修大生の声在校生の声

健康科学部 心理学科 3年

興味から経験、そして学びになった災害復興支援ボランティア

山口県立華陵高校出身

大久保 由紀さん(おおくぼ ゆき)さん

興味から経験、そして学びになった災害復興支援ボランティア

ピア・カウンターを活用してボランティアに参加

 私は1年生のときに、台風19号(2019年)の洪水被害にあった、長野県と宮城県の災害ボランティアに参加しました。元々、ボランティアに興味があったため、「ピア・カウンター(※1)」に行って、ボランティアの情報がメールで受け取れるピアカードに登録していました。他大学に進学した友人が災害ボランティアに参加したと知って私も参加したいと思っていたところ、届いたメールから募集があることを知り、参加を決意しました。
 
※1 ピア・カウンター:修大の地域連携を担うひろしま未来協創センターにある。学生の地域活動を支援するとともに、ボランティア情報の発信も行っている。

初めて参加した長野県での災害復旧支援ボランティア

長野県でのボランティア活動では、普段からボランティアを行っている方々にアドバイスを受けながら行いました。特に、適宜休憩を取ること、そして様々な人の思いを聞くことが大切であると教えていただきました。
3日間活動をしましたが、主に家の泥のかき出しや、消毒を行いました。家には土砂災害で流れてきた泥の高さまで跡が残っており、災害の怖さを物語っていました。住居を優先してきれいにしていきましたが、家の隣にある立派なりんごの木が泥によって枯れていくのがとても気になってしまいました。そのとき、住居への対応が早く終わったらりんごの木も助けてあげたいと思いつつも、3日間という限られた時間の中で、りんごの木のことまで対応できずに悔しいと思ったことを覚えています。

経験を生かした宮城県での災害復興支援ボランティア

長野県での活動の後、宮城県でのボランティア活動にも参加しました。今回の参加は大学生のみでしたが、私は前回のボランティア(長野県)で学んだ知識を生かして取り組めたと思います。
主な活動としては、地元の神社の清掃や土嚢袋(どのうぶくろ)での庭づくりをしました。庭づくりとは、土嚢袋を庭に並べて、歩くエリアと畑のエリアを分けるなどして、庭の形を整える作業でした。しっかり固まるよう、並べた土嚢を全員で踏んで固めました。
また、家の泥を落とす作業もしましたが、天井など暗いところもあり、綺麗に落としても別の角度から見ると、まだ落ちきっていないことが分かることもありました。さまざまな角度から確認をして、できる限り完璧に落とすよう心がけました。泥を落とすときは、周りに人がいないことを確認するために、声を掛け合って行いました。
活動中の3日間はとても寒く、特に3日目は雪が降る中での作業となりました。保温性のある肌着にタートルネックとジャージ、防寒着を重ねて着用したほか、手袋と軍手を重ねて身につけ、足先には専用のカイロを貼るなど、寒さ対策にも気をつけました。
ボランティアの活動期間中に民泊をした際には、そこで支援活動をされている方のお話も伺うことができたので、勉強になりました。

災害復旧・復興支援ボランティアから学んだこと

まずは、自分自身が災害ボランティアで知った災害の怖さを忘れてはならないと感じました。これからも活動を続けていきたいですが、今はコロナ禍ということもあり、災害復旧・復興支援ボランティアにはなかなか参加することができていません。そこで私は、「日本財団学生ボランティアセンターGakuvo(ガクボ)」の学生委員になり、全国の大学生と、自分たちの経験を話し、意見交換を行うなど情報共有をする活動に参加することで、学びを深めています。同じ経験をしても、一人ひとり感じ方は異なります。別の方の意見や経験を聞いて自分の考えを深めるためにも、Gakuvoでの活動を続けていきたいと考えています。そして、災害復旧・復興支援ボランティアに参加する際は、現地でしか学ぶことのできない経験を積み、これからも災害で苦しんでいる方々の力になれたらと思っています。