■■■■■■■■■■■■広島市立宇品小学校■教諭■三原■潤也 ■■■■■■■■■■■(人文学部人間関係学科教育学専攻2017卒) いきなりですが,皆さんに質問です。皆さんが担任をしている学級の児童が,ペットボトルに入った水を教室に撒いたとします。皆さんなら,どんな対応をしますか。教員生活1年目の私であれば,「何をしているんだ!みんなの迷惑になるだろ!」そんな言葉を掛けていたと思います。では,今の私はどうするかというと,とにかく待ちます。とことん待ちます。時と場合にもよりますが,基本的にはできる限り声も掛けず,その子の様子を見守ります。その間,子どもの様子をじっと見ていると気持ちの葛藤が見て取れます。そして,どこかのタイミングで気持ちが切り替わる瞬間があります。その瞬間を見逃さずに「何かあったんだね。」「水を撒くのをやめてくれてありがとう。」など,その子の行為を否定する言葉ではなく,その子を受け止めたり,肯定したりできる言葉を掛けたりすることを意識しています。もちろん,教室に水を撒くという行為自体は決して褒められるものではありません。しかし,頭ごなしに注意をしても,子どもの心には響きません。水を教室に撒いてはいけないということは子どもも分かっているはずだからです。子どもの行動には,必ず訴えたいメッセージがあります。私たち教員は,そのメッセージに気付いてあげることが大切です。そして,その子の気持ちに寄り添いながら,次のステップに向かう方法を一緒に考えていかなければなりません。そのことに,私は特別支援学級の担任になって初めて気付くことができました。正直,上記の事例のような対応は,通常学級では難しい場合もたくさんあると思います。ただ,子どもの行動の裏側にある気持ちに寄り添うということは,どの教育現場でも大切なことではないでしょうか。 ■私は,特別支援学級の担任になって4年目です。学級には,様々な課題を抱えた子どもたちがいます。その中で,私はその課題にばかり目を向けるのではなく,一人一人が持っている「輝き」を見つけることを意識しています。どんな子どもにも必ず「輝く」瞬間があります。それを見つけた時が,私にとって最高に幸せの瞬間です。私にとって幸せということは,子どもたちにとってはもっと幸せな瞬間のはずです。できないことばかりを指摘するのではなく,できたことを一緒に喜び共有することで,子どもたちの― 45 ―子子どどもものの気気持持ちちにに寄寄りり添添うう力力~~特特別別支支援援学学級級のの経経験験をを通通ししてて~~
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