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学術講演会

 以下は終了した学術講演会のご案内です

2017年1月6日(金) 法学部学術講演会

演題:国際政治における規範理論
講師:中本 義彦 氏
   (静岡大学人文社会科学部・教授)
日時:2017年1月6日(火)2時限(10:45– 12:15)
場所:3号館 3102教室

講演内容

 「国際政治における規範理論」をテーマとした本講演は、国際政治において何が正しいのか、何がなされるべきなのか、こうした善悪の判断にかかわるのが規範理論であるとの定義を確認するところから始まった。
 規範理論は、何を重視するかによって三つに分けられる。一つは現実を重視するリアリズム、第二は国家の主権を重視する国家中心的道義主義、そして第三に人権重視の世界市民主義である。リアリズムについては、カーの『危機の二十年』、モーゲンソーによる国益、慎慮についての説明があった。そこでの規範は、秩序が維持されるかどうかに関心があり、そのための有効な手段は勢力均衡になる。ここで武力行使が正当化されるのは、勢力均衡を保つためである。
 他方、国家中心主義における武力行使は、国家の主権が侵害される場合になる。詳述されたのはウォルツァーの『正しい戦争と不正な戦争』である。正戦論の理論的構成として戦争への正義(jus ad bellum)と戦争における正義(jus in bello)という鍵となる概念が説明された。
 世界市民主義で武力行使が正当化されるのは、人権が侵害された場合である。ただ、現実の国際社会においては、明らかな人権侵害がなされている場合であっても、武力行使によって戦争が拡大し、さらに大きな人権侵害に至る場合も起こりうることから、単純な方程式では片付かない。
 現実、主権、人権の内、どれを重視すべきなのか。複雑な国際社会にあっては、複眼的な視野と柔軟な思考が欠かせない。
 質疑応答では、学生から提起された質問に丁寧に回答し、受講生にとっては国際政治における規範理論を学ぶ大変に有益な機会となった。

講師の紹介:中本 義彦 氏
静岡大学人文社会科学部・教授

専門分野:社会科学 - 政治学 - 国際関係論
所属学会:日本政治学会、日本国際政治学会
著書:戦争と政治の間—ハンナ・アーレントの国際関係思想/岩波書店(2014年3月)共著
   スタンレー・ホフマン国際政治論集/勁草書房(2011年12月)編著
   政治学をつかむ/有斐閣(2011年7月)編著
   「沖縄問題」とは何か—「琉球処分」から基地問題まで/藤原書店(2011年2月)共著
   国際関係理論/勁草書房(2006年8月)共著

2016年12月20日(火) 人文学部学術講演会

演題:コーヒー学への途
講師:広瀬 幸雄 氏
   (金沢大学・名誉教授)
日時:2016年12月20日(火)3時限(13:05– 14:35)
場所:3号館 3101教室

講演内容

 広瀬先生は、「破壊工学」という航空機事故の原因となるような金属疲労の研究から始まる多様な研究成果を披露されてから、30代前半の頃、大学付近の喫茶店で飲んでいた「胃には優しいが味はイマイチなコーヒー」に疑問を持ったのがきっかけに始まった珈琲遍歴に入っていった。
 珈琲研究も美味しい一杯を求め、日本中の喫茶店をめぐり、世界のコーヒー豆=green beansの産地をたずねるとともに、科学的探究心を持って研究をつづけてきた。美味しい珈琲を探求していく際に、「どうして焙煎後一ヶ月以上経過したコーヒー豆がまずくなるのか」「コーヒーを飲むと疲れが癒やされたと感じるのはなぜか」など浮かんでくる様々な疑問を科学的に探求していくと、次々に研究や発明のアイデアが浮かんできた。
 ①珈琲で体を害す物質の正体、②酸化の原因などをつきとめ、「健康に良い」珈琲を科学的に探求しはじめた。珈琲研究のために、一万坪の土地を購入し、実験室を建設し、教え子に喫茶店を開かせた。自分で豆を栽培し、何台も焙煎機を自作した。
 数年前、「珈琲と健康」についての研究から着想を得て、過熱水蒸気による焙煎によって水素を焙煎後の珈琲豆に封じ込めようと試み、世界初となる水素焙煎機を発明し、「水素コーヒー」を開発に成功した。水素焙煎機によって焙煎された珈琲豆は、普通の焙煎機で焙煎した珈琲豆が1ヶ月で酸化してしまうのに対して、6ヶ月酸化しない。粉砕した珈琲粉を保存する容器を改良することで、さらに保存期間を延長することを可能にした。
 最後に、珈琲学を学問として確立するために、全国大学連合講座「コーヒー学入門」や日本コーヒー文化学会を設立した経緯を話され、聴講者に対して、「好奇心旺盛であれ、我意外皆師」と呼び掛け、「良い教師とは生徒の心に火をつける存在」で、「自らもまだそこに向かっている途上である」と結んだ。

