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2015/03/202014年度学位授与式 学長告辞

地域社会の発展に貢献する人になろう

学長告辞 市川 太一学長

 本日、学部、大学院と、それぞれ期間は異なりますが、広島修道大学において有意義な学生生活を送られ、学窓を巣立っていかれる皆さんに、お祝いの言葉を贈ります。保護者の皆様にはお喜びを、また、卒業式にご臨席いただきましたご来賓の皆さまにはお礼を申し上げます。 
 きょう、みなさんは卒業されるのですが、学生生活の中で、どのようなことがもっとも印象に残っているのでしょうか。

 学長賞・学長奨励賞を受賞された弓道部、ソフトボール部、空手道部、準硬式野球部、心身統一合気道部、剣道部、スカッシュ部のみなさんは、全国大会に出場できた満足感でしょうか。
 韓国、中国、台湾、アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、NZなどの海外セミナーや交換留学に行った人たちは自分の目で見る大切さでしょうか。
 問題を発見し課題解決について調査研究した、地域つながるプロジェクトや熟議、ひろみらFESに参加した人たちは、グループで研究する楽しさでしょうか、それとも人との出会いでしょうか。
 本学では学長賞、学長奨励賞、在学生スカラシップ、資格取得スカラシップなどを出しています。表彰者のみなさんは、その過程でされた努力でしょうか。
 公務員をめざした人は、試験勉強でしょうか。
 学部生は卒業論文、大学院生は修士論文あるいは博士論文、それぞれ性格は異なりますが、論文執筆や発表のために夜遅くまでした準備のことでしょうか。
 みなさんにとって、成功も失敗も、すべて意味があります。
 2011年4月に入学され、もう4年経過し卒業されます。この4年間を振り返って、社会のできごとや課題が、私たちに直接的に関係しているということを強く感じています。その中から2つの事象について話しをします。

 最初に、8月20日の土砂災害です。ご承知のように、みなさんの入学前ですが2011年3月に東日本大震災が起きました。私たちはその被害の大きさに驚愕しました。震災後、本学の学生たちも震災ボランティアに毎年東北にでかけて行き、大学も学生たちの活動を支援しました。学内では災害への対応のために防災訓練をし、水の備蓄などもしました。しかし広島で起きたのは、地震でも津波でもなく、土砂災害でした。改めて自分たちの身近でも予期しない災害が起きるものだと実感しました。
 本学はひろしま未来協創センターを中心にして、学生ボランティア登録者へ災害支援ボランティアに関する情報提供をし、相談業務も行いました。大学とは関係なく災害ボランティア活動に従事した学生もいました。安佐南区や安佐北区の災害ボラティアセンターで運営スタッフとして活動した学生もいました。大学としても安佐南区災害ボラティアセンターに職員を常時派遣しました。ここでは「少林寺拳法部」が「8.20広島土砂災害支援に関するフォーラム」(11月14開催)において報告した活動を、みなさんには紹介しておきます。
 少林寺拳法部は、8月26日から行なわれる合同合宿に参加する予定でしたが、土砂災害が起きたので、急きょ部員みんなで話し合って「合宿に行くような場合ではない」という結論に達しました。25日から30日まで庭に堆積した土砂や溝一杯にたまっていた土砂のかき出し、泥や石をつめた土嚢袋をバケツリレーで運んだりしたそうです。6日間のボランティア活動を通して、「実際に目の当たりにして安佐南区、安佐北区での土砂災害の被害は深刻なものであることがわかった」、「少しでも被災者のために力を貸したいという人が沢山いることがすばらしいと感じた」、「一日でできる作業はほんの一部だけであったが、それを少しずつ積み重ねていくことが重要である」などという成果をえることができたと聞きました。私は少林寺拳法部のみなさんが自主的に判断し、活動をしたということに感心しました。そして6日間で得た教訓も、部員一人ひとりにとって生涯に残る貴重な経験であったに違いありません。
 
 もう1つ、最近衝撃を受けたのは、2014年度に日本創成会議が公表した2040年には若年女性(20歳から39歳)が半減するというニュースでした。人口減少問題が脚光を浴びたのは今に始まりません。2000年前後にも話題になったことがありました。今回の特徴は、若年女性に焦点を当てた点にあります。ただ、この問題は結婚、出産、育児という個人の問題と経済社会や将来の社会のあり方が絡み合っており、解決が困難な問題です。本学の80%の学生が広島県内の出身者ですが、就職する時には60%弱しか県内に残りません。30%近くの学生は、県外に本社のある関東・関西・福岡地区の企業に就職しています。 
 人口減少社会問題の解決のためには、卒業生諸君が出身地に帰って働き家庭をもつことが理想でしょうが、中山間地域に帰っても働きたい職種や就職口がないから、関東や関西などへ出て行くということになります。こうした問題解決のための政策を考えるのは、政策決定の中心にいる政治家や官僚、経済界の人たちかもしれませんが、社会人となるみなさん、とくに人口減少の激しい地域の出身者には考えて欲しい課題です。 

 最後に、今、本学は大きな変革期にあります。みなさんの在学中に講堂の改修、新3号館の建設、そしてこの3月には協創館が竣工しました。これと並行して、修道学園は鈴峯学園と合併し、鈴峯女子中学校・高等学校は、この4月から広島修道大学附属鈴峯女子中学校・高等学校となります。広島電鉄宮島線の駅名も「修大附属鈴峯」となります。2016年度から教育学科、17年度には心理学科、健康栄養学科などの学科設置を構想しています。「地域社会の発展に貢献する人材の育成」という設置の理念をこれからも果たしていくために、学びの分野を広げていきます。
 
 本学はこれからも設置の理念の実現に努めます。みなさんが社会に出て行かれるにあたり、本学において学んだことを社会で生かし、社会の課題に向き合って欲しいと思います。そしてみなさんも、本学の設置の理念、それぞれの地域社会の発展に貢献する人となってほしいと、強く念願しています。

 卒業生のみなさん、卒業おめでとう。

2015年 3月20日
広島修道大学学長 市川 太一

             

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