2022.12.20

中学 高校

2022年度 第7回教職員研修会を行いました

本校の教育目標であるグローカル・イノベーション・リーダーの育成に向けた「探究型学力」「協創する力」「社会参画する力」「自己実現する力」という4つの力を育てるためには、質の高い学校教育を実現することが求められます。この実現に向けて、教員一人ひとりの能力と意欲の向上を図り学校の教育力を高める人材を育成するための取り組みの一つとして、定期的に教員研修を実施しています。

学力テストで測れない非認知能力を学校で伸ばすために

今回は、中山芳一先生(岡山大学教育推進機構)を講師として「学力テストで測れない非認知能力を学校で伸ばすために」をテーマに、非認知能力の説明とともに非認知能力を意識したわが国の教育について学び、そして非認知能力を伸ばすための考え方、さらには教育現場でできることとして5つの教育実践ステップについて説明していただきました。

今回の研修では、客観的な点数にできる認知能力に対して客観的な点数にできない「非認知能力」をテーマとしました。この非認知能力を教育現場で活用していくうえで、3つの力(自分を高める力・自分と向き合う力・他者とつながる力)に分けて説明がありました。新しい学指導要領において育成すべき資質・能力とされる「学びに向かう力・人間性等」「思考力・判断力・表現力等」にはこの非認知能力が大きく関わっています。また、大学入試でも総合型選抜を含めた入試形態においてこの非認知能力が求められています。この非認知能力を育むために働きかけていきたいのが、「価値観」「自己認識」「行動特性」です。これらは性格と違って変容できるとともに表面的な行動と違ってあらゆる場面や状況に対応する汎用性が高いとされています。生徒それぞれが大切にしたいことを明確化し、それぞれにとって必要なことを意識化し、意識された行動を習慣化していきます。そのために、教員は生徒それぞれが目標に向かっていくプロセスに寄り添い、ほめてのばしたり注意してなおしたり等の意識づけ(見取りとフィードバック)を行います。さらに、学校単位として組織的かつ具体的にできることとして「教育実践ステップ5.0」が提案されました。本校の教育目標を絵に描いた餅にすることなく、チームとして共有して目の前の生徒たちをチームで育てていくためのステップです。また、生徒それぞれから様々な姿を引き出すための仕掛けとして非認知能力を意識した感情の動きも含み込んだ心揺さぶる仕掛けのことを「ギミック」と呼び、それを明確にしていくためのギミックブラッシュアップシートの実践例が紹介されたいへん参考になりました。非認知能力の向上には私たち教員の関わり方がたいへん重要となります。生徒に寄り添い、生徒が成長できる環境作りを大切にしていきたいです。

今後もこのような研修を通して、修大協創の教員は学び進化し続けていきます。そして、学校教育がより活性化していくことを目指します!