講師の紹介:広瀬 幸雄 氏
金沢大学・名誉教授

1940年石川県金沢市生れ。1963年金沢大学理学部物理学科卒業。同大学院理学研究科修了後、1986年金沢大学理学部教授となり、学生部長(副学長相当)、共同研究センター長、ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー長などを歴任。2006年に金沢大学退官後は、名誉教授、大学院特任教授、2013年中谷宇吉郎雪の科学館館長となり現在に至る。工学博士。専門は破壊工学。日本コーヒー文化学会副会長。2003年には鳥撃退の合金を開発したことでイグ・ノーベル賞を受賞。2009年には超音波計測による骨密度評価法の開発育成で文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞。

主な著書
「工学屋の見たコーヒーの世界」,「エスプレッソその味と香り」(いなほ書房)
「なるほど伽排学」,「コーヒーの魅力学」(旭屋出版)
「コーヒー学講義」,「コーヒー学入門」(人間の科学新社)他

2016年12月20日(火) 人間環境学部学術講演会

演題:大都市における高齢者の孤立と食の砂漠問題
講師:岩間 信之 氏
   (茨城キリスト教大学 文学部 文化交流学科・教授)
日時:2016年12月20日(火)3時限(13:05– 14:35)
場所:6号館 6204教室

講演内容

 2016年12月20日(火)の3限に、茨城キリスト教大学の岩間信之先生をお招きして学術講演会を開催した。本講演会は、同時限に開講されている食料環境システム論の授業を活用したものであり、人間環境学部の学生とその他一般の方を合わせておよそ115名が聴講した。
 ご講演いただいたテーマは、「大都市における高齢者の孤立と食の砂漠問題」である。食の砂漠(フードデザート)とは、広義には生活環境の悪化により、住民の健康的な食生活が阻害された社会的弱者が集住する地域をさす。フードデザート問題は、シャッター商店街の増加などの食料品アクセスの低下や、人とのつながりの希薄化というソーシャルキャピタルの低下によって生じるものである。特に大都市では、人口は増加しているが人口構造が多様化しており、人のつながりをつくるのが難しくなっている。そのため、急増している高齢者などの弱者の食の問題が深刻になると予想されている。講演では、栃木県宇都宮市と茨城県牛久市の調査事例が紹介され、ソーシャルキャピタルが高い地域ほど食品摂取多様性得点が高いことや、フードデザート対策として移動販売事業がうまく機能していることが示された。
 岩間先生は、日本におけるフードデザート(食の砂漠)問題の研究の第一人者であり、地域調査に裏付けられた実態ある研究成果から農水省や経産省など国の政策にも携わっている。ともすれば私たちの生活にも影響を及ぼす切実で現実的な食の問題を、学生たちは熱心に聴講していた。学生が先生に鋭い質問をする場面もあり、大いに刺激になったようである。

講師の紹介:岩間 信之 氏
茨城キリスト教大学文学部文化交流学科教授。1973年茨城県生まれ。筑波大学大学院地球科学研究科修了。博士(理学)。専門は都市地理学、フードデザート(食の砂漠)問題研究。経済産業省「買い物弱者・フードデザート問題等の現状及び今後の対策のあり方に関する調査検討委員会」委員長、農林水産省「買い物困難者支援に関する連絡協議会」委員、農林水産政策研究所客員研究員などを歴任。主な著書に、『改定新版 フードデザート問題—無縁社会が生む「食の砂漠」』農林統計協会、2013年。『都市のフードデザート問題』農林統計協会、2016年。研究グループの仲間たちとともに、日本全国やイギリスのフードデザートを飛び回り、現地調査を進めている。

