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2015/11/09【人間環境学部】JSPS二国間共同研究によるセミナーが開催されました

この4月から、本学人間環境学部 川村教授とパリ第6大学のMarie-Christine Maurel教授による研究課題「熱水環境などの原始地球極限環境に抗し得たRNA分子の構造機能解析」が日本学術振興会の二国間交流事業(共同研究)に採択され、2年間のプロジェクトを実施しています。今回のセミナーは、この共同研究の一環として開催されました。
Maurel先生との研究は、2008年の国際生命の起源学会において、私が開発した熱水フローリアクターによる研究成果を講演したことをきっかけにして始まりました。Maurel先生は、自然科学では世界トップレベルのパリ第6大学で長年教鞭をとられ、生命起源に関する多くの重要な論文や教科書を発表してきた世界的に著名な研究者です。昨年7月にも本学の学術講演会の講師をつとめていただきました。本共同研究の目的は、川村教授の熱水フローリアクター技術とMaurel先生の分子生物学的手法を融合し、リボ核酸(RNA)の熱水・高圧・宇宙などの極限的な原始地球環境下での働きを調べ、これまで不明だった生命出現時の地球環境と最初の生命体を構成したRNA分子の構造・機能を明らかにすることです。
10月30日に行われたこのセミナーでは、化学進化研究の最先端でご活躍されている福岡工業大学の三田肇教授ならびに東京理科大学の田村浩二教授を本学にお招きし、それぞれの研究成果についての発表やディスカッションを行いました。セミナーでは、RNAを土台とする原始生命体、すなわちRNAワールド仮説に関する活発な議論が行われました。

(参考)

■JSPSとは?
日本学術振興会(Japan Society for the Promotion of Science)の略。研究及び研究者育成に関して科学研究費助成事業(科研費)等のさまざまな事業を展開されてしており、その中のひとつに、今回、パリ第6大学のMarie-Christine Maurel教授と川村教授とが採択された二国間交流事業がある。

■熱水とは?
水は1気圧では100℃で沸騰するが、圧力鍋のような高圧下では100℃以上の高温にならないと沸騰しない。深海底の熱水噴出孔などの超高圧条件下では300℃以上でも水が沸騰しない熱水が存在する環境がある。このような場所で様々な有機物が生成し生命出現に至ったと考えられている。

■RNAワールドとは?
RNA(リボ核酸)は生物において遺伝情報を伝達・翻訳する役割を持つだけでなく1980年代初頭には酵素機能を持つことが見つかった。これをきっかけとして、最初の生命体は様々なRNA分子から構成されていたとするRNAワールド仮説が提案された。

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