社会連携

学術講演会

学術講演会

学外から著名な研究者を招へいし、学生を対象に学術講演会を開催しています。
学科・専攻・グループ各1回(年最大18回)開催する計画です。
これら講演会の一部について、一般の方にも公開しています。

一般の方のお申し込みについて

一般の方のお申し込みは、官製はがき、封書、FAX、Eメールのいずれかで、「学術講演会申し込み」として、講座名、氏名、住所、電話番号をご記入の上、お申し込みください。


広島修道大学 ひろしま未来協創センター  協創館(8号館)B1F 

〒731-3195 広島市安佐南区大塚東1-1-1

     TEL:082-830-1114

     FAX:082-830-1932

     e-mail:gakukou"at"js.shudo-u.ac.jp

      *アドレス内の "at"は@に変換して送信してください

 以下は終了した学術講演会のご案内です

2018年12月21日(金) 地域行政学科 学術講演会

演題:「EBPM時代の自治体マーケティングリサーチ」

講師:山下 永子 氏

場所:広島修道大学6号館 6202教室
(九州産業大学 准教授)

日時:2018年12月21日(金) 13:05~14:35【3限目】

場所:広島修道大学6号館 6202教室

講義概要

【開催記録】
2018年12月21日(金)
 政策概論の授業の一環として、博士(公共政策学)、MBAで専門社会調査士資格を有する、九州 産業大学地域共創学部地域づくり学科教授の山下永子先生に、「EBPM時代の自治体マーケティングリサーチ」について講演いただいた。EBPM(Evidence Based Policy Making. 証拠に基づく政策立案)は、日本政府でも平成30年度にその取り組みを強化していることから、関心を持つ自治体職員や建設系コンサルタントの参加もあった。
 EBPMは政策目的を明確化した上で合理的根拠(エビデンス)に基づいて政策を企画・立案するものである。このエビデンスとして、自治体が実施している市民意識調査(住民アンケート調査)を活用すべきであること、しかしその調査自体が問題を抱えていることを山下先生は指摘された。すなわち、適切な調査知識やスキルを持っていない外部委託者が実施している実態のあること、自治体内での得られたデータの共有・活用・応用が成されていないこと、予算制約から政策立案過程において必要なデータの収集が困難になっていること、政策課題を市民意識調査の設計・分析に反映できるリテラシーを持った職員が不足していることなどである。さらに、回収率の低下や回答者の年齢属性の偏りも問題であると指摘された。
 これらの問題に対して、調査業務における大学等との連携、EBPMに使えるデータを作ることができる体制を整えるための自治体職員向け研修の実施、WEB調査やスマートフォンを用いた調査など若い世代の意識を汲み取れる手法の開発・導入などを提案された。
 これから、地域における課題に向き合い、その解決策を考えていく地域行政学科の学生にとって、合理的根拠(エビデンス)を獲得することの重要性とそのためスキル獲得の必要性を理解した講演であった。

講師の紹介

山下 永子氏
(九州産業大学地域共創学部地域づくり学科准教授
 ・語学教育研究センター所長)
 福岡県久留米市生まれ。
 熊本大学文学部地域科学科卒業後、地銀、建設コンサルタント、市場調査会社、広告代理店、(公財)福岡アジア都市研究所、等民間・公的機関において、調査研究・事業遂行業務等に従事。この間、熊本大学にて博士(公共政策学)、豪州私立BOND-BBT大学院にてMBA取得。久留米信愛女学院短期大学、九州産業大学経営学部を経て、2018年4月より現職。専門社会調査士、二級建築士の資格も取得。

2018年12月17日(月) 英語グループ 学術講演会

演題:「英語運用能力を向上させる多読・多聴と効果的な実施方法」

講師:髙瀬 敦子 氏
(関西学院大学 非常勤講師)