2016年12月14日(水) 経済科学部学術講演会

演題:大学発テックベンチャーの作り方
   —最先端カメラ用画像処理ソフトの開発—
講師:平賀 督基 氏
   (㈱モルフォ 代表取締役 社長)
日時:2016年12月14日(水)1時限(9:00– 10:30)
場所:7号館 学術ホール

講師の紹介:平賀 督基 氏
(株)モルフォ 代表取締役社長 

1997年3月、東京大学理学部情報科学科卒業。
2002年3月、東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻(博士課程)修了(博士(理学))。在学時より画像処理や映像制作用の技術開発に携わる。
2004年5月、東京大学エッジキャピタルよりシーズ案件として初の出資を受け、画像処理技術の研究開発および製品開発を手がける株式会社モルフォを設立、代表取締役社長に就任。動き検出ソフトウェアを利用した6自由度(6軸)に対応した手ブレ補正技術や、高度な画像処理技術によって、デジタル画像から人物の顔を自動的に検出し、追尾する技術等を開発し、日本のみならず海外のカメラ付携帯電話やデジタルカメラの多くに搭載されている。
2009年には、同社がThe Service Provider Forum of the Telecom Council of Silicon Valley主催の2009年度「SPIFFYアワード」において、Ground Breaker Award for Engineering Excellence部門を受賞する一方で、個人としても新日本有限責任監査法人が実施する起業家表彰制度「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」のチャレンジング・スピリット部門の大賞を受賞。
2011年11月、同社 代表取締役社長兼CTO室 室長、現在に至る。

2016年12月2日(金) 法学部学術講演会

演題:明治初期の自治と裁判—古き良き時代
講師:石川 一三夫 氏
   (中京大学 名誉教授)
日時:2016年12月2日(金)2限限(10:45-12:15)
場所:図書館ライブラリーホール

講演内容

 去る12月2日(金)、中京大学 名誉教授石川 一三夫先生をお招きして、図書館ライブラリーホールにおいて学術講演会を開催しました。約50名の聴衆が参加しました。
 講演では、最初に約150年前の村の自治の様子が紹介されました。戸長とよばれた村のリーダーは、村のいろいろな仕事のほか村同士の紛争や裁判に奔走することもあり、また村民のためいろいろ世話をやいていたので多忙でした。また村政は全員参加の寄合で、納得いくまで論議されました。総じてこの時代は、「公共と個人」の調和がとれていた「古き良き時代」であったといえます。
 ところが、明治21(1888)年近代的地方制度が導入され、市町村は「法人」となり、地方行政体と村民が遊離するようになりました。近代化のためやむをえない措置でしたが、市町村長という自治体のリーダーが必ずしも地域のために働かないという事態を招くきっかけになったと述べられました。
 最後に、石川先生は現在JICAのタンザニアなど途上国の司法援助に携わっておられますが、途上国が西欧的法制度を導入するにあたり、日本の経験は非常に参考になると注目されていることを述べられました。
 質問タイムでは、会場から多くの質問が出され、石川先生は丁寧に答えておられました。

講師の紹介:石川 一三夫 氏
中京大学・名誉教授

1944年 香川県に生まれる。

大阪大学法学部に入学
大阪大学大学院法学研究科に進学
中京大学法学部に赴任
中京大学法学部を退職

〔著作〕
『近代日本の名望家と自治—名誉職制度の法社会史的研究』(木鐸社、1987年)
『日本的自治の探求—名望家自治論の系譜』(名古屋大学出版会、1995年)
〔その他〕
「日本における町村名誉職制度の導入 ー明治「地方自治」の論理と実態に関する一考察」(『阪大法学』88 大阪大学法学部・1973)で、1975年度藤田賞を受賞(当時、大阪大学大学院院生)

2016年11月28日(月) 経済科学部学術講演会

演題:日本経済とイノベーション
講師:明石 芳彦 氏
   (大阪商業大学 経済学部 教授)
日時:2016年11月28日(月)2時限(10:45– 12:15)
場所:5号館1階 5101教室

