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学術講演会

学外から著名な研究者を招へいし、学生を対象に学術講演会を開催しています。
学科・グループ各1回(年17回)開催する計画です。
これら講演会の一部について、一般の方にも公開しています。
※今後の開催は詳細が決まり次第、情報を公開いたします。今しばらくお待ち下さい。(2017.07.04)

一般の方のお申し込みについて

一般の方のお申し込みは、官製はがき、封書、FAX、Eメールのいずれかで、「学術講演会申し込み」として、講座名、氏名、住所、電話番号をご記入の上、お申し込みください。


広島修道大学 ひろしま未来協創センター  協創館(8号館)B1F 

〒731-3195 広島市安佐南区大塚東1-1-1

     TEL:082-830-1114

     FAX:082-830-1932

     e-mail:gakukou"at"js.shudo-u.ac.jp

      *アドレス内の "at"は@に変換して送信してください

2017年11月22日(水)  教育学科  学術講演会

演題:真のグローバル人材とは?

講師:山中 博 氏
(国際協力ボランティア団体
  「DAREDEMO HERO(誰でもヒーロー)」代表)

日時:2017年11月22日(水) 14:50~16:20【4限】

場所:広島修道大学 図書館 ライブラリーホール


【講義概要】
 2013年4月、長年の夢であった国際協力ボランティア団体DAREDEMO HEROを立ち上げることができました。団体設立を考えるようになったきっかけは、私自身が様々な悩み・苦しみを抱えていたころ、フィリピン・セブ島に足を運んだことです。そこには、私とは比べ物にならないほど過酷な状況で数多くの悩みを抱えているにも関わらず「笑顔」で暮らしている現地の人々の姿がありました。
 セブ島での人々との交流を通じ、自分の悩み・苦しみへの考え方が変わり、おかげで日本での仕事もうまく進めることができました。それ以来、「この国に何かの形でお返しをしたい」と思い続け、私の気持ちは、いつの日か、この国の貧困問題を根本から解決することを自分の進むべき道とするという決意となりました。
 DAREDEMO HEROの活動の中心は勉強したいが家庭環境や学費が原因で勉強できない子供たちの支援です。「誰でもヒーローになれる」これが私たちの信念です。これに従い、夢を持つこと、夢に向かって突き進むことの素晴らしさを子供たちに教えています。私たちは、貧困層から社会的指導者を輩出することこそがこの国の問題の解決につながると考えています。「貧困層教育」によってこの国を変え、社会を根本から変えることが目標です。
 現在、私は生活の拠点をセブ島に移し、現地で英語学校を経営しつつ、DAREDEMO HEROの活動を続けております。講演では、真のグローバル人材のありかたについて、私の考えてきたことをお伝えいたします。

講師の紹介: 山中 博 氏
  元東進ハイスクールの英語講師。23年間、日本全国で分かりやすい熱血指導の授業を展開し、絶大な人気を博す。その後、国際協力ボランティア団体「DAREDEMO HERO」を設立。「この国の状況をよくするには、貧困層から政治リーダーを輩出するしかない」という確固たる信念に基づき、貧困層の子供達の学習支援を行っている。Bayside English School社長。セブ日本人会理事。著書に『ことばだけの…グローバル人材なんかいらない!』(2016年、IBCパブリッシング)など。

2017年11月30日(木)  社会学専攻 学術講演会

演題:だから真っ向から強く批判する
   --相模原障害者殺傷事件をめぐって

講師:立岩 真也 氏
(立命館大学大学院先端総合学術研究科・教授)

日時:2017年11月30日(木) 13:05~14:35【3限】

場所:広島修道大学協創館(8号館)【8302】教室

【講義概要】
 安楽死の主張や優生思想・優生主義には種々の意味があるが、他人にとっての損得によって、時に人を生まれないようにし、時に人に死んでもらおうという考えや行いだと捉えたらよい。これは歴史的な事実でもある。
 その「内なる優生思想」を自覚しつつ、とにかく殺すのは駄目だと言い続けてきた人たちの主張を受け止めねばならない。
 本人のためという言葉を使って、実のところは私たちの都合の良さを実現するのは、優生思想・安楽死思想の常とう手段だ。ただ少なくともそれを、本人のためだと、死んだ方が幸せだなどと、「死んでも」言わないことだ。
 そしてこの容疑者をどうしたらよいかを説く「専門家」たちが、容疑者と等しいとまで言わないが、乱暴だ、そしてずるいと私は感じる。 結局、医療というのは名目で、監禁しておくために精神科病院を使えということでしかないのではないか。では代わりにどうすればよいのかと問われるだろうか。
一つに、できる人が得をするのは当然だ、できることにおいて価値があるというこの近代社会の「正義」が優生主義を助長している。それをのさばらせないことである。
 もう一つ、優生・安楽死思想は人を支える負担の重さの下で栄える。つらいと殺したくなるということだ。負担そのものをなくすことではできない。だが一人ひとりにかかる度合いを減らすことはできる。するとこの人はいなくなってほしいと思う度合いが少なくなる。」

