修大生に聞く 学生生活実態調査報告書2022
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 本調査は、本学学生の生活状況および学習環境を把握するために実施するものであり、本学における学生生活の質的向上を目指す基礎資料とするために実施しているものです。報告書には、集計結果とそれに対する分析も記載されています。本調査の結果と分析を生かしつつ学生がより充実した大学生活を送れるよう、学生センターとして取り組んでまいりたいと考えています。 第1回調査は1995年に遡ります。それ以降隔年で実施しており、今回が14回目になります。経年変化を考察できるように、時代の変化にそぐわない項目等を除き、1回目の調査からほぼ質問項目は変えずに調査を行ってきました。そのため過去の報告書を見れば、その年の調査内容と2年前の調査内容を比較検討した分析結果が記載されていますが、今回においてはそれでは本質はつかめないと思い、過去2回分の結果を踏まえて分析しています。その理由は、皆様もすぐに理解されることでしょうが、「新型コロナウイルス」の影響です。前々回の2018年は新型コロナウイルスの影響を受けていない調査、前回の2020年度は新型コロナウイルスの影響を大いに受け、前期は学生の大学への入構不可および全面非対面型授業が実施されました。そして今回の2022年度は、新型コロナウイルスの影響が残りつつも、2018年度とほぼ同様の授業や大学生活が戻った1年でした。これらのことを踏まえ、コロナ禍前-コロナ禍-コロナ禍後、の変化の分析を試みています。 上述のように、この調査によって本学学生の全体像を把握し、生活実態の経年変化を理解する一助になれば、と思っているのですが、回答してくれた学生数から考えるとなかなかに厳しいのかなと感じる次第です。以前は、学部・学科の学生比率を考慮したうえで、授業担当者の協力を仰ぎ、授業時間を使わせていただいてアンケート用紙への記入により、全学生の約20%から回答を得ていました。しかし、「大事な授業時間を10分程度とはいえ学習内容とは関係ないことに使うのは如何なものか」という意見もあり、また教学センターのポータルシステムが整備されたことも考慮して、2018年度の調査から教学システムを使ってWeb上での調査を呼びかける方法に変更しました。すると、2018年度は479件、2020年度は915件、2022年度は591件の回答となりました。2020年度は、新型コロナウイルスの影響を受け大学からの案内がほぼすべて教学システムから来ることが影響しているのか、2016年度までと同等の回答件数を得ていますが、そうではない2回の調査は全学生数の10%にも満たない件数になっています。特に今回の調査は、11月末を回答期限に協力を仰いだ結果270件程度しか集まらず、急遽、1月末から2月上旬に再度、回答の協力を呼びかけて591件の回答となりました。 この文章を書いている前日に、私の後期の授業アンケート結果が届きましたが、この件数も履修生の10%に満たない学生しか回答していません。DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務の効率化などが叫ばれている現在ですが、「アナログによる確かさ」も捨てたものではないな、と噛みしめている今日この頃です。「利便性」と「確実性」、このバランスを取れるようなアンケート実施方法を考えないといけないと感じています。                          2023年3月                          広島修道大学 学生センター長森 河   亮報告書刊行によせて

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