日時:2018年12月17日(月) 14:50~16:20【4限目】

場所:広島修道大学9号館 9206教室

講義概要

【開催記録】
 2018年12月17日(月)、多読学会会長を務められた髙瀬敦子先生を講師にお招きし、英語多読についてご講演いただいた。高校留学中に英語を読む・聴くスピードと量が圧倒的に不足していることを痛感し、現地の人の運用能力に近づくために行った英語学習方法が多読指導の元となっているそうである。フロアの学生たちに英語が苦手か尋ねると数人の手が上がり、その人たちこそ多読を始めるべきと前置きされ、講演が始まった。
 まず、多読を始めるとその楽しさから英語学習の動機づけが高まる。自分が読める本を読むので自信が出てやる気が起こる、また、自分が好きな本を選ぶので、楽しく続けられ、自律学習につながるという。
 次に、英語力について、これまで学習したものが定着し、基礎力固めができる。異なる文脈や様々な場面で同じ語彙・熟語・文構造に繰り返し遭遇するので、体が覚え自動認識するようになる。私たちが日本語を見た瞬間に意味が頭に浮かぶのと同じと説明があった。多読を行ったクラスでは、英文を大量に読む中で形容詞や副詞の使い方、語順が分かるようになったという声が聞かれたという。また、英文を読む速さやスタミナが上がり、英語を数十分続けて読み続けられるようになり、集中力も上がる。また、一般的にリスニング力も向上し、特にTOEICのための勉強をしなくてもスコアが上がった報告も多数ある。
 他にも、読書の楽しさを経験する、異文化体験や文学作品の背景理解ができるようになる、日本語の読書が促進されるなどの利点もある。
 講演を聞いて、早速、英語の本を手に取ってみたくなった参加者もいたのではないだろうか。多読を成功させるためには、授業で一斉に読書を行うのが効果的だそうだが、興味が沸いた人は学習支援センターで英語多読マラソンを行っているので、ぜひ足を運んでみると良い。

講師の紹介

髙瀬 敦子 氏
(関西学院大学 非常勤講師)
 福岡生まれ。高校時代にアメリカに留学、テンプル大学博士課程, 教育学博士(TESOL)。
日本IBM株式会社勤務、高知県内、関西地区の中学高等学校、大学、テンプル大学院 非常勤講師、近畿大学の特任講師を経て、現在は関西学院大学 非常勤講師、岩野塾(大阪)にて小学生に多読指導を行う。
専門は英語教育(TESOL)。著書に『英語多読・多聴指導マニュアル(英語教育21世紀叢書)』(単著)大修館、『話せる!英語シャドーイング』(共著)コスモピアなどがある。
趣味は、読書、音楽鑑賞、旅行(海外の大学及び公立の図書館・書店見学)。

2018年12月17日(月)  社会学専攻 学術講演会

演題:「ジェンダーと犯罪 1998年「和歌山毒物混入カレー事件」から考える」

講師:田中 ひかる 氏
(歴史社会学者)

日時:2018年12月17日(月) 14:50~16:20【4限】

場所:広島修道大学6号館【6102】教室

講義概要

【開催記録】
2018年12月17日(月)、歴史社会学者の田中ひかるさんを講師にお招きし、「ジェンダーと犯罪 1998年「和歌山毒物混入カレー事件」から考える」と題して、人文学部人間関係学科社会学専攻学術講演会が開催されました。本講演会は、「犯罪社会学B」(担当:狩谷あゆみ、14:50〜16:20)の一環として行われ、履修生以外にも多くの受講者が集まりました。
 講演会では、まず事件の概要について説明がなされ、当時のニュース映像や新聞記事、写真を示しながら、報道によって作り出されていった「犯人像」について明らかにされました。この事件が起こったのは1998年で、受講者のほとんどは当時のことを知りませんので、田中さんの説明により、当時の事件報道がどのようなものだったのかを理解することができたようです。さらに、綿密な取材に基づいて、有罪の根拠とされたヒ素鑑定や目撃証言の「矛盾」について明らかにされました。
 田中さんは2006年に『月経と犯罪 女性犯罪論の真偽を問う』(批評社)を出版され、日本社会における女性観が、被疑者の特定や取り調べ、裁判の過程においてどのような影響を及ぼすかを明らかにされています。詳しくは『「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実』(ビジネス社)に書かれていますが、本講演会での結論も、女性観がキーワードとなっています。この事件が単なる話題性からだけでなく、ジェンダーと犯罪との関係を社会学的に考察していくためにも、重要な事例であることがよくわかりました。
 フロアからの質問にも、丁寧に答えていただき、「取材の中で、立場がマスコミではないからこそ、聞くことができた話がたくさんある」という言葉が印象的でした。社会学を学ぶ学生にとって、本講演会は、新聞記事や雑誌記事、ニュース映像の分析、インタビュー調査や参与観察調査といった手法を学ぶためにも良い機会となったのではないでしょうか。

