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2017/04/01【総務課】2017年度入学式 学長告辞

地球的視野を持った地域社会の発展に貢献できる人になろう

2017年度入学式 学長告辞

 本日、広島修道大学は、諸君を新入生として迎えることになりました。これまでみなさんが入学するために払ってこられた努力を称え、また、君たちの成長を楽しみにしてこられた保護者の方々にも、心からお祝いを申し上げます。入学式にご臨席いただきましたご来賓の方々にもお礼を申し上げます。

 みなさんには、大学名の由来と設置の理念、本学が進めている新学部新学科の設置についての考え方、次に人口減少とグローバル化への対応について話しをします。
 本学は、1952年に修道短期大学第2部として創設されました。これが高等教育機関としての始まりです。その後、1960年に広島商科大学を設立し、73年には広島修道大学と名称を変更しました。この4月から健康科学部心理学科と健康栄養学科1学部2学科を加え、現在6学部12学科1専攻、大学院4研究科、学生数もおよそ6,200名、中四国地方でもっとも規模の大きい私立大学へと発展しました。

 最初に、大学名の由来と設置理念について話します。大学名にある修道は、中国の古典『中庸』の一節、「天命之謂性、率性之謂道、修道之謂教」(天の命、これを性といい。性にしたがう、これを道という。道を修める、これを教えという。)に由来しています。「学生諸君の天性を伸ばすための教育とは、私たち教職員が学びの道を整えること」という意味です。
 本学の教育目標は「地球的視野を持って、地域社会の発展に貢献できる人材の養成」です。この目標は、1950年に短大設置のためにつくられた「修道大学設立期成同盟会の趣意書」に由来し、これに近年の世界の情勢を踏まえ「地球的視野を持って」という考えを付け加えています。
 人口減少とグローバル化の進展によって、今日、日本を取り巻く環境の変化の速度も速く、大学を取り巻く環境も大きく変わっています。同世代で半数を超える人たちが大学で学ぶ時代になり、保護者や高校生が大学に期待する学問分野も変わってきています。
 
 このような変化に対応するために、修道学園は2015年4月に鈴峯学園と合併し、鈴峯女子中学校・高等学校は広島修道大学附属鈴峯女子中学校・高等学校と名称を変えました。2016年4月から保育士、幼稚園教諭、特別支援教諭などの資格を取得できる教育学科を設置しました。この4月からは管理栄養士の資格を取得できる健康栄養学科が加わりました。さらに、臨床心理士の資格を取得できる大学院臨床心理学領域を設置する準備を進めています。現在よりも学問分野は広がり、専門職志向の時代的な要請に応えることができるようになります。
 並行して2013年10月に研究室と大学院研修室、大講義室からなる新3号館を建設。つづいて15年3月には協創館が竣工、食堂棟の全面的改修などの施設設備の充実にも取り組みました。この3月には、健康栄養学科と教育学科のために9号館を竣工できました。後に述べるその他の要因もあり、2017年度入試では総志願者数が11,506名となりました。中四国の国公私立大学の中で最も志願者が多い大学となりました。本日、入学式に参列されている新入生は高い志願倍率の中、合格された皆さんです。

 先に、日本を取り巻く環境の変化として、最初にあげた人口減少については、一昨年、日本創成会議は2040年には若年女性(20歳から39歳)が半減すると公表しました。この問題は結婚、出産、育児という個人の問題と経済社会や将来の社会のあり方が絡み合っており、なかなか解決が困難です。本学の80%の学生が広島県内の出身者ですが、60%弱しか県内に就職しません。30%近くの学生は、関東・関西・福岡地区に本社のある企業に就職しています。 
 人口減少問題を解決するためには、卒業生諸君が出身地に帰って働き、家庭をもつことが理想でしょうが、とくに中山間地域に帰っても働きたい職種や就職口がないので、広島県内にとどまるケースや関東や関西などへ出て行く現状があります。
そこで地元就職を考えてもらうため、本学は大企業の本社がある関東や関西、福岡県などに加え、地方試験を行っている福山や三次など、それぞれの出身地への旅費を支援しています。
 わが国には日本経済団体連合会と経済同友会と2つの主な経済団体があります。その内の1つである広島経済同友会と連携し、昨年の2月から、呉、竹原、三原、尾道、福山 、三次、庄原、広島市内において企業見学バスツアーを実施しました。地元の企業の理解を深め、同友会の企業経営者と学生との懇談会も開き、就職についても意見交換もしました。今年度からさらに1ヶ月程度の長期インターンシップも開始します。

