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2016/11/14【法学部】創設40周年事業として約款に関する講演会を開催しました

テーマ「我が国における約款論の展開」

2016年11月7日(月)2時限に5102教室において、法学部創設40周年事業の一つとして、関西学院大学名誉教授・安井宏氏(本学法学部に1976年から20年間在職)による講演会「我が国における約款論の展開」を開催しました。この講演会は、法律学科の金融取引法の授業を公開して開催したもので、卒業生、教職員を含めおよそ90名の聴講者がありました。

講演では、近代市民社会における契約の役割として、「身分から契約へ」に象徴される近代社会・近代市民法の基本理念としての自由・平等と契約の関係が話されました。そして、対等な立場の当事者による自由な合意を前提とする近代市民法の契約観に対して、大量取引と画一的処理の要請に対応するというメリットから19世紀後半以降一般化した約款が、不当条項を含みうるというデメリットも有することから、その拘束力をどう説明するかが議論されてきたことが紹介されました。さらに、約款論には理論的課題(拘束力の根拠・約款の性格)と実際的課題(不当条項規制)があることが指摘され、わが国の判例・学説における約款論の展開が詳しく紹介され、消費者保護の潮流、諸外国(ドイツ、フランス)の約款規制立法の影響などが民法学の強い関心を生んだ背景にあることが明らかにされました。最後に、わが国における約款規制について紹介され、民法(債権法)改正における定型約款規定の新設をめぐって不当条項の取り扱いが中間試案から大きく変更されたことなど、約款をめぐる議論の現状について関心を持って注視することの重要性を話されました。

法律学科の学生にとって、普段あまり意識しない約款による取引の問題点について目を向けることの重要性を再認識することにつながる意義深い機会となったことでしょう。

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