広島修道大学 教職課程年報第15号
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だという事なので、私はパソコン用の動画編集ソフトを自分で選定し、個人研究室のパソコンを使って編集の作業を行う事にした。 (4)編集ソフトについての情報の錯綜 ■当時、すなわち2020年4月の時点においては、代表的なパソコン用の動画編集ソフトは何なのか、インターネット検索すると、「ムービーメーカー」と「パワーディレクター」とが上位に出て来る、という状況があった。 調べてみると、「ムービーメーカー」は、マイクロソフトの公式サイトからダウンロードして使う動画編集ソフトであり、長期にわたり国内シェア1位の位置にあったが、2017年1月10日サポートが終了したという理由で、それ以降は公式サイトからダウンロード出来なくなっている。つまり、2020年4月の時点では、新規にダウンロードして使う事は出来ない筈であった。 それにも関わらず、2020年4月の時点で、「ムービーメーカー」を今すぐダウンロード出来ると謳っているサイトが幾つも存在しており、マイクロソフトの公式サイトではない何らかの場所へのリンクが貼られていた。当然の事ながら、「ムービーメーカー」に限らず、何のソフトであれ、正規ではないダウンロードへの誘導には乗ってはいけない。 一方、「パワーディレクター」は、約20年前から進化を繰り返しつつ販売されてきた動画編集ソフトであり、2017年に「ムービーメーカー」が終了した後、代わって国内シェア1位という位置についていた。 しかし、2020年4月の時点で、「ムービーメーカー」を最も定番的な動画編集ソフトとして推奨するレビュー記事がインターネット上に散在していた。それらのレビュー記事には、書かれた年月日が具体的に示されていない事もあって、実際どのような背景があったのか、詳細は分からない。 もしかしたら、それらのレビュー記事は、「ムービーメーカー」の正規ダウンロード終了前に書かれた、古い記事なのかもしれない。古い記事がそのまま2020年4月まで存在し続けていたのかもしれない。 或いは、そうした無作為的記事の間に、「ムービーメーカー」の正規ダウンロード終了後にわざわざ書かれた、敢えてなおも「ムービーメーカー」の使用を勧めようとす― 33 ―

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