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2014/04/03【学長室総合企画課】おのみち100km徒歩の旅(おの100)の企画運営に携わっています

インタビュー:原 圭市(はら けいいち)くん

人文学部人間関係学科教育学専攻3年(広島県立三次高校出身)

「おのみち100km徒歩の旅(おの100)」(主催:NPOおのみち寺子屋)とは、毎年8月6日から10日の5日間、小学生約100名が尾道市内で100kmの道のりを歩き抜くという活動です。この活動には、様々なねらいやスキルアップのためのヒントが隠されているようです。今回は、大学1年生から「おの100」の企画運営に携わる原圭市くんに、活動の様子とその背景について語っていただきました。

Q1.「おの100」とはどのような活動ですか?

今年で12回目を迎える「おの100」は、尾道市内の小学生約100名とそのサポーターを務める大学生約80名が、尾道市内の100kmを歩き抜くという活動で、忍耐力などの生きる力を育むことを目的としています。それと同時に、エアコン設備のない体育館で寝泊りをしたり、日中に飲み物は水に限られていたりするなど、日常とは違う不自由な生活を体験することで、恵まれた普段の生活への感謝を再認識することも目的の一つです。参加する子どもたちは、出身の小学校が同じにならないよう、また学年のバランスを取って、約10名で1班をつくります。最初は初対面で緊張していますが、5日間の徒歩や宿泊地でのレクリエーションを通して、次第に距離が縮まっていきます。子どもたちの安全管理やレクリエーション、行動記録の作成、宿泊先の設営などの企画が、私たち学生スタッフの活動です。

Q2.なぜこの活動を始めようと思ったのですか?

私は、中学生の頃から「小学校の先生になりたい」と思っていました。それは、私自身、小学校の思い出がとても印象深く残っていることと、小学校の教員である私の父のように、子どもの成長に向き合う大人がとても大きな存在に思えたことからだと思います。大学に入学して間もなく、子どもに関わるボランティアを探していた私は、「おの100」の学生スタッフを募集する説明会に参加しました。そこで「おの100」の活動について説明してくれた先輩の姿が、とても堂々としていたのです。先輩のプレゼンテーションやパワーポイントの資料がどれもすばらしく、「私もあんなふうになりたい」と強く感じました。「おの100」では、子どもと関わりながら、社会人として必要な能力や人間としての魅力も身につけられると思い、参加を決めました。

Q3.活動中の様子を教えてください。

私たち学生スタッフは、広島県内外の大学生が集まり、5月から「おの100」開催まで毎週日曜日に「リーダー養成」という研修会に参加します。この研修会では、教育に関するプレゼンテーションやディスカッションを通して、思考力や伝達能力を磨いています。初めて研修会に参加したときは、周囲に圧倒されたことを今でも覚えています。講師からの質問に、参加者が一斉に手を挙げて発言したり、積極的に意見交換をしたりしていたからです。ここでは、私と同年代の学生たちが、みんな本気で子どもの教育に向き合っていました。私のように、小学校の教員を目指す学生だけではなく、地域貢献やボランティアのために参加する学生もいて、その目的は様々です。このようにたくさんの目的を持った他大学の学生と真剣に向き合うことで、視野が広がり、普段の友達とは違う「仲間」ができたと思っています。そういう意味では、子どもたちだけではなく、他の学生スタッフとの関係も、「おの100」を成功させる大切な鍵ですね。

Q4.一番苦労したことは何ですか?

「おの100」では、班付きリーダー(子どもたちの各班に1名ずつ付き、班の教育・指導を行う係り)や給水係り、レク係り、安全誘導など、様々な役割によって子どもたちをサポートします。大学1年生で初めて参加した年は、班付きリーダーに任命され、子どもたちに一番近いところでサポートできる、絶好のチャンスだと思いました。ところが、子どもたちに対して「成長してほしい」という思いが強すぎたのか、どうすれば子どもたちのもっと大きな成長につなげられるかと、とても悩みました。子どもたちへの接し方やコミュニケーションの取り方も手探りでしたね。そんなときに私を支えてくれたのは、他のリーダーや日々の子どもたちの変化でした。最初は自分から積極的に話せなかった子どもたちが、炎天下の中、自ら大きなかけ声を出して歩けるようになった姿を見て、子どもたちの可能性を目の当たりにしました。「おの100」での経験が子どもたちの自信につながり、後日、「学級委員になったよ」と報告を受けたときは、とても嬉しかったですね。悩んで反省して、またそれを次につなげてもっともっと成長したい。これが、私が「おの100」を続けている理由だと思います。

Q5.この活動を通して、どんなことを学びましたか?

チャンスを逃さず掴み取ることです。そして、たとえ失敗しても、そこから何を得るかによって結果が変わるということを学びました。確かに、誰でも失敗はしたくないし、何もしなければ失敗は避けられるものかもしれませんが、失敗から得られた学びや気付きは、自分にとって何よりの収穫になると思います。教育現場では、「教員の器以上に子どもは成長できない」と言われます。自分自身も切磋琢磨し、失敗を恐れずに多くの経験から学んでいく姿勢を維持していくことが大切だと強く考えるようになりました。学校教育では、子どもたちに直に接さないと解らないことが多くあります。私は今回の活動を活かして、子どもたちの抱える個々の背景や環境を汲み取り、一人ひとりの成長に本気で向き合う教員になりたいです。

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