広島修道大学 教職課程年報第15号
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オンデマンド型授業に用いられるなどという事を想定せずに開発された既存のソフトや機材を、急遽オンデマンド型授業に流用するという事態となっていたのである。 (2)2020年度4月における講義録画の撮影の試み ■前稿で述べたように、私は最初、講義室後方からの定点撮影の形で、ホワイトボードやOHC(書画カメラ)やスクリーン等を使って自分が講義を行う様子を、1コマ90分ずつ1本撮り(所謂「ベタ撮り」)して、それをそのまま「ユーチューブ」に上げようと考えていた。 私はまず試験的に、デジタルカメラの動画撮影機能を用いて講義録画を撮影しようとしたが、電源不足等、ごく基本的な部分で不都合な点が非常に多い事が判明した。そのため、デジタルカメラを使う事を断念し、ハイビジョンのデジタルビデオカメラを購入して、有線で電源を供給しながら撮影するという形に切り替えた。 これにより、漸く90分間の連続撮影が可能となったが、せっかく1本撮りをしても、その撮影データがデジタルビデオカメラ本体内に保存される際に、自動的に20分ごとに区切られて、別々のファイルに保存されてしまうという、新たな問題に悩まされる事になった。 また、撮影時間が20分を超えていなくても、途中で一時停止ボタンを押して撮影を中断した場合は、その中断前のデータと撮影再開後のデータが、自動的に別々のファイルに保存されてしまうという事も分かった。 複数のファイルに分かれた状態の撮影データをつなぐには、「編集」をしなくてはならない。今まで経験の無い、「編集」という作業をしなくてはならないという事態に陥った事は、私にとって全くの想定外であった。 尚、デジタルビデオカメラ本体には「編集」と称するスイッチがあるので、デジタルビデオカメラ本体を使って複数のファイルをつなぐ事が出来るのではないかと期待してしまったが、出来なかった。 デジタルビデオカメラ本体に「編集」機能が付いているといっても、多種多様な「編集」機能が総合的に備わっているわけではなかった。私が必要とする、複数のファイルをつなぐという機能は、デジタルビデオカメラ本体の「編集」機能の中には、含まれていなかったのである。 ― 31 ―

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