講師の紹介: 立岩 真也 氏
(たていわ しんや、1960年8月16日 - )
(立命館大学大学院先端総合学術研究科・教授)
 新潟県両津市(現・佐渡市)生まれ。新潟県立両津高等学校を経て1983年東京大学文学部社会学科卒業、1990年同大学院博士課程単位取得満期退学。日本学術振興会特別研究員、千葉大学文学部助手、信州大学医療技術短期大学部講師・助教授、立命館大学政策科学部助教授、立命館大学大学院先端総合学術研究科助教授を経て、2004年から現職。著書に『造反有理——精神医療現代史へ』(青土社)『自閉症連続体の時代』(みすず書房 2014年)『精神病院体制の終わり——認知症の時代に』(青土社 2015年)等

2017年12月15日(金)  法律学科 学術講演会

演題:市制町村制施行過程の一コマ~松江市の誕生~

講師:居石 正和 氏
(島根大学 法文学部 教授)

日時:2017年12月15日(金) 10:45~12:15【2限】

場所:広島修道大学7号館【7101】教室(模擬法廷)



【講義概要】
 明治二一(一八八八)年、法律第一号市制町村制が公布されます。これは、最下級の自治体として市町村制度を体系的に定めたはじめての法律です。とても珍しいことに、立法趣旨を述べた「市制町村制理由」が付されていました。
 注目すべきは、市制という近代的な都市法制がはじめて定められたことです。市制第一条は「此ノ法律ハ市街地ニシテ郡ノ区域ニ属セス別ニ市ト為スノ地ニ施行スルモノトス」とあります。なぜ町村とは別に市を設置するのでしょうか。「市制町村制理由」によれば、都会は村落である町村と人情風俗が大きく異なり、経済活動も自ずと違ってくるからです。市を名乗ることで、法制度上都市と認められたのでした。
 内務省は、「市制標準」で市制施行の条件を三つ定めました。第一の条件は、「三府五港其他人民輻湊ノ地」(明治一一年郡区町村編制法第四条)に設定された区であること。第二は、二万五千以上の人口を要する市街地であること。第三は、人口が二万五千未満でも、都市化が進み人口が増える見通しがあることでした。この内どれか一つあてはまれば市制施行が認められます。
 市制の施行には、町村制の施行よりも大規模に町村が一つにまとまる必要があります。また、市制を施行すれば住民負担が増えることが予想されました。これらの困難を乗り越えてでも市制施行を申請するのか。それとも町制でいくのか。人々にその選択が迫られたのです。
 講演では、松江市という新しい自治体を創りあげようとする人々の努力を紹介します。同時に、都市法制が持つ自治の課題を浮き彫りにしようと思います。

 以下は終了した学術講演会のご案内です

2017年11月7日(火)  教養教育グループ  学術講演会

演題:「フランス近代美術について」
   ~ひろしま美術館所蔵品を中心として~

講師:川平 伴勅 氏
(ひろしま美術館常務理事兼副館長)