講師の紹介

田中 ひかる 氏
(歴史社会学者)
 1970年東京生まれ。著書に『月経と犯罪 女性犯罪論の真偽を問う』(批評社)、『「オバサン」はなぜ嫌われるか』(集英社新書)、『生理用品の社会史 タブーから一大ビジネスへ』(ミネルヴァ書房)、『「毒婦」 和歌山カレー事件20年目の真実』(ビジネス社)など。ハフポスト、wezzy(サイゾー)、We learn(日本女性学習財団)などで執筆中。

2018年12月14日(金) 教養教育グループ 学術講演会

演題:「統計学からデータサイエンスへ」

講師:佐和 隆光 氏
(国際高等研究所 副所長 滋賀大学 データサイエンス学部 特任教授)

日時:2018年12月14日(金) 13:05~14:35【3限目】

場所:広島修道大学2号館 2104教室

講義概要

【開催記録】
2018年12月14日(金)、国際高等研究所副所長と滋賀大学データサイエンス学部特任教授の佐和隆光様を講師にお招きし、「統計学からデータサイエンスへ」を演題として教養教育グループ講演会が開催されました。本講演会は、2104教室で行われ、「応用統計学」(担当:張南教授、13:05~14:35)の一環として行われたものですが、履修生以外にも多くの受講者が集まり、学長の三上先生もご出席しました。
講師の佐和先生は日本の統計学、計量経済学及び環境経済学の分野で著名な学者ですが、本講演会では、世界そして統計学発展の流れを振り返り、日本の統計学教育が欧米諸国、中国及び韓国との相違を比較し、日本の大学には統計学部、統計学科、大学院統計学専攻といった教育・研究組織がまだ一つとしてもないという現状を明らかにしました。それで、佐和先生は、2010年度から16年度にかけて滋賀大学長を務めた間で、2014年9月、「ビッグデータ時代に対応する人材の育成」と題する学術会議の提言をし、2017年4月、日本初めてデータサイエンス学部をスタートさせた経緯を紹介しました。
更に統計学とデータサイエンスはどこがどう違うのかを明らかにするという趣旨で、データサイエンティストとは定義したうえで、巨視的な観点から生産力の発展と学問の進歩を以下のように整理しました。18世紀の第1次産業革命を駆動したのはジェームス・ワットによる蒸気機関(熱エネルギーを回転エネルギーに変換)の発明、19世紀後半から20世紀初頭の第2次産業革命と電話・ラジオ/石油・電力/内燃機関を使う自動車・航空機等;20世紀後半に始まる第3次産業革命を駆動したのはエレクトロニクス&コンピュータ:ファクシミリ・電子メール・インターネット/原子力発電/内燃機関の省エネ化・鉄道の高速化;2010年頃に始まり現在進行中の第4次産業革命を駆動するのが IoT & AI、 スマートフォン/再生可能エネルギー/EVと自動運転;モバイル化したインターネット、小型化し強力になったセンサーの低価格化、機械学習とくに深層学習:イノベーションと普及のスピードが異常なまでに速い(iPhoneの発売は2007年、今や30億台近くのスマホが普及、Googleが最初の完全自動運転車を披露したのは2010年、普及は間近い);デジタル化は自動化を意味し、規模に関する収穫は不変に近くなる。
こういう産業革命の動きから統計学からデータサイエンスへの進化は一つ歴史的な流れになると思われます。「データは産業のコメ」という人もいます。データサイエンティストへの需要は、今後、増え続けることは申すまでもありません。時代の流れに遅れないように、新しい学問と技術手段を一日も早く勉強して良く身につくべきことは、聴講した学生諸君と教員にとって共通な心得になったでしょう。

講師紹介

佐和 隆光 氏
(国際高等研究所)
生年 1942年11月13日
学位 東京大学経済学博士(1971)
専門分野 計量経済学/エネルギー・環境経済学
学歴 東京大学経済学部経済学科卒業
東京大学大学院経済学研究科修士課程修了
職歴 1967/7 東京大学経済学部助手
1969/7 京都大学経済研究所助教授
1980/4 京都大学経済研究所教授
1990/4 京都大学経済研究所所長(1994/3まで)
1995/4 京都大学経済研究所所長(1999/3まで)
1997/4 京都大学大学院エネルギー科学研究科教授
1999/10 京都大学経済研究所教授
2001/4 京都大学経済研究所所長(2006/3まで)
2006/4 立命館大学政策科学研究科教授 及び
    京都大学経済研究所特任教授
2010/4 滋賀大学学長(2017/3まで)
2017/4 滋賀大学特任教授
褒賞 1970年度 経済図書出版文化賞(日本経済新聞社):『計量経済分析の基礎』(東洋経済新報社)
1987年度 テレコム社会科学賞:『文化としての技術』
(岩波書店)
1996年度 「エネルギーフォーラム賞」普及啓発賞:
『地球文明の条件』(編著 岩波書店)
1998年度 エネルギーフォーラム
2000/4 国立情報学研究所副所長(2002/3まで)
賞:『地球温暖化を防ぐ』(岩波書店)
1998年度 和歌山県文化賞
2004年度 日本エネルギー学会論文賞
2007年度 紫綬褒章
2009年度 環境経済・政策学会特別賞
2012年度 交通文化賞

