2023.10.17

高校

高校2年生研修旅行「カンボジアコース5日間」 2日目

期日:2023年10月16日(月)~10月20日(金)

2日目(10月17日)

カンボジアコース2日目、生徒たちは午前7時、元気に朝食会場に集まりました。
今日のプログラムは、午前中「SALA SUSU」スタディーツアー、午後は地雷撤去博物館への訪問です。
「SALA SUSU」スタディーツアー
SALA SUSU (サラスースー) とは、カンボジア発のファッションブランドです。農村にある小さな工房で、近隣の女性たちによって丁寧に仕立てられています。“SALA”は「学校」、“SUSU”は「がんばって!」という意味であり、工房は明るい未来を信じてがんばることを学ぶ、学びの場となっていました。先月、日本での販売ならびに新商品の開発を終了。今後はカンボジア全土に質の高い教育を広げるための拠点として、2025年の正式開校を目指し、工房は100%「学校」へと生まれ変わるそうです。

▼朝食(日本時間10:00)

SALA SUSU スタディーツアー

SALA SUSU (サラスースー) とは、カンボジア発のファッションブランドです。農村にある小さな工房で、近隣の女性たちによって丁寧に仕立てられています。“SALA”は「学校」、“SUSU”は「がんばって!」という意味であり、工房は明るい未来を信じてがんばることを学ぶ、学びの場となっていました。先月、日本での販売ならびに新商品の開発を終了。今後はカンボジア全土に質の高い教育を広げるための拠点として、2025年の正式開校を目指し、工房は100%「学校」へと生まれ変わるそうです。
生徒たちは2班に分かれ、農村訪問(家庭訪問)、工房見学を通して、途上国での主に女性の地位向上に向けた理解を深めました。

▼9:45~15:30

農家訪問

農村訪問では、実際にSALA SUSUで勤めている女性の方のお宅を訪問しました。農村の一角にある敷地に、お母さんの家の隣に家を建てて生活されています。再び内戦が起きた時のことを恐れて、カンボジアの方はあまり両親から離れた場所に住みたがらないそうです。敷地内には井戸があり、その水でトイレや洗濯、お風呂などを賄っています。住居は高床式で、1階が炊事場とリビング、2階は寝室になっています。また住居は基本的に近隣の人に手伝ってもらいながら、自分たちで建てるそうです。今回は特別に2階の寝室にも上がらせてい ただき、生徒たちは日本と全く違う暮らしの空間を前に珍しそうにしていました。

工房体験

お昼を挟んで午後はSALA SUSUの工房を見学しました。現在はかつてのような大規模な制作は行ってはいませんが、工房隣接のお土産ショップで売る製品などはまだ作っています。生徒たちはい草を染める場所や仕分けの場所、い草を織る人たちの様子を見学し、製品にするための裁断、縫製、そして最終検品の過程も一つずつ見ていきました。工房体験の最後には実際にい草を使ったチャームを作るワークショップを体験しました。生徒たちは日本語も英語も通じない作り手のみなさんと、ボディーランゲージやクメール語の簡単な挨拶などを駆使して意思疎通を図っていました。

ワークショップ後は、併設されているショップで作り手たちの制作した商品を購入できました。生徒たちは手の込んだ品々を楽しそうに眺め、お揃いで草履を購入したり、家族へのお土産を買ったりなどしていました。私はハンカチを購入しましたが、ハンカチの裏には裁断、縫製、検品をそれぞれ誰がしたのかを書いた紙が入っていました。そしてそのハンカチの制作に携わった作り手の方々が、たまたまその日全員工房にいらっしゃいました。このように、購入した製品の作り手が工房にいる場合は、一緒に写真を撮ることができました。作り手の顔がえる、というのは日常ではなかなかないことなので、生徒たちにとっても良い経験になると感じました。

ワークショップ

農村訪問と工房見学のあとは全体でワークショップを行いました。SALA SUSU代表の近藤さんとZOOMを繋ぎ、工房の作り手のみなさんと自分達との共通点をグループで話し合って見つけました。最初は、国籍も年齢も違う人たちとの共通点を探すことは、生徒たちにとって難しいことのように見えました。しかしグループで話し合ううちに、「何かに一生懸命に取り組んでいるところが同じ」「自分たちは精一杯生きて、暮らしている」など、良い意見が聞かれるようになりました。

地雷撤去博物館

次に、地雷撤去博物館を訪問しました。
カンボジアでは、1970年代から1990年代初頭にかけて、クメール・ルージュ政権と対立勢力が激しく戦った内戦があり、多大な犠牲者と深刻な社会的破壊をもたらしました。その内戦では特に地雷が深刻な人道的課題となり、多くの犠牲者を出しました。内戦終結後も、未だに国境付近では地雷の存在が問題となっています。

この博物館は改装中でしたが、途中まで見学することができました。不発弾や撤去した地雷など、内戦当時の様子を伝える展示があり、当時の残酷な内戦の様子が伺えます。地雷と一口に言っても様々な種類があり、ここには多様な地雷が展示されていました。また発掘、押収した武器で作った椅子やゾウなどのオブジェクトもありました。生徒たちは、博物館の方の案内をガイドさんが翻訳してくださるのを静かに聞いていました。内戦の様子を伝えるビデオを静かに観ている生徒もいました。地雷撤去活動中に殉職された方々のパネルをじっと見上げている生徒もいました。

SALA SUSU で学んだ、発展途上国で労働を生み出すということ。そして地雷撤去博物館で学んだカンボジアの内戦と地雷の問題。 実はこれらは、生徒たちがちょうど出発直前まで、英語コミュニケーションの授業で勉強していた内容でした。教科書の本文ではたった数文で終わっていた地雷の話を、こうして間近で見て説明を聞くことができてよかった、という声が生徒からも聞かれました。授業で学んだことを実際に目にする、感じることで、生徒たちにとって学びを深める良い機会になったのではないかと思います。

夕飯まで時間があったので、予定を変更してお土産屋さんと大きなスーパーに寄りました。お土産屋さんにはアンコールワットを模したクッキーや黒胡椒の商品など、お土産に最適なものが並んでいました。スーパーではカンボジアならではのお菓子や飲み物が安価に売られていました。生徒たちはお土産を買い込んだり、ジュースを探したりしていました。

夕食

夕食は「Amazon Angkor」というレストランでビュッフェとアプサラショーの鑑賞を楽しみました。
アプサラダンスとはカンボジアに古くから伝わる宮廷舞踊の一つです。「アプサラ」の語源は、「アプサラス」という古代インドの神話に登場する天女であり、アンコールワットの遺跡にも舞の様子が描かれている、歴史のある舞踊です。
生徒たちは、ビュッフェ形式の夕飯を食べながら、きらびやかな衣装に身を包んだ女性たちの踊りを鑑賞しました。また、外国人の利用客が多いレストランだったため、英語で話しかけられる経験をした生徒もいたようです。

今日はカンボジアという国についての理解を深めることの出来る一日でした。
明日は午前中はバイヨン中高にて現地生徒との交流、午後はアンコールクラウ村への訪問、およびオールドマーケット散策が予定されています。違う国に暮らす人々との交流が、生徒たちに新しい学びや刺激をもたらしてくれることを期待しています。

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