2022.11.09

高校

高1平和集会~被ばくピアノを迎えて~を行いました

11月7日(月)6・7限目に沖縄・広島の戦争の記憶を振り返り平和について考える、平和集会~被ばくピアノを迎えて~が開催されました。被ばくピアノを迎えての平和集会は鈴峯女子中・高等学校の時代から長く取り組まれていましたが、被ばくピアノに加えて沖縄からのゲストをお招きして行われる平和集会は、今年で3年目になります。

5月
日本赤十字社広島県支部 主催 百万羽おりづるプロジェクトに参加

8月~10月
「広島と戦争」のフィールドワークと発表会

11月
平和集会~被ばくピアノを迎えて~ 沖縄戦について

今年度の高校1年生は、4月に日本赤十字社広島県支部 主催の百万羽おりづるプロジェクトに参加したことに始まり、広島から世界の平和について考える取り組みを行っています。夏休みには各クラスグループに分かれて「広島と戦争」をテーマにフィールドワークを行い、調べたこと考えたことをスライドにまとめ、10月に各クラスで発表会を実施いたしました。生徒の投票により各クラスの大賞が選ばれています。どのグループも戦時中の人々の生活、兵器等の技術開発など様々な視点から広島と戦争について考えました。

広島被爆ピアノの会 沖縄事務局 松田忠 氏

沖縄県読谷村村長 石嶺傳實 氏

そしてこの度行われたのが、新たに「沖縄の戦争」という視点を加えて平和について考える集会~被ばくピアノを迎えて~です。
開会の挨拶として広島被爆ピアノの会沖縄事務局松田忠様から、先日行われた研修旅行で読谷村を訪れた本校高校2年生の話をふまえ、原爆で被害を受けながら復興した広島を学んだ視点から、沖縄の戦争について学び祈りをささげる意義についてお話をされました。

続いて、沖縄県読谷村村長の石嶺傳實様より、今回の平和集会に向けて頂いたビデオメッセージを拝見しました。昨今のウクライナ情勢、北朝鮮による度重なるミサイルの発射等の平和に反する不穏な現在の国際関係について懸念を示されると同時に、平和を訴え続けることの尊さや意義について生徒たちに語られました。

沖縄読谷村村役場 山内哲也 氏

矢川ピアノ工房 矢川光則 氏

沖縄読谷村村役場の山内哲也様は、現在、美しい海岸や世界遺産を有する観光地として発展する読谷村が、過去の戦争で受けた悲劇についてピアノ演奏を交えながらお話をしてくださいました。読谷村の海岸が沖縄地上戦時の米軍上陸地点であったこと、ガマ(沖縄各地にある洞窟)において、捕虜になることを恐れた人々によって凄惨な集団自決が行われたこと、そして、人々が平和に暮らすためには違う性別・民族・人種間において相互理解が非常に重要になることをお話ししてくださいました。

被爆ピアノの修理・調律をされるとともに、全国にその音色を届ける活動に取り組まれている矢川ピアノ工房の調律師、矢川光則様より、被ばくピアノを託した方の思いやピアノの演奏を通して平和について馳せる思いについてお話しを伺いました。今回演奏された被ばくピアノは爆心地から2・5kmあたりで被爆し、その後も持ち主の女性に大切に保存されていたものです。2014年ごろ矢川様に持ち主よりピアノが託され、作られてから95年経った現在もその美しい音色を響かせています。被ばくピアノの多くは修理不可能なまでに壊れ、資料館に保管されているものもありますが、世界が平和であり続ける限り、今日演奏されたピアノは素晴らしい音楽を奏でることができるのでしょう。

永楽さん

宮武さん

糸原さん

田丸さん

南見さん

生徒自治会副会長 珍部くん

講演の後、高校1年生を代表して5名の生徒が、被ばくピアノの演奏を行いました。
永楽さん ベートーヴェン『悲愴』
宮武さん ドビュッシー『月の光』
糸原さん バッハ『平均律第1番プレリュード』
田丸さん ベートーヴェン『テンペスト』
南見さん ショパン『即興曲第2番』

いずれも大変すばらしい演奏で、協創ホールが拍手に包まれました。

最後に生徒自治会副会長の珍部くんが、今回の平和集会を通して「さまざまな人々の違いを乗り越えて、平和を構築していきたい」という思いと平和集会を開催してくださったゲストの皆様に感謝の意を伝え、閉会となりました。

高校1年生も来年の研修旅行では沖縄を訪れるコースがあります。
現地でまた、平和への思いを深くするのではないでしょうか。平和について様々に考えることのできた実りある行事となりました。

被爆ピアノ演奏