2018年12月7日(金)  商学科 学術講演会

演題:「最近の金融経済情勢について」

講師:濱田 秀夫 氏
(日本銀行広島支店長)

日時:2018年12月7日(金) 13:05~14:35【3限】

場所:広島修道大学6号館【6102】教室

講義概要

【開催記録】
2018年12月7日(金)、日本銀行広島支店長の濱田秀夫様を講師にお招きし、「最近の金融経済情勢について」を演題として商学科学術講演会が開催されました。本講演会は、「国際金融論」(担当:川本明人教授、13:05~14:35)の一環として行われたものですが、履修生以外にも多くの受講者が集まり、6102教室がいっぱいになるほどの盛況となりました。
講演内容は7つの部分にわたる広範なものであり,最初に日本銀行の機能と業務,そして広島支店の沿革や組織について紹介され,原爆投下時の広島支店の対応を振り返りながら、中央銀行の使命である金融システム安定の重要性について説明されました。続いて,「経済活動はつながっている」ことを強調され,広島の状況を理解するためには,まず世界経済の動向を把握することが必要であり,その分析に続いて日本経済の動向,そして広島経済の動向を,統計等を用いて解説されました。また平成30年7月豪雨災害の影響や,広島県の輸出構造の特徴と,米国の保護主義的な通商政策が広島県内企業に及ぼす特有の影響について,分析を紹介されました。景気動向を把握するこうした視点や方法は,学生諸君がこれから就職活動を行う際に大きな力になるものでした。最後に金融リテラシーの現状について,全国調査の結果を踏まえた中国地方における金融知識の修得状況と自己評価とのギャップの存在とその問題点を取り上げられ,学校教育における金融教育の重要性を指摘されました。
講演は2年生を主体とする聴衆に対して,平易な表現を用いて分かり易く展開され,また日本銀行広島支店に勤務する商学部卒業生からのメッセージも紹介されました。グルーバルな視点から広島経済を考える重要性,そのための視点や手法を解説していただいた本講演は,学ぶことの多い極めて有意義なものでした。

講師の紹介

濱田 秀夫 氏
(日本銀行広島支店長)
昭和43年10月29日生まれ。長崎県出身。
平成 3年3月 東京大学法学部卒業
平成 3年4月 日本銀行入行
平成16年3月 システム情報局 企画役
平成19年4月 総務人事局 企画役
平成21年7月 情報サービス局 企画役
平成24年4月 発券局 戸田発券課長
平成25年9月 発券局 日本橋発券課長
平成27年6月 発券局 総務課長
平成28年7月 大分支店長
平成30年6月 広島支店長

2018年12月7日(金)  法律学科 学術講演会

演題:「国民の司法参加と日本の法文化—明治維新から現代まで」

講師:青木 人志 氏
(一橋大学大学院法学研究科・教授)

日時:2018年12月7日(金) 10:45~12:15【2限目】

場所:広島修道大学7号館 学術ホール

講義概要

【開催記録】 
  去る12月7日(金)、一橋大学大学院法学研究科教授青木人志先生をお招きして、7号館学術ホールにおいて学術講演会を開催しました。演題は「国民の司法参加と日本の法文化—明治維新から現代まで」で、本学学生や市民など約180名の聴衆が参加しました。
 講演では、明治維新から150年が経過し、川島武宜、野田良之両氏による日本人の法意識についての問題提起から50年が経った2018年の位置から、国民の司法参加と日本の法文化の関係について、幅広い観点から議論が行われました。
 まず、川島武宜の法意識論とそれに対するアンチテーゼと並んで、日本の刑事裁判における日本的特質が紹介されました。加えて、法廷構造の変化を素材に、国民の法意識の変化と課題が述べられました。また、旧陪審制度と現行裁判員制度の連続性と断絶が検討されました。
  そして最後に、裁判員制度が血肉となるためには、刑事裁判における日本的特質などのいまだ払拭し切れていないものを捨てることと、社会全体をまとめる価値などのいまだ求め切れていないものを手に入れることが必要だという具体的な提言がなされました。
  史料を用いて分かりやすく解説して頂き、蓄積された学識をうかがわせた有意義で刺激的な講演会でした。

