と考えられた。共起ネットワーク分析の条件は自由に変えることができ,特にサブグラフを形成する語の数は調整できる。今回調整は行わなかったが,今後語数調整した内容を検討することは,より詳細かつ明確にサブグラフの意味を解釈でき,児童理解,授業評価に活用できるものと思われた。■■■■■■■ままととめめ■■■今回分析した内容を考えると,ワークシートに書かれた内容は,児童の授業への参加の状況を反映するものでもあり,実習学生が研究授業を実践する際に用いた指導案の内容評価にも繋がり,実際に授業で展開した内容について児童への浸透,学習目標(めあて)への到達評価にも繋がるものと考えられた。加えて児童が記述した内容については,通常行う確認作業でも概ねその記述内容の概要は掴めるが,今回のような分析を行うことで,日頃の学修からは掴みにくい児童の食事の仕方の一面や捉え方,児童の食行動,考え方などの情報を客観的に捉え,整理することができ,児童の把握をするための一助になるものと思われた。■■対象となる児童のライフステージは,実習学生にとって過去の自分達の姿でもあるが,時の流れによって変化する部分もあり,物事によっては■■■年も経つと学生各自の細かい記憶は薄れ,また実習時には逆の立場でその場に立つことから,児童のことを想像,想定することは難しいことかもしれない。この度のように児童が記述した実習関連資料としてのワークシートの内容に実習事後に検討を加えることは,その後においても接する機会の少ない児童の状況把握に大いに役立つものと思われる。それらの児童把握についての貴重な内容は,一方で私たち指導する側にとっても事前・事後の指導の児童把握の近々の事例として活用することができ,学生に具体的に現代の児童の状況について伝えることができる。■また教育実習以降に引き続き教員を目指す学生にとっては,児童観を整理し形成,思考するために必要な具体的・抽象的発想の支援になると思われる。通常は,研究授業で活用したワークシートについては,実習現場でその記述内容を閲覧確認し,児童が見返すようにコメントやスタンプを押印し返却して終わることが多いと思われるが,今回のようにテキストマイニングの手法を利用した分析プログラムを用いて,児童の記述内容を再検討することは,福岡ら■)が述べる,児童の目標達成を確認するのに質的評価を行う必要性という学校における食育の評価の一つに繋がるものであると考えられ,今回の私たちの分析は初歩的なものではあるが,その活用の可能性を示している― 42 ―
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