありません。高校1年生の時から生徒たちも様々なことを学び、経験してきました。昨年度からのご縁を大切にして出来たこの平和学習を通し、かつての戦争経験を通した平和学習から、より「平和の希求」について考えを深められたのではと思います。特に、チビチリガマで起きた出来事というのは沖縄の方々にとっても、決して簡単に触れて良いものではないように、遺族の方々の「思い」というのを受け継ぎ今後に活かしてほしいと思います。後世に受け継ぐことはやはり『美しいこと』を大切にしていきたいですが、今までの背景や様々な視点からの考え方を大切にして、自分の思いをカタチにできる社会の一員になって欲しいと願います。
昨年度から引き続き、今回の読谷村でのプログラムは、コーディネートをしてくださった松田様を初めて、石嶺村長、チビチリガマのガイドの方々、遺族会の方々など、多くの人々のお力を借りて実現したものです。この場を借りて、深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
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