2026.03.12

高校

3月11日に繋ぐ「命のバトン」。骨髄バンク講演会を通して学ぶ、未来への社会参画

3月11日。多くの人が「命」について深く想いを馳せるこの日、本校では昨年に続き、高校2年生を対象とした「骨髄バンク講演会」を実施しました。

本校が掲げる教育目標「Glocal Innovation Leader」の育成において、社会の課題を「自分事」として捉え、他者と協力して解決を目指す「社会参画する力」は非常に重要な要素です。 現在、骨髄バンクのドナー登録者は40代・50代が中心であり、若年層の登録者減少が喫緊の課題となっています。未来のドナー候補世代である生徒たちが、この「地域の、そして世界の課題」にどう向き合うか。二人の講師の方から、心揺さぶられるお話を伺いました。

まず登壇されたのは、長年骨髄バンクの普及啓発活動を行っている広畑紀子様です。
広畑様のご次男は、かつてドナーとして骨髄を提供されました。その際、次男の方が口にされた「僕と同じHLA(白血球の型)だなんて、奇跡だね」という言葉。そして提供後、患者さんから届いた「生きる光をありがとう」という感謝の手紙。
「普通の人が、誰かの命を救える。これは究極のボランティアなんです」という言葉に、生徒たちは真剣な眼差しで聞き入っていました。
講演の最後に紹介されたのは、生きたくても生きられなかった方が遺した、感謝に満ちた手紙の一節でした。
「生きるということは、夢の続きが見れるということ。生きるということは、明日があるということ。生きるということは、喜びと悲しみが知れるということ。生きるということは、変われるということ。」
当たり前だと思っていた「明日」が、誰かにとっては切望してやまない未来であること。その重みが、会場を静かな感動で包み込みました。

続いて、骨髄バンクユースアンバサダーの三木まりあ様がお話しくださいました。
プロのバレリーナを目指し、夢に向かって邁進していた矢先の白血病宣告。絶望しそうな過酷な闘病生活の中で、ご両親がかけてくれた「神様があなたの中に入って、あなたのことをいつも守ってくれるよ」という言葉が、支えになったそうです。
その後、病を乗り越え、自分を支えてくれた看護師さんに憧れてその道へ進まれました。現在は看護師として、そしてドナー登録の普及活動を精力的に行うアンバサダーとして活躍されています。
「ドナーの方の決断一つが、命を救う。あなたの勇気ある行動で救える命がある」と、生徒たちに自ら進んで行動することの大切さを、力強く語りかけてくださいました。「当たり前ではない奇跡を、大切に生きよう」というメッセージは、生徒たちの心に鮮烈に刻まれました。 

 最後に、生徒自治会長の鈴木くんが、全校生徒を代表して感謝の言葉を述べました。
「ドナー登録の必要性を学び、これまでどこか遠いことのように感じていた問題を、自分事として捉えなければならないと強く感じました。互いに助け合える社会を、自分たちの世代から築いていきたいです」
今回の講演会を通じて、生徒たちは「命」の尊さを再確認するとともに、社会をより良くするために自らが主体となって動く「自己実現する力」の種を受け取りました。
 
3月11日に考えたこの「命のバトン」。それが、いつか誰かの「夢の続き」を支える大きな力に変わることを信じています。