広島修道大学 教職課程年報第15号
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広島修道大学■人文学部■腮尾尚子 (1)はじめに ■私は、2020年度前期から2021年度後期までの4期にわたり、新型コロナ対策として、自分の担当する全科目において、講義録画を用いた、オンデマンド型の非対面型授業を行った。 状況によっては、再度オンデマンド型授業に切り替えるという可能性が無いわけではない。 つまり、コロナ禍が現に一過性のものとはいえなくなっている以上、コロナ対策としてのオンデマンド型授業もまた、一過性のものとして単純に片づけられなくなっている。私は本学の方針に従い、自分のオンデマンド型授業をひとまず2年で締め括ったが、オンデマンド型授業というものを完全に終結したものとして捉えているわけではない。 今ここで、私が過去2年間に行ったオンデマンド型授業を振り返り、その問題点を洗い出しておく事は、将来に向けて決して小さくない意義を持つであろうと思われる。 前稿「オンデマンド型授業に用いる講義録画の作り方について」(『修大教職フォーラム』第14号所載、2022年3月発行)においては、主として講義録画の「撮影」について述べた。本稿では、「撮影」上の問題点を補足的に述べた後、主として「編集」について述べたい。 尚、本稿では、2020年度当初の時点で市販されていたパソコンソフトや機材が、オンデマンド型授業にとって必ずしも好適な作りになっていなかった、という点にも言及するが、私はソフトや機材を開発する業界を批判しようとする意図を持っていないので、その事を予めおことわりしておきたい。 コロナ禍が起こりオンデマンド型授業が始まったのが突然の事であったため、元々― 30 ― オオンンデデママンンドド型型授授業業にに用用いいるる講講義義録録画画のの編編集集ににつついいてて 2022年度は、本学の方針に従い、前期・後期とも、自分の担当する全科目の授業を対面型に戻して行っているが、現時点(2023年1月)において、未だコロナ禍は収束していない。コロナ禍は大方の予想(希望的観測)を超えて長期化しており、今後の

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