講師の紹介

青木 人志 氏
(一橋大学大学院法学研究科・教授)
 1961年山梨県富士吉田市生まれ。一橋大学法学部卒業後、同大学院法学研究科博士課程単位修得。博士(法学)。関東学院大学法学部専任講師、一橋大学法学部助教授を経て、2002年より一橋大学大学院法学研究科教授。比較法学専攻。著書に『動物の比較法文化——動物保護法の日欧比較』(有斐閣)、『日本の動物法』(東京大学出版会)、『「大岡裁き」の法意識——西洋法と日本人』(光文社)、『グラフィック法学入門』(新世社)、『判例の読み方——シッシー&ワッシーと学ぶ』(有斐閣)等がある。趣味はワードゲーム(Boggle、Scrabble、たほいや)、言葉遊び(句会、連句、アナグラム)、卓球。

2018年12月4日(火)  経営学科 学術講演会

演題:「Driving Innovation through Entrepreneurship」

講師:倉林 陽 氏
(Draper Nexus Ventures,Managing Director)

日時:2018年12月4日(火) 13:05~14:35【3限目】

場所:広島修道大学 9号館 9207教室

講義概要

【開催記録】
2018年12月4日(火)13:05~14:35に9207教室にて経営学科学術講演会が開催された。Draper Nexus Ventures, Managing Directorの倉林陽氏を講師として招き「経営戦略論Ⅱ」の授業の一環として、「Driving Innovation through Entrepreneurship」という演題で講演をしていただいた。
講師の倉林氏は、日本のコーポレートベンチャーキャピタルおよびアメリカのベンチャーキャピタル、コーポレートベンチャーキャピタルでの業務経験を有する業界の第一人者である。加えて、『コーポレートベンチャーキャピタルの組織とパフォーマンスに関する研究』にて博士号(技術・革新的経営)を取得している。
本講演では、「投資」という業務が何を行うのか解説を行い、ベンチャーキャピタルの投資によって成長した企業(たとえばFacebook)の事例を紹介していただいた。アメリカでは2000年以降継続してIT業界における起業と投資が続いている。日本でも近年注目されているビッグデータやIoT、AIなどは全てIT技術が基盤となっている。さらに、IT技術がいわゆるIT企業だけにとどまらず、既存の企業にも影響を与え変革を求める事例が増加している。このような変革をデジタルトランスフォーメーションと呼び、デジタルトランスフォーメーションを推進する企業に対して投資が盛んに行われているのが現状である。このような動向はアメリカを中心としていながらも、日本でも同様の動きがある。たとえば、最新事例としてLINEがみずほフィナンシャルグループと連携してLINE BANKを設立する動きが指摘できる。「投資」という業務は、投資家が企業家と連携して世界を変えようとするダイナミクスがある。
最後に、倉林氏から学生に対するメッセージとして、自分なりの「哲学」と「美意識」を持つことの重要性が高唱された。
本学は、中四国からの学生が多数であり、卒業後も中四国に進路を取る学生が多い。地域を愛し貢献することは重要である一方で、それは視野を狭くすることを意味するものではない。地域に貢献するためにも視野を広くすることは重要である。ひとりでも多くの学生が、「投資」というきっかけからグローバルな視点を持つことが出来たのであれば本講演は有意義であったと評価できる。

2018年10月30日(火)  教育学科 学術講演会

演題:「みんな一緒に—歩いてきた道から—」

講師:日浦 美智江 氏
(横浜市栄区社会福祉協議会会長・社会福祉法人訪問の家顧問)

