大学広報
University Public Relations

2017作品コンテスト入賞作品

私のまちの素晴らしいところ

福岡県立三池高等学校1年  佐田 知奈美

 私のまちは今年、市制100周年を迎えました。100年。どれだけの人々がこのまちで生きてきたのか。想像するだけでも素晴らしいことだと、誇りに思っています。私はこのまちで生まれ、父の仕事の都合で何度かまちを離れた事がありましたが、現在もこのまちで、家族と暮らしています。
 私のまちには、日本の近代化や産業発達を支えたと言われている世界遺産、三池炭鉱関連資産があります。実際に遺産に行ってみるとかつての日本の発展を自分の住んでいるまちが支えてきたことや、そこにどんなドラマや出来事があったのかを目や肌で感じることができ、不思議な感じがします。
 そんな素敵な私のまちですが、数年前から日本の課題と言われている、人口減少と少子高齢化が進んでいると言われています。公立小中学校の合併や、現在の高齢化率が30%以上と高齢化がかなり進んでいます。昔からこのまちに住んでいる祖父母や父の昔のまちの様子や雰囲気の話を聞く度に昔に比べて活気が無くなってきていることを感じます。
 しかし、私のまちならではの良いところがあります。世界遺産があるということはもちろんですが、大蛇山祭りという大きな夏祭りが行われることです。この「大蛇山」には、長い歴史があり、江戸時代に始まった、と伝えられています。無病息災を願うお祭りです。大きなお祭りはこの大蛇山祭りだけですが、私のまちには、昔からの行事が根強く残っています。それだけ、先人の方々の思いを大切にしているまちです。今の自分たちが生きているまちで生きてきた方々の思いを大切にしていることがこのまちの自慢です。
 ただ、世界遺産や大蛇山祭りであるといった、私のまちのことは日本国内でもまだまだ多くの人に知られている、とは決して言えません。これらの素晴らしいことを世界に向けて発信する。難しいことですが、私は自分のある経験を通して、自分のまちのことを少しではありますが、世界に発信することができたのではないかと思っています。
 私はこの夏、学校の取り組みである海外語学研修に参加し、オーストラリアへ行ってきました。短い滞在期間ではありましたが、ホームステイを通して、もう一つの自分の大切な家族ができました。ホストファミリーは日本のことは勿論ですが、私の住んでいるまちのことについて関心を持って下さいました。私はまだまだ完璧ではない英語で、自分の持っていた写真や動画を見てもらいながら、自分のまちのことについて話しました。ホストファミリーは、三池炭鉱関連資産には建物の立派さに、大蛇山祭りには日本独特の雰囲気や人の多さに目を見張っていました。
 私は、外国の方は日本独特のお祭り等に一番興味を持たれると思っていました。しかし、ホストファミリーが一番喜んで下さったのは私の家の周りのまちの風景の写真でした。私達の普段生活している場所こそが私のまちの良いところだったのです。
 私は、自分のまちの良いところは世界に誇れるような場所があることや伝統的な祭りだと思っていました。しかし実際は、昔の人々、思いを大切にする心。私が毎日、目にしているこのまちの景色。私が世界へ発信すべきことはこれだったのです。このことを少しでも世界に伝えることができれば、どんな国、地域、人と繋がることができる。根拠はありませんが、自分の経験を通して私はそう確信しています。