大学広報
University Public Relations

2017作品コンテスト入賞作品

小さな町から大きな世界へ

盈進中学校2年  金尾 陽飛

 僕が住んでいる福山市神辺町は、広島県の東端にあって、車で10分くらい走ると岡山県という県境の町です。以前は深安郡神辺町と呼ばれる町でしたが、2006年3月1日に福山市と合併して福山市神辺町になりました。田んぼや畑がたくさんあって都会に住む人からは田舎と言われるような地域ですが、僕は緑があってアスファルトの少ない神辺町が気に入っています。
 神辺町には自慢できる有名人が二人います。一人目は江戸時代に廉塾という私塾を開き、貧富によって差別されない社会を作ろうとした管茶山です。管茶山は化政文化期の代表的な詩人としても全国的に知られており、山陽道を往来する文人の多くは廉塾を訪れていたと言われています。
 そしてもう一人が葛原しげるです。葛原しげるは学校の先生で、地元では“ニコピン先生”と呼ばれるようなとても親しみやすい先生でした。“ニコピン”の由来は子どもたちにいつもニコニコピンピンでいてほしいと願い、自分もそうでありたいと思っていたからだそうです。先生は学校で子どもたちに勉強を教えるほかに童謡詩人としても知られており、「夕日」や「とんび」などは代表的な作品として知られています。
 僕が通っている学校は100年以上の歴史がある学校なのですが、校歌は葛原しげる先生の作詞です。しかし、この夏びっくりしたことがありました。それは、高校野球で出場していたある学校の校歌がテレビで流れていたときに、葛原先生の名前が作詞者として画面に登場したのです。気になって調べてみると葛原先生が作詞した学校の校歌は地元広島県内はもちろんのこと、関東地方、四国地方にも点在し、なんと全国400校にものぼるということでした。僕は改めてすごいと思って、誰かに自慢したいという気持ちになりました。
 さらに葛原先生は、「春の海」で知られる筝曲家の宮城道雄さんの作品の大半を作詞しており、そのことで、国際的にも田園詩人として評価を受けています。
 僕が住んでいる神辺町は、おしゃれな施設もなければ交通の便も悪くて、車がなければ不便を感じるような場所ですが、山や川など豊かな自然に囲まれたこの地域だったからこそ、このようなすばらしい詩人を生み出したのではないかと思いました。小さな町から世界へ飛び出すことも可能であると神辺町の偉人たちから勇気をもらったような気がします。僕はこの神辺町の豊かな自然とここで培った豊かな感性をこれからも大切にしていこうと思います。