日時:2018年10月30日(火) 16:30~18:00【5限目】

場所:広島修道大学 協創館(8号館) 8302

講義概要

【開催記録】
 2018年10月30日(火)16:30-18:00に8302号室にて教育学科学術講演会が開催された。横浜市栄区社会福祉協議会会長・社会福祉法人訪問の家顧問の日浦美智江氏を講師として招き、教育学科2年次生対象の「重複・発達障害概論」の授業の一環として、「みんな一緒に—歩いてきた道から—」という演題で講演をしていただいた。日浦氏は広島市出身で、横浜市に移られた後、重症心身障がい児の教育の道を切り開くために、横浜市立中村小学校に訪問学級が開設されることになった折に、当時としては珍しいソーシャルワーカーとして勤務され、子どもたちが中学校を卒業した後は作業所の開設、そして通所更生施設の開設に尽力され、社会福祉法人訪問の家「朋」の運営責任者として、在宅生活支援の確固たる基盤を築かれてきた。その足跡は、2003年に公開された映画『朋の時間—母たちの季節—』に詳しく描かれているが、このたびの講演では、教職志望の学生向けに、当時の地域の学校の子どもや住民との交流活動の様子の説明がふんだんに盛り込まれ、今日的に要請されているノーマライゼーションやソーシャル・インクルージョンの時代を大いに切り開いてこられた功績が認められると思われた。
 現在でも、動もすれば福祉施設の建設に際して、住民の偏見による反対運動により、福祉活動の地域交流がなかなか進んでいかない実情があるが、日浦氏が説明会を開いた1984年の時点においては、幸い「どんどん出てきてください。そしてお友だちになりましょう!」という住民の快い賛同が得られ、順調な歩みを進めてこられたようである。
 また、映画においては、副題である「母たちの季節」という言葉にあるように、母親同士の絆の強さは描かれていたが、子どもの成人の後、自立をどのように考えていくかにはあまりふれられていなかった。このたびの講演では、親から離れ、職員とともにグループホームで共同生活を営む者が増えることによって、課題が遂行され、「普通」の概念を変容させている様子を看取することができた。
 講演のなかで印象的であった言葉に、「『はたらく』は、頭や身体を使って労働する、具体的な報酬を得ることであるのに対し、『はたらき』は、人間関係の中で果たす役割、具体的な報酬ではなく見えない価値を生むものである」「重症心身障がいの人たちは、無駄な命はない」「人は関係の中で生きるものである。人は人の中で人になる」「できないと思わない。できることを工夫する」「進歩はゆっくり」「小さな発見を大切に」「他人と比べない。本人独特の特性を大切に」「情緒を豊かにする体験を豊富に。情緒こそ人間の柱」「『Yちゃんはぼくの柱』と言ってくれたTくん」「一人ひとりは唯一無二の存在」「見ないものは思わない」「自己肯定感の大切さ」ということがあった。
 社会参加の目的に、様々な人との出会い、様々な社会的体験、情緒の分化へのアプローチ、地域のなかにポジションをもつ、社会の価値観を変えることを挙げられた。
 職員(支援者)に求められるものとして、想像力、創造力、行動力、人間への関心、可能性を信じること、思い・熱意、自分自身の人間観の醸成、一般社会の動きを知ることを挙げられた。
 今日的課題として、医療的ケアの必要、本人及び家族の高齢化、医療・福祉・教育の統合による終の棲家の確保を挙げられた。
 最後に「人は人の中に生きて、人となり、人として輝く」という言葉で結ばれた。
 体験に裏づけられた話や写真に出てくる人たちの表情の明るさによって、日浦氏の功績を学生たちはしっかりと受け止め、引き継ぐ心情をもってくれたように思われ、とても有意義な講演会であった。

講師の紹介

日浦 美智江 氏
(横浜市栄区社会福祉協議会会長・社会福祉法人訪問の家顧問)
講師プロフィール
 1938年 広島県出身
 1962年 広島女学院大学英文科卒業
 1972年 横浜市立中村小学校訪問学級指導講師
 1983年 障害者地域作業所「朋」指導員
 1986年 知的障害者通所更生施設「朋」施設長
 2000年 社会福祉法人訪問の家理事長
 2001年 横浜市社会福祉審議会委員
 2003年 横浜市教育委員会委員
 現在 社会福祉法人訪問の家顧問, 横浜市栄区社会福祉協議会会長
 2001年12月 第2回ヤマト福祉財団賞受賞
 2003年11月 第8回糸賀一雄記念賞受賞
 2006年11月 第55回横浜文化賞受賞
著書 『朋はみんなの青春ステージ』1996年ぶどう社刊 
    『みんな一緒に』2004年 IEPジャパン刊

2018年10月24日(水) 英語英文学科 学術講演会

演題:The train is arriving. は「電車が到着している」か?
   -英語の進行形と日本語の「~ている」表現-

講師:高見 健一 氏
(学習院大学文学部教授)