講演内容

 11月28日(月)の第2時限において、大阪商業大学教授の明石芳彦教授を招いて、5101教室で学術講演会『日本経済とイノベーション』が開催された。
 この学術講演会には、マクロ経済学Ⅱと情報社会概論Ⅱの講義が振替えられたこともあり、経済科学部などの学生が約300名参加した。さらに、一般の社会人の方も10名程度参加されており、盛況であった。
 講演の内容は盛りだくさんで、まとめるのは容易ではないが、講演の要旨は以下のとおりである。
総需要と総生産の関係では、総需要が大きければ総生産も大きくなり、総需要が小さければ総生産も小さくなる。将来に対する不安などで消費が低迷すると、総生産に比べて総需要が過少になり、生産、雇用、所得の減少、デフレの発生につながる。
 過去20年間の日本経済について、需要不足などのため低経済成長が続いている。国内需要が減退していて新規産業への転換は進まず、日本製造業の国際的地位は低下してきている。デフレに陥らず、持続的成長を実現するには、イノベーションとそれを通じた消費と投資の増加が必要である。
 イノベーションとは研究開発活動の成果であり、新しい財や生産方法の導入などを指す。イノベーションの過程は、基礎研究、応用研究・開発、製造・販売開始、製品・技術改良からなる。
 イノベーション類型の一つにサービス・イノベーションがある。サービス部門は人手不足であり、生産性が低い。この部門が経済に占める比重は大きく、サービス産業でのイノベーションが経済の拡大をもたらすことが期待される。
 数名の学生や社会人の方が質問し、それらに対し明石氏が適切で丁寧な応答をした。啓蒙的な部分と研究の先端部分を含む充実した講演であり、講演会終了後も熱心に質問する学生もいた。

講師の紹介:明石 芳彦 氏
大阪商業大学 経済学部 教授

生年:1954年(岡山県)
学歴:神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程
学位:博士(経済学)
職歴:滋賀大学経済学部、大阪市立大学経済研究所、同大学院創造都市研究科
専門分野:産業経済論、イノベーション論、アントレプレナーシップ論
著書:『漸進改良型イノベーションの背景』有斐閣、2002年
   『ベンチャーが社会を変える』ミネルヴァ書房、2009年
   『アメリカのコミュニティ開発』ミネルヴァ書房、2012年

2016年11月14日(月) 人間環境学部学術講演会

演題:金融政策と銀行行動:日本、世界の現場から
講師:中川 忍 氏
   (日本銀行 金融機構局審議役)
日時:2016年11月14日(月)1時限(9:00– 10:30)
場所:6号館1階 6101教室

講演内容

 日本銀行幹部を招いて学術講演会を開催しました。

 11月14日、日本銀行の中川忍・金融機構局審議役を本学に招き、「金融政策と銀行行動:日本、世界の現場から」というタイトルで講演頂きました。中川氏はこれまで、国際金融のエキスパートとして、リーマン危機や欧州債務危機、最近ではギリシャ債務問題や英国のEU離脱に関する国民投票等、世界経済の激動を最前線でモニターしてきました。また、国際通貨基金(IMF)での勤務のほか、様々な国際会議や海外金融当局との連携や交渉を担当されました。そのため、今回の講演では、経済・金融の基本的・理論的な背景はもちろん、これまでのご経験、さらには、米大統領選におけるトランプ氏勝利の日本経済への影響についても、解説頂きました。加えて、新人時代には広島支店、最近では支店長として函館支店にも勤務されたことから、広島をはじめとする地方経済の課題にも解説が及びました。
 本講演は、人間環境学部「経済学入門」(担当・辻本政雄准教授)の講義の一環として実施され、登録受講生の他、本学教員・他学部生、学外の方々より多数の参加を頂き、盛況のうちに終了しました。

2016年11月14日人間環境学部ポスター

2016年11月11日(金) 商学部学術講演会

演題:IFRSの概要について—その特徴とより良き理解のための要点—
講師:山田 辰己 氏
   (有限責任あずさ監査法人 パートナー)
日時:2016年11月11日(金)5時限(16:30– 18:00)
場所:2号館1階 2103教室