日時:2017年11月7日(火) 14:50~16:20【4限】

場所:広島修道大学5号館【5102】教室

【開催記録】
 ひろしま美術館常務理事兼副館長の川平伴勅先生をお招きし、学術講演会を開催いたしました。ご講演では、ひろしま美術館の所蔵品について特にフランスの近代美術を中心にお話し頂きました。
 まず、美術館の設立や理念についてのお話がありました。ひろしま美術館は、広島銀行の創業100周年を記念し、「愛とやすらぎのために」をコンセプトとして、1978年に設立されました。美術館の建物は原爆ドームや厳島神社の回廊をモチーフとして設計され、建物の周りには水を求めて亡くなった人々のために水路が巡らされています。美術館の建物自体がコンセプトを体現しているそうです。コレクションについても、日本人にとって親しみやすく分かりやすく明るいものを選んで収集がなされたとのことです。
 作品解説はロマン主義についての説明から始まりました。宗教や国家のために描かれた従来の物語画と違って、ロマン主義は個人の感情を表現します。ひろしま美術館には、ロマン主義を代表するドラクロワの《墓地のアラブ人》が所蔵されています。個人を表現するロマン主義の考え方は、次世代の画家たちに引き継がれ、印象派の先駆的役割を果たしました。所蔵作品のミレー《刈り入れ》、マネ《灰色の羽根帽子の婦人》、ドガ《浴槽の女》はどれも一般的な一個人をモデルにしていますが、その一方で絵の背景には画家やモデル個人の奥深いドラマが存在していることが示唆されました。見たままの「印象」を描く印象派では、モネやルノワールの作品が所蔵されています。印象派に次ぐ、ポスト印象派や新印象主義の作品も多く所蔵され、点描を駆使するシニャック、日本の浮世絵の影響が見られるセザンヌ、精神的な困難を抱えたムンクなどがあります。中でもゴッホ《ドービニーの庭》は美術館を代表する作品で、画中にあるはずの猫が消されているというお話はとても好奇心をかきたてます。さらに加えて、色彩表現に革命を起こしたフォーヴィスムの諸作品、ピカソが亡くなるまで手元に置いていたという息子ポールの肖像画、あるいは日本人画家レオナール・フジタをはじめ、フランスで活躍したエコール・ド・パリの画家たちの作品についても解説して下さいました。
 川平先生は本学の卒業生であり、また本学の客員教授も務めておられ、終始穏やかにときにユーモアも交えながら後輩の学生たちに語りかけて下さいました。講演会後のアンケートでは、ぜひ改めて「ひろしま美術館」に行ってみたいという学生たちの言葉が目立ちました。

講師の紹介: 川平 伴勅 氏
(ひろしま美術館常務理事兼副館長)
1950年愛媛県生まれ
1973年3月広島商科大学商学部卒業、同年4月株式会社広島銀行入行、2003年執行役員広島西支店長、2005年取締役、2007年常務取締役、2009年専務取締役、2012年一般財団法人ひろぎん経済研究所理事長を経て、2015年公益財団法人ひろしま美術館常務理事兼副館長に就任し現在に至る。
その他2015年株式会社あじかん社外取締役、株式会社中電工社外監査役就任

2017年10月14日(土)  健康栄養学科 学術講演会

演題:チョコレートのサイエンス・ロマン

講師:佐藤 清隆 氏
(広島大学大学院 生物圏科学研究科 客員教授)

日時:2017年10月14日(土) 13:05~14:35【3限】

場所:広島修道大学 9号館【9101】実習食堂
※【8303】教室から教室変更になりました※

【講義概要】
 カカオの木の学名は「神の食べ物」(ギリシャ語で「テオブロマ」)です。なぜこのような学名が与えられたのでしょうか?生のカカオ豆は渋くて食べられないので、ローストするのですが、カカオ豆だけを取り出してローストしてもチョコレートの味は生まれません。どのようにすれば、あの味が生まれてくるのでしょうか?
 この講演では、「神の食べ物」であるカカオがチョコレートになるまでの長い歴史を振り返りながら、その過程で重要な役割を果たしてきたサイエンスのいくつかを紹介していただきます。例えば、ペルー産とタンザニア産のカカオ豆について、『味の違いを探るミニ実験』が組まれています。カカオには産地毎に味に多様性があり、それがカカオゲノムに刻まれていることを学習します。また、カカオに含まれるテオブロミンの中枢神経刺激や利尿といった薬理作用が発見され、広く研究されてきたこと、近年では運動能力への正の影響が確かめられたことの紹介があります。
 講演の最後に、佐藤先生たちが世界で初めて開発したチョコづくり専用の石臼「ショコラミル」の実演があります。製品開発の過程で、どのような苦労があったのでしょうか?会場に準備したショコラミルを回しますので、特設サイエンス・カフェで、直接質問してみましょう。