 こういった取り組みとは別に、本学は、2010年度から、地域の課題を発見し、地域住民や行政などと連携しながら、その解決策の提案を目的とした「地域つながるプロジェクト」を始めています。16年度には「豊平どんぐり村ハッピープロジェクト‘16」「地域の小中高と世界をつなぐ多文化交流プロジェクト」など16のプロジェクト、約180名の学生が参加し、教職員、行政、地域の人たちと一緒に地域課題の解決に取り組みました。
 
 2013年度には「イノベーションブリッジによるひろしま未来協創プロジェクト」というタイトルで、文部科学省「地(知)の拠点整備事業」にも採択され、地域の課題に体系的に取り組み、2014年度からは地域イノベーションコースも新設しました。これらの実績を基にして2018年度から国際政治学科と地域行政学科から成る国際コミュニティ学部を新設します。地球的な視野を持ち、コミュニティの発展に貢献できる人材、地域課題から新しい価値を創造できる人材を育成するためです。
 
 もう1つのグローバル化に対応するために、本学は1987年にアリゾナ州立大学と学術交流協定を結んでから今日に至るまで、アメリカやカナダ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、中国、韓国、ベトナムなど12カ国・1地域30大学と交流協定を結んでいます。現在起きているグローバル化とは、国境に関係なく国民や民族などを1つに統合する世界の状況をさしています。日本でも国籍にこだわらないグローバル採用をする企業も増えています。
 2016年度には海外へ195名の学生を送り出し、139名の留学生を迎え入れました。アリゾナ州立大学の学生を主とした日本語・日本文化セミナーや韓国の啓明大学の日本プログラムに参加する留学生は、本学のセミナーハウスに宿泊して、これらのセミナーに参加しています。JR山陽本線の横川駅近くにあるインターナショナルハウスには、40名程度の留学生が居住しています。
 
 地域イノベーションコースと同時に、グローバルコースも始めました。地球的な視野を持ちながら地域社会に根ざして活躍する人材を育成するためです。このコースは、修大での国際理解と英語科目、アメリカのポートランドにある大学の3か月の英語研修と6週間のサービスラーニングから構成されています。2016年度、ニュージーランドでも同じようなプログラムを始め、第2回のグローバルコース生19名を派遣しました。
 
 2016年度に国際交流プログラムの1つ、ウォルト・ディズニー・ワールド・インターンシップに参加したTさんは、現地で働くということを通して楽しいこと嬉しいことがたくさんありました。しかし、その前提には悔しかったこと、つらかったことを乗り越えたのだという自信がありました、と振り返っています。テレコム・ビジネス・スクールに交換留学生としてフランスに行ったNさんは「さまざまな国の人と話すことで価値観も変わり、何事にも挑戦することの大切さを学びました」と、報告者に書いていました。ベトナム・RMITセミナーに参加したN君は、「ベトナム留学によってアジアだけはなく、ヨーロッパから来ている人たち と出会い、自分と彼らの 考える力の深さの違いに圧倒されました。これまでその場の勢いにまかせて行動するタイプでしたが、今では冷静に考えて挑戦するようになりました」と留学の意義を述べていました。
 
 人口減少やグローバル化という課題に取り組むための拠点である協創館には、これらの課題に取り組む人材育成のために、日本人と留学生、日本人同士が共同で学習する空間や設備を備えた、ひろしま未来協創センターや国際センター、学習支援センターなどが置かれています。協創館2階には、グローバル・ラーニング・スタジオも配置しています。このスタジオは、同時通訳を学ぶ教室や国内外の大学などと遠隔授業を実施できる教室や語学自習室などから構成されています。
 
 本日入学されるみなさんが、地域課題の解決に取り組むプロジェクト、多様な国際交流プログラムに参加し、またこれらの施設設備を活用し、将来のキャリアを築く一助になれば幸いです。本日、入学されたみなさんが卒業する時には、広島修道大学で学んで良かったと思っていただけるように、私たち教職員も支援していくことを誓って、お祝いの言葉といたします。

入学おめでとう。

2017年4月1日
広島修道大学学長 市川 太一

  

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