講演内容

 2016年11月11日(金)5限に、2013教室で商学部学術講演会を開催しました。有限責任あずさ監査法人の山田辰己氏を講師にお迎えして、「IFRSの概要について—その特徴とよりよき理解のために—」というテーマでご講演いただきました。
 山田氏は、IASBのボードメンバーとして長年にわたりIFRS設定に関わってこられました。その経験を踏まえられ、①IFRSを取り巻く現状、②IFRS採用のメリット、③修正国際基準の位置付け、④IFRSの主な特徴、⑤IFRS第15号、第16号のポイントという多岐にわたる内容を、たとえ話を用いられながら非常にわかりやすく解説して下さいました。また、山田氏は、公認会計士・監査審査会委員も務めておられ、折しも同日が公認会計士試験の合格発表であったこともあり、「資格を持っていて損をすることは決してない。資格を持っていることで人生の選択肢が広がる。若い間にこそしっかりと勉強して資格取得にチャレンジして欲しい」と資格取得の大切さも強調しておられました。
 遅い時間の開催であるにもかかわらず教室は満席で、講演終了後も、多くの学生が熱心に山田氏に質問している姿がとても印象的でした。講演に対する感想も。「難しい内容をわかりやすく解説して下さって勉強になった」「是非資格取得を目指してみたいと思った」「また山田先生の講演会に参加したい」などの好意的な意見で占められていました。
 この講演を機に、参加学生の会計を学ぶことに対する感心や、資格取得への意欲がさらに高まってくれたと感じています。

講師の紹介:山田 辰己 氏
有限責任 あずさ監査法人 パートナー

1976年慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士。大学卒業後、住友商事株式会社で決算業務や海外駐在を経験した後、1993年から2001年まで中央監査法人に勤務。その間、1995年から2001年まで国際会計基準委員会(IASC)に日本代表として参加。2001年、国際会計基準審議会(IASB)の設立に伴い、その初代理事に就任、2011年6月の退任まで10年間にわたり、国際財務報告基準(IFRS)の設定にあたる。2011年9月に有限責任 あずさ監査法人に入所、2012年1月理事就任。2015年6月理事退任。2012年6月、KPMGアジア太平洋地域IFRS統括責任者就任。2014年2月には国際統合報告評議会(IIRC)のアンバサダーに、同年10月には国際評価基準審議会(IVSC)評議員に就任。2016年4月、公認会計士・監査審査会委員に就任。

【著書】
『IFRS設定の背景 - 基本事項の決定・従業員給付 -』 (税務経理協会 2013年)
『IFRS設定の背景 - 金融商品 -』 (税務経理協会 2013年)

2016年10月6日(木) 人文学部学術講演会

演題:英語辞書と英語学習:辞書編纂者の立場から
講師:井上 永幸 氏
   (広島大学大学院総合科学科教授)
日時:2016年10月6日(木)2時限(10:45– 12:15)
場所:6号館1階 6102教室

講演内容

 Collins Cobuild English Dictionary (1987, Collins ELT) の発刊以来,コーパスの活用を謳う辞書は発展の一途をたどっている。本講演では,大規模コーパスを辞書編集に活用する際,単なる用例集ではなく分析対象として適切に運用することで,どのような研究成果を辞書の紙面に反映してゆくことができるか,また,コーパスを編集に活用した辞書を学習に利用する際,どういった利用の仕方が可能であるかについて具体例とともに示してゆく。
 講演では,便宜上,講師の関わった『ウィズダム英和辞典』第3版(三省堂,2013)の記述内容を,各種大規模コーパスを活用して得られた分析結果を使って検証する形をとる。また,説明の都合上,先行研究などの成果をコーパスを使って検証しながらより正確で適切な文法記述を行ってゆく方法論,いわゆる「コーパス基盤的」(corpus-based)な手法と,先行研究や理論にとらわれず,コーパスと非母語話者ならではの経験や勘を駆使して,母語話者さえも気づかない,あるいは非母語話者だから気づくような言語事実や現象の発見の可能性を秘めている「コーパス駆動的」(corpus-driven)な手法に分けて,説明を進めてゆく。

