2025.07.10
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2025年度 教職員研修会「データから見える授業改善の方向性」を開催しました
2024年7月9日(水)、本校では教職員を対象に、「データから見える授業改善の方向性」をテーマとした研修を実施しました。 この研修は、生徒一人ひとりが「より自律的に学習に取り組めるようになる」ことを目指し、そのための具体的な方策について教職員間で共通理解を深めることを目的としています。
生徒アンケート分析に基づく課題の共有
研修では、2024年度に実施した生徒アンケートの分析結果をもとに、「動機づけタイプ分析」に注目しました。この分析により、学習意欲が低いとされる「あきらめタイプ」の生徒も、適切な指導や学習環境によって、「しっかりタイプ」(自律的に学ぶ生徒)へと変容できる可能性が示されました。
そのためには、学習方略やメタ認知といったスキルの習得に加え、日々の授業そのものの改善が鍵を握ることが改めて確認されました。
そのためには、学習方略やメタ認知といったスキルの習得に加え、日々の授業そのものの改善が鍵を握ることが改めて確認されました。
2025年度 授業改善の方向性:「考えさせる」「教え合う」
本校では、2025年度の授業改善の柱として、以下の2つの視点を重視して取り組んでまいります。
▼「考えさせる」授業の効果
- 深い処理を伴う学習活動が促され、記憶の定着や深い理解に繋がる
- 主体的な学習への転換により、より自律的な動機づけが育まれる
▼「教え合う」授業の効果
- 友人の学習方法や理解に触れることにより、学習のロールモデルが得られる
- 友人やグループへの貢献を通じて、自らの価値や成長を実感できる
これらの取り組みは、「自分で選びたい(自律性)」「できるようになりたい(有能性)」「人とつながりたい(関係性)」という3つの心理的欲求(自己決定理論)を満たし、学びへの意欲を良質なものへと導くことを目指しています。
明らかになった課題と今後の対応
研修では、以下のような課題が共有されました。
- 考えるコツがつかみにくい生徒や、他者の考えを知る機会が少ない生徒がいる
- 振り返りが苦手な生徒や、自分の成長に気づきにくい生徒がいる
授業改善に向けた6つの重点ポイント(2025年度)
- 「何ができるようになるか」という目標を設定する
- 目標に到達するために、自ら学習活動を選択する機会を設ける
- 「考える」ためのコツやポイントを示し、生徒が自分で選択できるように足場をかける
- ふり返りの機会を設け、学習活動において成長を実感させる
- 家庭学習において「考える」要素を入れ、授業とのつながりを作る
- 周囲の生徒の考えや考え方に触れられる工夫を作り、生徒同士の支え合いを生み出す
本校では、生徒一人ひとりが自律的な学習者として成長を実感できる授業の実現を目指してまいります。
コアネット教育総合研究所 福本雅俊 氏