講師の紹介: 佐藤 清隆 氏
(広島大学大学院 生物圏科学研究科 客員教授)
1946年生まれ、広島大学名誉教授、工学博士。
名古屋大学大学院工学研究科応用物理学専攻博士課程修了。
広島大学水畜産学部(現在の生物生産学部・大学院生物圏科学研究科)食品物理学研究室の助手、助教授を経て1991年に教授となり、2010年に退職。
脂質の構造と物性の基礎と応用に関する教育・研究に従事し、「Crystallization Processes in Fats and Lipid System」(Marcel Dekker, 2001)、「脂質の機能性と構造・物性ー分子からマスカラ・チョコレートまで」(丸善出版、2011)など著書多数。アメリカ油化学会「Stephan S., Chang賞」(2005年)、世界油脂会議「H.P. Kaufman Memorial Lecture賞」(2007年)、アメリカ油化学会「Alton E. Bailey賞」(2008年)などを受賞。

2017年10月7日(土)  英語グループ 学術講演会

演題:授業を通じてアクティブに身につける英語力 
-発音を中心に-

講師:里井 久輝 氏
(龍谷大学教授 関西英語教育学会会長)

日時:2017年10月7日(土) 10:45~12:15【2限】

場所:広島修道大学 協創館(8号館)【8302】教室

【開催記録】 
 2011年から12年にかけて NHK Eテレで放送された『3ヶ月トピック英会話 歌って発音マスター!〜魅惑のスタンダード・ジャズ編』の講師を務められた里井久輝先生(龍谷大学教授・関西英語教育学会会長)をお招きして、学術講演会を行いました。
御講演では、まず、日本の大学生の多くが「ネイティブのようなきれいな発音、英語らしい発音で話したい」とアンケートで答え、英語を長期間学んでいるにもかかわらず、現代のグローバル社会で通用する「判明度・明瞭度 (intelligibility) 」の高い英語を身につけられていないという問題提起がなされました。この問題を解決するために、先生は、「発音記号を身につけて、記号を正確な音にいつでも置き換えられる」ようになるための有効な勉強法を教えてくださいました。
 具体的な例として、特に、英語借入語のカタカナ表記には気をつけなければならないパターンがあることを示されました。日本語の表記では、Higgs、Tigers など有声音の複数形を「ヒッグス」「タイガース」と無声音にしたり、tube、tutor などの /t(j)u/ の音を「チューブ」「チューター」という表記で定着させたりする傾向があることなど、カタカナ表記に惑わされないよう気をつけるべき例を体系立てていくつも教えてくださいました。
 また、英語を教える側への提言として、英語音を楽しく身に付けるための音声教材の利用の仕方にも触れられました。テレビCM の録画を用いて、グループでダイアログを練習させるなど、グループワークを効果的に組み合わせられること、その時グループワークを有効なものにするためには、ゴール設定をすべきであることをご提言なさいました。最後は、先生が NHK の英語講座でなさったように、英語の歌が、英語音の聴き取りや発音練習の教材としてだけでなく、英米文化を学生に学ばせるための格好の教材になることをスティーヴィー・ワンダーの「心の愛」を用いて示されました。

講師の紹介: 里井 久輝 氏
(龍谷大学教授 関西英語教育学会会長)
大阪教育大学教育学部教養学科卒業、英国リーズ大学大学院修士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科博士課程修了、博士(言語文化学)[大阪大学]。専門は音声学、言語学、英語教育。学生時代にシェークスピア劇に接し、英語の音楽的な響きに感銘を受け、音声学を志す。NHK『3か月トピック英会話 歌って発音マスター!~魅惑のスタンダード・ジャズ編~』元講師。楽しくわかりやすい授業に情熱を注ぐ。趣味は音楽鑑賞で、子供の頃から特にクラシック音楽、ジャズ、ポップスに親しんできた。

2017年10月4日(水)  英語英文学科 学術講演会

演題:人と通訳とコミュニケーション

講師:船山 仲他 氏
(神戸市外国語大学名誉教授)