日時:2018年10月24日(水)10:45~12:15【2限目】

場所:広島修道大学6号館【6102】教室

講義概要

【開催記録】
 2018年10月24日(水),6102号室にて,英語英文学科学術講演会が開催された。本講演会では,学習院大学の高見健一先生を講師として招き,英語英文学科一年次生対象の「初年次セミナー」の中で,『The train is arriving. は「電車が到着している」か?-英語の進行形と日本語の「~ている」表現-』という演題で講演をしていただいた。高見先生は,理論言語学がご専門であるが,一般読者に向けては『謎解きの英文法シリーズ』(全10巻,くろしお出版)を久野暲氏(ハーバード大学名誉教授)と共著で著され,学校文法からは説明できない英文法の不思議な現象を取り上げ解説されている。この『謎解きの英文法』に述べられていることの一端を高見先生から直接お話ししていただくことが,英語英文学科一年次の学生に資するところが大きいと考え,講演を依頼した。
 英語の進行形は,「~ている」という日本語の訳語と対応させて教えられることが一般的であるが,両者は対応する場合と対応しない場合がある。本講演では,英語の進行形がどのような意味で用いられるのかを,日本語の「~ている」形と比較しつつ,多くの具体例を示しながら語られた。講義の一端を以下に示す。
 「マイクはキャシーを愛している」を英語ではMike loves Cathy.と進行形で表さない。これは,日本語の「~ている」形がある動作・出来事(好きになった)の後の「結果状態の連続体」を表すのに対し,英語の進行形は,継続的または断続的動作が「一定の時間内」で進行・連続していることを表す形なので,「愛している」という状態の永続性を進行形で表すことができないからである。ところが,I am loving you more and more each week.のように「週ごとに好きになっていっている」と,進行形で,一定の時間内での変化の過程(状態の断続的連続体)を表すことができる。
 高見先生は,生まれ故郷である兵庫県の方言なども参照しながら,わかりやすく英語の進行形の意味を解説された。講演の最後には,3名の学生から挙手で質問があり,これにも丁寧に応えていただいた。この講義から,じっくりと英語や日本語に向き合うことの面白さを,少なからずの学生が感じ取っているのではないだろうか。

講師の紹介

高見 健一 氏
(学習院大学文学部教授)
 1952年兵庫県生まれ。東京都立大学文学博士号取得。
静岡大学教養部助教授、ハーバード大学言語学科客員研究員、ハーバード大学イエンチェン研究所共同研究員、東京都立大学人文学部教授を経て現職。専門は理論言語学。
著書は、『日英語の機能的構文分析』鳳書房(単著)『 Preposition Stranding』Mouton de Gruyter (単著)など多数。英文法で不思議に思われる現象を取り上げ、『謎解きの英文法シリーズ』(全9巻)くろしお出版(久野暲氏と共著)を出版。趣味は、音楽鑑賞、散策。

2018年7月19日(木) 人間環境学科 学術講演会

演題:「SDGsで自分を変える 未来が変わる」

講師:川廷 昌弘 氏
(株式会社博報堂DYホールディングス 
  グループ広報・IR室 CSRグループ 推進担当部長)

日時:2018年7月19日(木) 13:05~14:35【3限目】

場所:広島修道大学 7号館 学術ホール

講義概要

【開催記録】
7月19日、人間環境学部人間環境学科「環境教育概論」(担当:西村仁志)では、川廷 昌弘 氏(株式会社博報堂DYホールディングス グループ広報・IR室 CSRグループ推進担当部長)を招いて「SDGsで自分を変える 未来が変わる」をテーマに一般公開し学術講演会を開催しました。
SDGsは地球環境問題をめぐる国際社会での議論、すなわち1972年の国連人間環境会議以来、ブルントラント委員会「われら共通の未来」などの報告をふまえ、1992年の「地球サミット(リオデジャネイロ会議)」での気候変動枠組み条約と生物多様性条約の採択、そして2000年から2015年の「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」へとつながっていくプロセスから、2015年以降の世界共通のゴールとして設定された「国連持続可能な開発目標」です。2015年9月、150を超える国連加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として採択、公開されました。17の目標と169のターゲットにより構成されています。
 川廷氏は、こうした国際会議での議論だけではなく、2011年の津波被災地である宮城県の南三陸町を訪れるなかで、牡蠣漁師や林業家との出会い、豊かな山や海の恵みが地場産業、人々の暮らしを生み出していることに着目します。海産物や木材の国際認証を取得するなどして地場産業が立ち直り、また観光や環境教育などの新しい営みもスタートするなど、持続可能な開発を地域の特性を踏まえて考えるということ、そしてSDGsは大企業だけではなく小さな企業や、市民の取り組みをもネットワークしていくことの重要性も説かれました。
 内閣府の「SDGs未来都市」では29都市が選定され、広島県も「SDGsの達成に向けて平和の活動を生み出す国際平和拠点ひろしまの取組を加速する」として選ばれています。広島修道大学としても、あるいは学生や教職員一人ひとりがどのように関わってSDGsの実現に関与していけるか、問われているように思います。
(西村仁志/人間環境学部教授)