講師の紹介:井上 永幸 氏
広島大学大学院総合科学研究科教授。
専門は英語学〔現代英語の文法と語法・英語コーパス言語学・英語辞書学〕。
広島県尾道市生まれ。京都外国語大学大学院修了。島根大学教育学部,徳島大学総合科学部などを経て,2010年から現職。

編著書:
1987.『ジーニアス英和辞典』大修館書店.〔執筆〕
1989.『英語基本形容詞・副詞辞典』研究社出版.〔執筆〕
1991.『ニューセンチュリー和英辞典』三省堂.〔編集協力; 執筆〕
1996.『ニューセンチュリー和英辞典』第2版. 三省堂.〔編集委員; 執筆〕
1998.『英語コーパス言語学 -基礎と実践-』研究社出版.〔共著〕
2001.『ジーニアス英和大辞典』大修館書店.〔校閲〕
2003.『ウィズダム英和辞典』三省堂.〔共編;「英語コーパス学会賞」(2003)を受賞〕
2004. English Corpora under Japanese Eyes. Amsterdam: Rodopi.〔共編〕
2005.『英語コーパス言語学 -基礎と実践-【改訂新版】』研究社.〔共著〕
2007.『ウィズダム英和辞典』第2版.三省堂.
   〔共編;『Dual WISDOM英和』を利用可能;《革装版》,《iOS版》あり〕
2008.『コーパスと英語教育の接点』松柏社.〔共著〕
2013.『ウィズダム英和辞典』第3版.三省堂.
   〔共編;『DualWISDOM英和』を利用可能;《特装版》,《革装版》,《机上版》,
    《iOS版》,《アンドロイド版》あり〕

2016年7月12日(火) 商学部学術講演会

演題:日本の観光振興の実情
講師:緒川 弘孝 氏
   (地域振興コンサルタント)
日時:2016年7月12日(火) 3時限(13:05 – 14:35)
場所:5号館3階 5301教室

講演内容

 日本の多くの過疎地域では、既に第二次世界大戦直後の1946年から人口減少が始まったのであり、70年間、有効策を見いだせないまま衰退してきている。つまり、地域振興はなかなか簡単なことではないことが表れている。人口減少が全国的な規模で急激に進む中、地方が消滅せずに永遠に続いていくには、地域に住んで、地域の自然や文化を愛し、守り、次世代に伝える人材がいることが重要である。そのためには、地方の人が外からのお金を稼いでいく必要があり、観光がその一つのビジネスとなる。観光振興は、お客様が地域に行ってお金を払いたくなる魅力づくりをすることである。その際に、行政の支援に頼るのではなく、その地域ならではの「地域の宝」を「お客様」に知ってもらって楽しんでもらうように考える。行政やNIPなどができる後押しは、地域の環境や景観の整備、維持管理、情報発信や連携促進、統計データの整備、民間業者の経営能力を高めるための支援である。そして、民間がやる気と覚悟と能力のある少数の人を見つけ自立して稼ぐ力をつけるまで育つ環境をつくることである。基本的な姿勢は、地域の都合ではなく、お客様の目線に立つこと。地域の良さを知ってもらってお客様の欲しいものを知り、それにマッチした地域のものを探すことである。地域の宝を活かしたエコツアー作りもその一つの方法である。しかし、それぞれ地域で「必ず失敗する方法」は、山ほどあるが、どの地域でも「絶対に成功する方法」はないため、実際は何が当たるかやってみないと分からない。小さく始めて、失敗したら修正したりやめたりと、試行錯誤や軌道修正を繰り返せるやり方がよい。

講師の紹介:緒川 弘孝 氏
1967年 長崎県生まれ
1992年 東京大学農学部林学科卒業
1994年 東京大学大学院農学系研究科林学専攻修士課程修了
1994~2001年 (株)リージョナルプランニング(観光振興のコンサルタント会社)
2001年 立教大学観光学部非常勤講師
2001年よりフリーランスとして、全国各地でエコツーリズムをはじめとする観光地域づくりや
    地域振興のプランニング、コンサルテーション、政策提言、調査・研究等に携わる。
2012~15年度 環境省「エコツーリズム推進アドバイザー」
著書:『これからの観光地域づくりのための手法』(社)日本観光協会、2001年(共著)
   『エコツーリズム さあ、はじめよう!』(財)日本交通公社、2004年(共著)
   『コミュニティ・ベースド・ツーリズム事例研究~観光とコミュニティの幸せな関係性の構築に向けて~』
    CATS叢書第3号、2010年(共著)
    http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/42680
訳書:『自然保護とサステイナブル・ツーリズム』平凡社、2005年(共訳、原著はIUCNガイドライン)