日時:2017年10月4日(水) 10:45~12:15【2限】

場所:広島修道大学6号館【6102】教室

【開催記録】  
 2017年10月4日(火)、前神戸市外国語大学学長の船山仲他先生をお招きし、学術講演会を開催しました。講演は「人と通訳とコミュニケーション」と題し、通訳の本質についてお話ししていただきました。
 講演の冒頭では「複数言語を話す人は誰でも通訳ができるのか」、「AIで通訳はできるのか」、「どれくらいの英語力があれば通訳の仕事ができるのか」という三つの疑問が提示され、こうした問題に解答を与えうる人間のコミュニケーションの特質を、通訳者としての実績、通訳教育者としての経験、言語学者としての知見を踏まえ、平易な例に基づきお話を進めていただきました。
 臨済宗妙心寺の住職とノーベル賞経済学者ハイエクの通訳を担当なさった際の沈黙によるコミュニケーションについてのエピソードは、人間の言葉のやり取りについてのふだん見落とされがちな側面に光を当てるものでした。この例から人間のコミュニケーションはコードモデルではなく推論モデルでとらえられるという説明があり、関連性理論における発話理解の考え方が紹介され、コミュニケーションにおける話し手と聞き手の関係を考えることが通訳のありかたを考えるうえで大きな意味を持つことが示されました。
ここから「通訳はword for wordの語句変換ではありえず概念を追いかけることこそが通訳である」ということ、「通訳は人間的なコミュニケーションの現実に根差す技能であり、人間であればだれでも身につける可能性はあるが、現段階ではAIには難しい」ということが主張されました。さらに実際の通訳記録を使い、この主張を裏付ける観察が可能であるというお話もいただきました。
 質疑応答では、前日にハワイ州上院議員ブライアン・タニグチ氏の通訳を担当した学生から、通訳現場での対応の仕方についての実践的な質問がいくつかあり、百戦錬磨の船山先生ならではの説得力のあるお答えをいただきました。

講師の紹介: 船山 仲他 氏
(神戸市外国語大学名誉教授)
1950年大阪府生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒業、京都大学大学院文学研究科言語学専攻博士課程単位取得満期退学。1970-80年代、国内外で多数の国際会議の同時通訳を担当。1982年から大阪外国語大学などにおいて同時通訳教育。1986年以降、京都工芸繊維大学、大阪府立大学、神戸市外国語大学の(助)教授歴任。通訳研究としては通訳行為の概念的側面に注目。2010-2013年日本通訳翻訳学会会長。現在、神戸市外国語大学名誉教授。

2017年6月30日(金)  商学科学術講演会

演題:ブルンジにおける観光の現状と観光政策
(Current state of tourism and tourism policies in Burundi)

講師:ダンシル・ニゼイマナ 氏
(Dancille Nizeyimana)
ブルンジ政府観光局・局長顧問
(Department of General Management in Burundi National Tourism Office・General director advisor)

日時:2017年6月30日(金) 1時限(9:00 – 10:30)

場所:広島修道大学5号館【5303】教室

※この講演会は「英語」で行われます。
※本学の人文学部英語英文学科の学生が通訳を行います。

講演概要

【開催記録】  
「ブルンジにおける観光の現状と観光政策」講演内容
 ブルンジはルワンダ、タンザニア、コンゴに囲まれた関西地方ほどの小さな国で人口は1,118万人です。観光は世界の多くの国々で重要な経済活動となっており、多くのアフリカ諸国にとっても主要な輸出品であり、重要な外貨獲得源でもあります。しかし、ブルンジの観光は、内戦で開発が遅れたために緒に就いたばかりであり、観光による経済効果もまだ僅です。ブルンジ政府は、国の開発と観光政策の策定を重要課題としていました。観光政策は2012年に策定され、これには観光業に関わる様々な規制が法令に盛り込まれました。宿泊施設や旅行会社のみならずレンタカーやレストラン、観光ガイドに関する法令が定められ、政府観光局では関連省庁と共同で営業許可の判断や格付けをしたり、また法令に違反する観光業者に対して警告や罰金を言い渡すこともあります。観光戦略として、国が第一に進めているのが持続可能な観光発展です。サステーナブルツーリズムを10年間の計画に基づいて推進していますが、環境省を通して環境保全を第一にした観光の推進です。その他、地域における観光振興、温泉地のキャンプ場整備、国立公園内のエコツーリズムとキャンプ場整備、歴史的な条約締結地の観光開発の5つのパイロット事業も実施しています。さらに、インバウンド政策では、東アフリカ諸国のブルンジ、ルワンダ、ウガンダ、ケニア、タンザニアの5カ国を一つの観光ビザで訪れ、5カ国内を自由に旅行できる共同体の確立を目指しています。このようにして、ブルンジ政府は観光による交流や雇用促進に期待を寄せているところです。
 また、今回は講師が英語で講演をされましたが、当日は本学の人文学部英語英文学科の4年生 (伊藤万将さん、植村俊介さん、榊原隼さん) が逐次通訳を行いました。日頃の訓練の成果をしっかりと発揮してスムーズな通訳を披露してくれました。彼らの今後の活躍にも期待したいところです。

