2024.08.05

中学 高校 クラブ

【園芸部】美味しいジャガイモ酢の科学的解明に向けて ~食酢醸造蔵と分析研究室の見学~

「市販の穀物酢や米酢よりも、はるかに美味しい!」
園芸部 部員達は、官能検査を通して、その食酢の味や香りに大きな自信を持ちました。
その食酢とは…、ジャガイモを原材料とした食酢です。

ジャガイモの栽培

ジャガイモの収穫

ジャガイモの選定

昨年度、園芸部では、ひろしま市民の里@安佐においてジャガイモの栽培に取り組みました。予定を大幅に超える収穫量が予想されたため、急きょ、部ではジャガイモ加工品の開発を検討することとなりました。ポテトチップス、おかき、ふりかけ等の様々な開発プランを検討したのですが、最少ロットや製造コスト等の問題から、何れも実施することができず、困り果てていました。思案の末、収穫間際の2023年11月にジャガイモを用いた食酢開発を実施することが決定しました。有限会社サガ・ビネガー様(佐賀県探佐賀市)にジャガイモ酢の製造をお願いしたところ、快くご協力していただけることとなりました。12月、収穫したジャガイモ100kgをサガ・ビネガー様に出荷しました。発酵90日間、熟成90日間の静置発酵を経て、2024年7月、ついに、ジャガイモ酢が完成し、納品されました。
「ジャガイモを原材料とした食酢は見たことがなく、珍しい」
との南九州大学食品開発科学科の矢野原先生のご意見を受けて、成分分析を実施することとなりました。成分分析は、分析項目や分析方法について数多くのアドバイスをくださったユーロフィンQKEN株式会社様(福岡県宗像市)にお願いすることとなりました。

8月2日(金)、5名の園芸部 部員がサガ・ビネガー様とユーロフィンQKEN様を訪問しました。

有限会社サガ・ビネガー 食酢醸造蔵の見学

▲食酢醸造蔵の見学

サガ・ビネガー様では食酢醸造蔵を見学させていただき、ジャガイモ酢製造時の様子等について教えていただきました。
「ジャガイモの酢は作ったことはなかったが、美味しさに驚いた」
「十分に商品として販売できる」
とのコメントを代表取締役社長の右近雅道様からいただくことができました。

ユーロフィンQKEN株式会社 分析研究室の見学

▲分析研究室の見学

ユーロフィンQKEN様では、研究室を見学させていただき、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)と味覚認識装置を用いたジャガイモ酢の成分分析方法について教えていただきました。
「ジャガイモで食酢を作るという発想が面白い」
「引き続きジャガイモ酢の美味しさの解明に協力したい」
とのコメントをコンサルティング部の肥田崇様からいただきました。

分析研究室の見学

講義

ご両社への訪問・見学は、部員達にとって貴重な体験となりました。園芸部では、今後も科学的考察に基づいたジャガイモ酢の研究を継続実施していきます。研究成果にご期待ください!
本研究活動は、第40回マツダ事業助成(主催:公益財団法人マツダ財団)の支援事業「ジャガイモ酢の成分分析および地元企業と連携したポン酢開発”」の一環として実施しております。
尚、ジャガイモ酢の販売日時・場所等については、改めてご報告いたします。