2025.07.16

中学 高校

芸術鑑賞会:「本物」にふれる時間~広島交響楽団による音楽鑑賞会~

7月15日(火)、芸術鑑賞会として広島交響楽団の皆さんによる音楽鑑賞会を実施しました。クラシック音楽を通じて感受性を育み、鑑賞マナーを学びながら、生の演奏の魅力を体感する貴重な機会となりました。 

放送部による司会

白岩校長

放送部の司会で会がスタートし、冒頭、白岩校長からは、 「今日は ”本物” に出合う日です。」 という言葉とともに、生演奏にふれる意義やクラシック音楽の魅力に耳を傾けることの大切さについて話がありました。演奏中のマナーについても説明があり、会場全体が一体感をもって演奏を迎える雰囲気が整いました。
♪ プログラム紹介 ♪
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第1番
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」より 第1楽章
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲より イタリアーナ
エロール:オペラ「ザンパ」序曲
バルトーク:ルーマニア民族舞曲(全6曲)
アンダーソン:サンドペーパーバレエ
アンダーソン:プリンク・プランク・プルンク
ビゼー:組曲「アルルの女」より ファランドール

音楽の授業で耳にしたことのある曲も多く、生徒たちは作曲家の思いや曲の背景を思い出しながら、真剣に鑑賞していました。自然とリズムに体を揺らしたり、目を閉じて音に集中したりと、一人ひとりがそれぞれの方法で音楽と向き合っている様子が印象的でした。

何よりも、生演奏ならではの迫力に圧倒されたようで、CDや映像では味わえない音の響きが体全体に伝わり、心を大きく揺さぶられる体験となったようです。演奏中の楽器の動きや指揮者の表情を目で追いながら、その瞬間にしか生まれない「ライブ」の感動を、全身で受け止めている姿が見られました。

鑑賞後の生徒の感想(一部抜粋)

  • 特に印象に残ったのはルロイ・アンダーソンが作曲したサンドペーパーバレエです。この曲では紙やすりが楽器として登場していて、擦って音を出したとき小太鼓が柔らかく、優しくなったような音色だなと思いました。普段は日用品としてしか見ていなかった紙やすりが、こんなにも繊細で魅力的できれいな音を生み出す楽器になるなんて、本当に驚きました。この体験を通して、音楽の力や、生で演奏を聴くことの素晴らしさをあらためて感じました。
  • 交響楽団の方々の演奏を間近で見たのは今日が初めてだったので、とても新鮮で楽しかったです。私が印象に残っている曲は「Plink,Plank,Plunk」です。ヴァイオリンやチェロ、コントラバスなどの弦楽器を弓を擦らずに、弦をはじくように弾いて演奏しているのは初めて見たので驚きました。演奏の時にコントラバスを回していたのは驚きました。曲想は、音は控えめですが、弦をはじいていたので、跳ねるような音で、楽しく、踊りたくなるようなテンポで可愛らしい曲で私は好きだなと思いました。

曲間には楽器紹介もあり、各楽器の特徴や音色、オーケストラの中での役割について楽しく学ぶことができました。

プログラムの中盤では、吹奏楽部の生徒2名が、プロのオーケストラを相手に指揮者体験に挑戦しました。 壇上に上がる前にこっそり練習していた2人。当初は緊張の面持ちでしたが、「オッフェンバック:カンカン」の軽快なリズムに引き込まれ、次第に笑顔があふれていきました。 2人の楽しむ気持ちが演奏にも乗り移り、オーケストラの音にいきいきとした躍動感が加わっていくのが伝わってきました。会場からは自然と温かい拍手が送られ、和やかで心弾むひとときとなりました。

指揮を終えた後、指揮者の直井大輔さんからは、
「演奏に推進力が出て、オーケストラも楽しそうに演奏していましたよ。」
と励ましの言葉をいただきました。プロの世界に触れるまたとない機会に、生徒たちは大きな学びと自信を得たようです。

演奏会のラストには、アンコールとして「それ行けカープ」が披露されました。球場で聞くのとはまた一味違い、オーケストラの重厚な音色によって新たな魅力が引き出され、クラシックの中に溶け込んだ「カープ」に生徒たちも驚きと喜びの表情を見せていました。会場全体で手拍子が自然と巻き起こり、笑顔と一体感に包まれながら、心に残るフィナーレとなりました。

今回の芸術鑑賞会は、音楽を“聴く”という枠を超えて、「感じる」「考える」「伝わる」豊かな体験となりました。 生徒たちは、音楽が持つ力とその深さを、目と耳と心で受け取ったに違いありません。
広島交響楽団の皆さま、そして素晴らしい時間を共有してくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。 ありがとうございました!