講師の紹介: ダンシル・ニゼイマナ氏(Dancille Nizeyimana)
2014年ケニア・メソジスト大学卒業。ホスピタリティ・観光マネジメント、およびホスピタリティ・ホテルマネジメント学士。2015年6月より現職。2017年4月より香川大学大学院経済学研究科在籍(ABEイニシアティブ研修生)。趣味は 音楽(歌うこと)。

2017年6月30日(金)  保健体育グループ学術講演会

演題:発育から老化に至る健康・体力水準の変化とトレーニング効果

講師:大石 康晴 氏
(熊本大学教育学部教授)

日時:2017年6月30日(金) 2時限(10:45~12:15)

場所:広島修道大学3号館【3101】教室

講演概要

【開催記録】  
 熊本大学教育学部大石康晴教授をお招きし、保健体育グループ主催の学術講演会「発育から老化に至る健康・体力水準の変化とトレーニング効果」を本学3号館にて行っていただきました。
大石教授は、講演内容は多岐に渡り、骨格筋の仕組みや可塑性や体力レベルの年次変化、生活習慣病への運動の効果などをお話しいただきました。
 まず、骨格筋については先般、話題となっている100m走の10秒を切るような選手はどのような筋の特性を持っているのか?また、競技力を左右する素質とは何かという内容で筋細胞タイプの分類と競技成績の関連性を示されました。その中で、一般人と一流アスリートの遅筋線維と速筋線維の割合の違いがパフォーマンスに与える影響など、興味深い知見を紹介されました。
 次に、日本が抱える問題である超高齢社会において、健康に長く生きる「健康余命」についてお話しいただきました。介護を必要としない健康状態の維持のために、運動や生活スタイルの改善がどのような役割を担うかを生活習慣病(高血圧、糖尿病)やメタボリックシンドロームの例を挙げて解説いただきました。
 最後に、体力レベル(持久力や敏捷性など)が、女性では中学生、男性では中学~高校がピークで年々低下していくということを話されました。このことは、今後の本学学生の運動への意識を改善する一助になったのではないかと思います。その後に行われた質疑応答では、「運動習慣を改善したい」という感想や、「どのような運動がいいか?」、「速筋線維を鍛えるにはどうすべきか?」などの質問が寄せられ、大石教授にはそれらの質問に丁寧に答えていただきました。

講師の紹介:大石 康晴 氏
熊本大学教育学部教授
長崎県対馬市生まれ。
筑波大学体育専門学群卒・大学院修了、医学博士。
熊本大学教養部助手~准教授を経て2011年より現職。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA)にて1年間の在外研究。専門はスポーツ生理学(骨格筋生理学・生化学)。
大学時代はラグビー部に所属し、現在、熊本大学ラグビー部部長。海中の神秘に魅了され、対馬や天草の海で泳ぎ、魚と戯れることに喜びを感じている。

2017年6月23日(金)  国際政治学科学術講演会

演題:近代の戦争と国民の関係を考える

講師:加藤 陽子 氏
(東京大学大学院人文社会系研究科(日本史学)教授)

日時:2017年6月23日(金) 3時限(13:05 – 14:35)

場所:広島修道大学3号館【3201】教室

講演概要

【開催記録】 
 本学では、2018年4月に、現在の法学部国際政治学科を基盤とし、国際コミュニティ学部を開設することを予定しています。国際政治学科と地域行政学科の二つからなる新たな学部の創設に着手したことは、若い世代が複雑化する国際情勢に対する理解を深めること、そして日本社会のあり方について考えを深めることが、私たちの暮らす社会の持続的発展にむけた、欠かせない基盤だと考えたからです。新学部設置にむけた思いを広く学内外の皆さまと共有し、また、世界と日本のあり方に対する理解を深める機会をともに得ることねらいとして、このたびの講演会を開催いたしました。
講演会には、日本近現代史をご専門とされ、言論界のオピニオンリーダーのお一人である加藤陽子氏(東京大学大学院・教授)を講師にお迎えし、「近代の戦争と国民の関係を考える」を演題としてご講演いただきました。当日は本学学生に加え、学外からも多くの参加があり、参加者は160名を越えました。
 ご講演は、「過去の戦争における、国民の立ち位置を測ることは可能なのか」、「『知らされていなかったから』、選択を誤ったといえるのか」の、二つの論点のもと展開されました。ひとつめの論点については、「輿論」と「世論」の違いを示したうえで、日露戦争および太平洋戦争期における知識人・為政者の言葉を紐解きながら、国民が戦争に対して必ずしも反戦の姿を示していなかった様子をあぶりだしました。二つ目の論点については、日本の為政者が満州事変、日中戦争へと進む中で、東アジアでの戦いを、世界旧秩序の矛盾を正すための戦いであると意味づけを転換したことで、日本人の戦争観が形成され、殲滅戦争へとつながっていったことを論じました。
講演会を通じて加藤氏は、日露戦争から太平洋戦争期に登場した多様な人物の思想や主張を、具体的な資料を用いて分析されました。文献資料をひも解き、その解釈を重ねることで、その時代の姿を掴み取るという、歴史学のアプローチがもつ魅力と力を、体感することのできる講演会でした。

