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2016/10/19【学習支援】第26回 初年次教育セミナーを開催しました

アクティブラーニング型授業の推進と学修成果の可視化の方法

日時:2016年10月19日(水) 14:50~16:20
講師:川越明日香氏(長崎大学 大学教育イノベーションセンター助教)

学習支援センターでは、2016年度の初年次教育セミナーのテーマを、「アクティブ・ラーニングを深めるために」とし、教職員を対象に連続3回のセミナー開催を予定しています。

今年度第2回目となる今回は、長崎大学が学士教育改革の一環として、2012年度から取り組んでいる「モジュール型教養教育」を中心に、その実施に伴ってどのようにアクティブラーニングを推進し、学修成果の可視化を図っていったのか、経緯と現状について、ご講演いただきました。

長崎大学の教養教育は、全学的な学士教育改革スケジュールの下に改革が進められました。その中心となる「モジュール型教養教育」は、社会で求められる、批判的精神や課題探求能力等の獲得を目的として設計されています。全教養科目は、「安全・安心」、「環境」、「経済」、「国際社会」の現代的課題に基づいて4つのモジュールに分類され、1年次後期から2年次後期にかけて、各自の興味・関心により選択した、モジュール科目群の中から計6科目以上を履修します。学生自らの興味・関心に基づいてモジュールを選択するため、学修への動機付けが高まり、能力形成へとつながります。また、1年半にわたり、同一モジュールに留まるため、学生と教員のコミュニケーションも深まることから、高い教育効果が期待できます。さらに、モジュール科目では、すべての科目でアクティブラーニング型授業を実施し、学修効果を上げています。長崎大学ではアクティブラーニングの定義を「学生の思考を活性化させる」ことと、幅広く設定し、実施しやすい土壌を作っているとのことでした。

2012年の開始から5年目を迎えた「モジュール型教養教育」の成果は、年度の進行と共に学生による授業評価が高くなっていること、教員アンケートではアクティブラーニングの成功感が高くなっていること等のデータに表れています。一方で、学生からは、一度選んだモジュールを途中で変えることができないことや、時間割が組みにくいことに対する不満が、また教員からはモジュールの編成に係る負担感などがあげられており、さらなる改善へ向け、検証が継続されているとのことです。

最後に、学修成果の可視化に向けての取り組みとして、全科目共通に作成されたルーブリックを活用し、汎用的技能の状況を自らの学生ポートフォリオに蓄積していくことで、振り返りができる仕組みや、直接評価と間接評価の二種類の調査により成長度を確認できる仕組みなどをご紹介いただきました。

これらの仕組みの運用にあたっては、モジュール内の教員間(約10名)で定期的にミーティングを開き学生の状況やモジュール内の問題を共有し、解決策を検討します。それにより、教員間のコミュニケーションが密になり、教養教育改革がめざす、「教育を語る大学文化の創造」の基盤形成に役立っていると評価されていました。

参加者からは、「モジュール型教養教育は、従来型よりも積極的な授業参加につながると思った」、「到達目標を明確にし、評価方法を綿密に行うことの重要性を学んだ」、「授業や教育、学生について学内で話す機会を広げてみたい」、等の感想が寄せられました。今後、学内の授業や業務に活かされれば幸いです。

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