講師の紹介

川廷 昌弘 氏
(株式会社博報堂DYホールディングス グループ広報・IR室 CSRグループ 推進担当部長)
1986年 博報堂入社。テレビ番組「情熱大陸」などの立ち上げに関わり、地球温暖化防止国民運動「チーム・マイナス6%」でメディアコンテンツを統括。2010年に「生物多様性条約締約国会議(COP10)」の教育とコミュニケーションの決議で提言し成果を挙げ、社会課題のコミュニケーション領域に専従。2013年にTEDxTohokuでスピーカーを務める。現在はSDGsが主要テーマで、2016年に国連広報センターとSDGsアイコンの公式日本語版を制作。2017年のSDGs国連ハイレベル政治フォーラムの日本政府プレゼンなどをプロデュース。2018年から神奈川県顧問(SDGs推進担当)。また、公益社団法人日本写真家協会のプロの写真家として、「地域の大切な資産、守りたい情景、記憶の風景を撮る。」をテーマに活動している。

2018年7月10日(火)  健康栄養学科 学術講演会

演題:公衆衛生学 精神保健

講師:信國 好俊 氏
(くまもと青明病院 医師)

日時:2018年7月10日(火) 10:45~12:15【2限目】

場所:広島修道大学 9号館【9206】教室

講義概要

【開催記録】
 2018年7月10日(火曜日)の10時45分より90分の予定で、9号館926号室にて、健康科学部健康栄養学科学術講演会が開催された。講演会の目的は、健康栄養学科二年次学生へ前期に開講している「公衆衛生学」の講義のうち第13回目の「精神保健福祉」部分を、精神科臨床の現役医師で医学博士の信國好俊先生を講師に迎えてご担当いただくことであった。
 当日は「平成30年7月豪雨」の直後で、少なからぬ学生の欠席があったものの、受講学生79名中66名、他学年や他学部学生8名、関心のある教員10名の聴講があった。
 講義の内容は3部構成であった。第一部では、精神疾患の要因に環境と遺伝のあることを、脳神経障害(水俣病)、先天性小頭症(ジカ熱)、認知症(糖尿病)などを例に説明があった。
 第二部では、公衆衛生の定義と守備範囲を、日本人の人口推移を基本に概説された。社会保障が包含する医療、介護および福祉について、現状の紹介があった。
 第三部では、こころの健康に関する問題の紹介があり、精神保健福祉の法制度や、精神保健指定医や措置入院といった精神科特有の職務説明があった。これは、精神障害者の人権尊重が重視され、入院医療中心から地域生活中心へと、医療改革が進められている現状の理解を促すものであった。その上で、今日的な問題である過労自殺、発達障害による適応障害、各種依存症(薬物、ネット、ゲーム)、への対策を、具体的に臨床の立場からご講義してくださった。うつの臨床像とビタミンB1、B2およびB3の関係の解説は、栄養学を学ぶ学生を対象とする公衆衛生学であることを念頭においたものであり、当該二年次学生にはとても有意義であった。
 最後に、講演に先立って当該二年次学生が提出していた質問への回答をしていただいた。

講師の紹介

信國 好俊 氏
(くまもと青明病院 医師)
1957年生まれ、医学博士(熊本大学)。
熊本大学大学院医学系研究科博士課程修了。
熊本大学医学部、金沢大学、京都府立医科大学を経て、2005年に広島大学原爆放射線医科学研究所准教授となり、2017年3月に退職。2017年4月より現職。
ゲノム障害医学の基礎と応用に関する研究に従事し、医歯薬学の学生へ社会医学、衛生学•公衆衛生学の教育を担当した。
小児の先天異常であるメープルシロップ尿症の責任遺伝子に関するゲノム解析、難聴を伴う疾患の一つであるワーデンブルグ症候群2型の責任遺伝子に関する遺伝子型と表現型の研究など、論文多数。日本精神医学会、日本小児科学会、小児科専門医。