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2017/03/22【総務課】2016年度学位授与式 学長告辞

変化の時代を生きる

学長告辞 市川 太一学長

 本日、学部、大学院と、それぞれ期間は異なりますが、広島修道大学において有意義な学生生活を送られ、学窓を巣立っていかれる皆さんに、お祝いの言葉を贈ります。保護者の皆様にはお喜びを、また、卒業式にご臨席いただきましたご来賓の皆さまにはお礼を申し上げます。 

 2013年4月に入学され、今日、みなさんは卒業されるのですが、学生生活の中で、どのようなことがもっとも印象に残っているのでしょうか。
 学長賞を受賞された軟式野球部、そして7名の個人のみなさんは全国大会に出場できた満足感でしょうか。中国新聞キャンパスレポーター賞を受賞した学生もいます。本学では学長賞以外に、学長奨励賞、在学生スカラシップ、資格取得スカラシップなどを出しています。表彰者のみなさんは、その過程でされた努力でしょうか。
 韓国、中国、台湾、アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、NZなどの海外セミナーや交換留学に行った人たちは自分の目で見る大切さでしょうか。
 地域の問題を発見し、課題解決について調査研究する「地域つながるプロジェクト」に参加した人たちは、何が思い出として残っているのでしょうか。グループで研究する楽しさ、それとも人との出会いでしょうか。
 公務員をめざした人は、試験勉強でしょうか。
 学部生は卒業論文、大学院生は修士論文、博士論文、それぞれ性格は異なりますが、論文執筆や発表のために夜遅くまでした準備のことでしょうか。
 成功も失敗も、みなさんの人生にとってすべて意味があります。

 2016年は、今まで以上に、世界が一つになり、他の国の動きが相互に影響を及ぼしあうようになり、その影響の速度も速く、変化の影響も日本へ瞬時に伝わってくることを実感させられた年でした。
 イギリスでは、EU離脱の国民投票が6月に実施され、離脱派が勝利し、キャメロン首相が辞任しました。11月のアメリカ大統領選挙では世論調査の予想を覆し、クリントン氏を破りトランプ氏が勝利しました。ベルギー、バングラデシュ、フランス、ドイツ、トルコなどで次々とテロ事件が起き、欧州各国で反移民派を増加させています。
 韓国の朴大統領は親友による国政への介入の疑惑のため、国会は11月に大統領の弾劾訴追案を可決し、3月に罷免を宣告しました。南シナ海を巡っては、アメリカが中国による人工島造成や軍事施設建設を批判し、航行の自由を脅かす恐れがあると懸念を表明していますが、中国は依然として軍事拠点化を進めています。
 こうした国外の動きは日本の政治や経済に影響を及ぼしています。核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対しては、アメリカは北朝鮮への軍事的対応も排除せず、日韓との連携を目指そうとしていますが、韓国の大統領選挙では北朝鮮に対して融和的な政権が誕生する可能性が高くなっています。日本と欧州の利害は保護貿易主義的な政策を強めるアメリカに対しては反対という点で一致していますが、農産物の関税を巡っては日欧の間には溝があります。多国間の調整をますます進める必要性に迫られています。

 この4年間の中で、広島にとって忘れることができない二つの出来事について述べておきます。
 一つは、2016年5月27日、アメリカの現職大統領が初めて広島を訪問したことです。オバマ大統領は「1945年8月6日の朝の記憶を風化させてはならない。核兵器を保有している国々は、恐怖の論理から抜けだし、核兵器なき世界を追求する勇気を持たなければならない。・・・ヒロシマとナガサキは核戦争の夜明けではなく、我々自身の道徳的な目覚めの始まりであるべき」と、私たちに訴えました。
 注目の的になったオバマ大統領が原爆投下について謝罪すべきかどうかについて「中国新聞」の世論調査(5月30日)では、「謝罪する必要はなかった」が74.7%と掲載されていました。広島滞在わずか57分、スピーチの長さは17分でしたが、オバマ大統領のスピーチは、改めてヒロシマの世界的な意義と原子爆弾の悲惨さを再認識させました。
 もう一つ、広島では忘れる事ができない災害が、2014年8月20日に広島市安佐南区と安佐北区で発生しました。本日の卒業式にも、土砂のかき出しや学習支援ボランティアなどのために災害ボランティアに出かけた学生たちが出席しているはずです。中でも少林寺拳法部の災害ボランティア活動が強く印象に残っています。当初合宿をする予定であったが、合宿に行く場合ではないだろうと、予定を変更して6日間、ボランティアに行きました。彼らは「実際に目の当たりにして安佐南区、安佐北区での土砂災害の被害は深刻なものであることがわかった」、「少しでも被災者のために力を貸したいという人が沢山いることがすばらしいと感じた」、「一日でできる作業はほんの一部だけであったが、それを少しずつ積み重ねていくことが重要である」と報告会で話してくれました。ボランティア活動に参加した皆さんは、この経験とそこから得たものを、それぞれ大切にしてください。
 
 さて、皆さんが広島修道大学に入学したのは2013年4月です。この年の10月には新3号館が竣工。1974年に西風新都に移転しましたが、その当時に建てられた第1研究棟が耐震化の基準に達していないということから3号館を取り壊し、その跡地に新3号館を建てました。2015年10月には第1研究棟跡地に、協創館を竣工させることができました。2017年3月には健康栄養学科と教育学科が使用する9号館が竣工しました。皆さんはこの新しいキャンパスを経験した最初の卒業生となります。
 本学はこれからも設置理念の実現に努めます。みなさんが社会に出て行かれるにあたり、本学において学んだことを社会で生かし、社会の課題の解決に向き合ってください。そして本学の設置の理念、地域社会の発展に貢献できる人となって欲しいと、強く念願しています。
 卒業生のみなさん、卒業おめでとう。

2017年 3月22日
広島修道大学学長 市川 太一

             

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