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2016/07/21【法学部】家族の在り方、無戸籍問題を考える講演会を開催しました

7月13日(水)3時限目に、法律学科リーガルマインド養成講座講演会を7号館学術ホールにて開催し、受講生など240名ほどが参加しました。

今回は、本学法科大学院出身の弁護士である寺西環江先生をお招きして、「最高裁平成26年7月17日判決を読み解く~家族の在り方から、無戸籍問題を考えよう~」をテーマに講演していただきました。最高裁第一小法廷は、平成26年7月17日に、二つの親子関係不存在確認請求事件について、夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合であっても、親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない、旨の判決を言い渡しました。
まず、この最高裁判決の事案(事件の概要)について、次に、民法772条が定める「嫡出推定」の意味について、分かり易く説明してくださいました。嫡出推定を受ける子から、なぜ、父に対して親子関係不存在確認の訴えが提起されるのか、という事件の背景事情についてお話ししていただきました。また、嫡出推定を避けるために母親が出生届を役所に提出しないというケースは多く、結果、その子どもが無戸籍になってしまうという問題が生じていることについても言及され、こうした無戸籍の子ども達を就籍させることも弁護士の仕事の一つであり、寺西先生ご自身もこの分野で活躍されているとのことです。現在はDNA鑑定を用いることで容易に、生物学上父子関係が認められるか否かが科学的に明らかになります。このような時代において最高裁が下した判断にどのような意義があるのか、最高裁の判決により子どもは守られたのか、という寺西先生からの問いは、さらに、民法772条の存在意義とは?そして、現代における家族の在り方とは?といった大きな課題につながるものです。現代社会における家族の問題(夫婦関係、親子関係)を深く考える機会にもなりました。

※寺西環江先生は、本学法科大学院を修了後、司法試験に合格し弁護士(広島弁護士会、和法律総合事務所所属)として活躍されています。

※本講演会は、法律基礎A(判例学習入門)の授業の一環として実施されています。法律基礎A(判例学習入門)は、主に法律学科新入生向けに開講されており、法学部で何をどうやって学べばよいのか、裁判手続はどのように進んでいくのか、そこで、弁護士はどのような仕事をするのか、あるいは判例をなぜ読む必要があるのか、どう読めばよいのか、といったことについて勉強しています。

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