2023.09.06

高校

高1平和集会~沖縄平和学習・被爆ピアノ講演会~を行いました

9月2日(土)、沖縄平和学習・被爆ピアノ講演会を開催しました。被爆ピアノを迎えての平和集会は鈴峯女子中学校・高等学校の時代から長く取り組まれていましたが、被爆ピアノに加えて沖縄からのゲストをお招きして行われる平和集会は、今年で4年目になります。

今年度の高校1年生は、「軍都としての廣島」をテーマに、7月にフィールドワークを行い、調べたことや考えたことをスライドにまとめグループ単位でクラス発表を行います。その内容をブラッシュアップし、2月には英語でスピーチコンテストを実施します。

画面左:金城礼子氏(FMよみたん パーソナリティー)

沖縄県読谷村村長 石嶺傳實氏からのビデオメッセージ

そして今回、広島に加えて沖縄の視点も加えた、「沖縄平和学習・被爆ピアノ講演会」が開催されました。
全体を通して、FMよみたんでパーソナリティーを務めておられる金城礼子様に司会進行をしていただきました。
まず沖縄県読谷村村長の石嶺傳實様からのビデオメッセージを拝見しました。沖縄戦の悲惨さを伝えるとともに、現在のアメリカ軍基地の問題を挙げ、沖縄の戦争はまだ終わっていないということ、そして平和を訴え続けることの尊さや意義について生徒たちに語られました。

▲画面右:矢川ピアノ工房 矢川光則 氏

続いて、調律師であり、被爆ピアノの管理者でもある矢川光則様から、被爆ピアノを託した方の思いやピアノの演奏を通して平和について馳せる思いについてお話を伺いました。今回演奏されたのは、爆心地から2kmあたりで被爆し、持ち主の女性とともに戦後を生き抜き、2007年に矢川さんに託されたピアノでした。
また講演のなかで、高校1年生を代表して5名の生徒が、被爆ピアノの演奏を行いました。

福岡くん WhiteFlame『千本桜』

河本さん 久石譲『いのちの名前』

朝山さん 竹内まりや『いのちの歌』

山本さん 坂本龍一『戦場のメリークリスマス』

常田さん スクリャービン『悲愴』(エチュードOP8-12)

演奏した生徒たちからは、優しい音がする / 高音がきれい / 鍵盤が軽くて、色んな人たちが引いてきたのだと思う / 鍵盤が色あせていて、ピアノが過ごしてきた時間の長さを感じる、などの感想が出てきました。傷つきながらも美しい音色を奏でる被爆ピアノだからこそ、伝わることがあるのかもしれません。

次に、Kiroroの金城綾乃さん(ピアノ)の師匠としても知られる、ピアノ演奏家のベニー津波様から、読谷村が第二次世界大戦で受けた悲劇について、ピアノ演奏を交えながらお話を伺いました。ベニーさんは戦争の話をする前提として、「想像する」ことを意識するよう、生徒に促しておられました。読谷村の海岸が米軍の上陸地点であったこと、ガマ(沖縄各地にある洞窟)において、捕虜になることを恐れた人々によって凄惨な集団自決が行われたこと、そして人間がいる限り戦争はなくならない、だからこそ平和を訴え続ける必要があることをお話ししてくださいました。

最後に、生徒を代表して1年7組の泉くんが、矢川さんの「平和はつくりだしていくもの」という言葉を引用しつつ、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継いでいくことの意義、さらには自分たち若い世代がそのことを引き継いでいくことの重要性を述べ、そして平和集会を開催してくださったゲストの皆様に感謝の意を伝え、閉会となりました。

来年の研修旅行には、沖縄を訪れるコースがあります。
今回の公演を聴いたことで、現地で沖縄戦の悲劇を想像することができ、平和への思いを深くするのではないでしょうか。生徒たちにとって、平和について多角的な視点から考えることができた、実りある行事となりました。