2016年6月10日(金) 経済科学部学術講演会

演題:OECDが開発した付加価値貿易指標について
講師:萩野 覚 氏
   (福山大学経済学部国際経済学科 教授)
日時:2016年6月10日(金) 3時限(13:05 – 14:35)
場所:2号館1階 2104教室

講演内要

 統計学の重要性と実務現場で統計学がどのように利用されているかを目的として、2016年6月11日(金)、福山大学経済学部教授萩野覚先生をお招きして、2号館2014教室で学術講演会を開催しました。本学統計学履修生や院生及び教員など、約150名の聴衆が講演会に参加しました。
 講演者は長い間で日本銀行調査統計局やIMF(国際通貨基金)統計部のエコノミストやOECD(経済協力開発機構)統計部のシニアコンサルタントなどに勤めたことがありますので、国際収支統計と資金循環統計の分野では優れた研究業績と豊富な統計実務の経験を持っております。
 今回の講演では、まず、国際収支統計の概要を分かりやすく解釈して、我が国の国際収支の変遷と最近年の国際収支構造の変化を整理しました。また、近年の国際貿易のグルーバリゼーションに対応するために、付加価値貿易指標や国際貿易を行う企業の特性別の貿易動向を示す統計手法や主要国の産業連関表と貿易統計を繋ぎ合わせた国際産業連関表などの新しい統計手法を紹介しました。なお、実証分析として新しく開発された統計手法を用いて関連の統計データを使って産業別の輸出入の構造変化について、拡張された国際産業連関表を試算し、これによって新しい発見が見つけられました。
 講演が終わった後、学生から経常収支の赤字への対応方策や国際産業連関表の見方などの質問が出されて、萩野先生からも丁寧に答えて頂き、終了時間のぎりぎりまで、講演会が成功裏に終わりました。

講師の紹介:萩野 覚 氏
福山大学経済学部国際経済学科教授(2016年4月から)
 1989年に日本銀行入行後、国際収支統計や資金循環統計の整備・分析等に従事。この間、日本銀行パリ事務所長、IMF(国際通貨基金)エコノミスト、OECD(経済協力開発機構)シニアコンサルタントを経験。2014年から内閣府経済社会総合研究所政策企画調査官、福山大学赴任後は同研究所の研究協力者。

2016年4月6日(水) 法学部学術講演会 法学部40周年記念

演題:選挙権と選挙について考える—歴史・仕組み・課題—
講師:只野 雅人 氏
   (一橋大学大学院法学研究科 教授)
日時:2016年4月6日(水) 3時限(13:05 – 14:35)
場所:7号館1階 学術ホール

講演概要

 4月6日、只野雅人(一橋大学教授)を講師に迎え、第1回学術講演会が7号館学術ホールで開催された。講演会のテーマは、「選挙権と選挙について考える—歴史・仕組み・課題-」であった。
 ①女性の参政権獲得がなぜ遅れたのか、現在の日本でも選挙権がない者(受刑者など)がいる点などの普通選挙をめぐる問題、②現行の日本の選挙制度の内容と1票の格差、選挙運動の自由の欠如といった問題点、③選挙を柱とした代表民主制をめぐる理論上の課題の3点を中心に講演された。講演終了後は、18歳への選挙権年齢の引き下げの背景・効果、被選挙権年齢の引き下げの可能性などをめぐって質疑応答がなされた。
 なお、本講演会は、法学部創設40周年の記念事業の一環として実施された。

講師の紹介:只野 雅人 氏
一橋大学法学研究科教授。専門は憲法学。1964年東京都生まれ。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。広島修道大学法学部に1993年から1997年3月まで在職、一橋大学法学部助教授などを経て2005年から現職。著書に『憲法の基本原理から考える』(日本評論社、2006年)、『憲法と議会制度』(共著:法律文化社、2007年)など。

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