講師の紹介:加藤 陽子 氏
東京大学大学院人文社会系研究科(日本史学)教授
1960年、埼玉県大宮市(現、さいたま市)生まれ、1989年東京大学大学院人文社会系研究科修了(文学博士)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科(日本史学)教授。専門は日本近現代史。著書に、『模索する1930年代 -日米関係と陸軍中堅層』(山川出版社、1993年、新装版2012年)、『満州事変から日中戦争へ』(岩波新書、2005年)、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社、2009年、新潮文庫、2016年、小林秀雄賞)、『昭和天皇と戦争の世紀』(講談社、2011年)、『戦争まで』(朝日出版社、2016年、紀伊國屋じんぶん大賞)がある。

2017年5月24日(水) 人間環境学科学術講演会

演題:食と農業からみる現代オーストラリア

講師:堤 純 氏
(筑波大学生命環境系准教授)

日時:2017年5月24日(水) 1時限(9:00 – 10:30)
場所:広島修道大学6号館【6102】教室

講演概要

【開催記録】  
 2017年5月24日(水)の1限に、筑波大学生命環境系准教授の堤純先生をお招きして学術講演会を開催した。ご講演いただいたテーマは、「食と農業からみる現代オーストラリア」である。堤先生は、2000年初期にオーストラリアの都市構造に関する研究を開始して以降、メルボルン大学客員研究員等として現地での生活や長期にわたる研究を積み重ね、地理学界においてはオーストラリア研究の第一人者となっている。
 講演ではまず、私たちに身近な食を題材にオーストラリアの食文化の歴史をひも解いた。イギリスの植民地であったために乏しかった食文化が、世界中から移民を受け入れることで時代とともに多様化し、現在では「レストラン・キャピタル」と言われるまでに成長した。多くの移民が都市に集積し、その人口を支えるための食料生産は、付加価値が高く腐敗性の高い順に都市から外縁へと拡がっていることが示された。このような農業構造の形成は、オーストラリアの自然条件に多いに影響を受けている。また、食料を生産するための水は、掘り抜き井戸に依存していると一般的には理解されているが、先生が現地で調査した結果、掘り抜き井戸は開拓時代に見られたもので現在ではほとんど目にしないこと、多くが天水農業であること、その水は商品価値の高い作物に利用されている傾向にあることを明らかにした。講演では、移民の増加とともに現地の食生活には欠かせなくなったオーストラリアワインを事例に、生産状況やその位置づけも紹介された。
 本講演会は、同時限に開講されている環境と農林水産業の授業を活用したものであり、人間環境学部の学生およそ110名が聴講した。オーストラリアを好意的に捉えている一方で、実情をあまり知らなかった学生が多く、熱心に聴講していた。

講師の紹介:堤 純 氏
筑波大学生命環境系准教授
1969年北海道生まれ、群馬県育ち。
筑波大学大学院地球科学研究科中途退学。博士(理学)。
北海道大学助手、愛媛大学講師・准教授を経て2012年から現職。
専門は都市地理学、オーストラリア地域研究、地理情報システム。
主な著書に、『土地利用変化のメカニズムー土地所有とGISからの分析ー』古今書院(単著)、『Urban Geography of Post-Growth Society』東北大学出版会、(日野正輝と共編著)のほか、シドニーやメルボルンなどのオーストラリアの大都市圏に関する日本語・英語論文多数。趣味はスキー、ドライブ、食べ歩き、オーストラリアワインなど。

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