大学広報
University Public Relations

2017作品コンテスト入賞作品

産業と変わらない地域性 

比治山女子高等学校2年  荒神 さくら

 私が住んでいる所は、人口約2万人ととても小さな島で、たくさんの自然に囲まれています。特産物では、「カキ」が有名です。他にもオリーブやみかんなどたくさんあるのですが、「カキ」は特産物の中で世界と繋がっている場面が多くあります。
 江田島は海に囲まれていて、水産会社も多くあります。日常の中で自転車で移動するたくさんの外国人を見かけます。アジア系の方をはじめ、最近ではロシアやアメリカの方も江田島に住んでいるのです。彼らはカキの殻を打って身を取り出したりする仕事に就いている人が多いです。中には日本語を話すことができる外国人の方もいます。私は日本語を話すことのできる中国人の方に質問してみました。どうして江田島に来て働くのか問うと、
 「友達に聞きました。私は働いたお金を両親にあげます。一回、広島だけど違う所で働いたけれどここが良いです。」
と答えられました。今思うと、なぜ他市より江田島で仕事するほうが良いのか尋ねるべきだったなあととても後悔しているのですが、よくよく考えてみると、自分で答えを出すことができる気がしました。一度私の家に遊びに来てくれた広島市内に住む友達は、
 「江田島の人ってなんか温かいね。すごい癒されるよ。」
と言われたのを思い出しました。普段、日常で家族だけでなく地域の方にも成長を見守ってもらっているなあと改めて実感しました。友達と一緒に島の道を歩いていて、私が島民の方にあいさつすると、「おはよう」だけでなく、「どこ行くん?気をつけてね」と一言添えてくれる方を見た友達は目を大きくして驚いていました。そして、おばさん達は私の友達にも声をかけるのです。こんな風に、島の方たちはいつも温かく見守ってくれ、そして何より助け合いをよくしているなあと考えれば考えるほど人の温かさが思い浮かんできます。その温かさが働きに来ている外国人の方にも届いていると思うし、明言できる場面をよく見かけます。それは、勤め先の社長さんや従業員の方が外国人の方を島内にあるお食事屋さんでごちそうしたり、島で出会った外国人の方同士の日本での結婚をサポートしたり、と国境なんか関係ないと思わされる事が多々あります。互いの言語が完璧に分からなくても、江田島市民の温かさ、ホスピタリティの心は世界からやって来る外国人の方と江田島を強く結びつけているものだと思います。そしてこの事が江田島の少子高齢化における労働者不足も解消するのではないかと思います。働きに来る外国人の方にとっても特産物のカキを養殖し続けたい江田島にとっても両方にメリットがあり、他市にはない魅力だと私は考えます。また、私は少し前に留学を終えたのですが、出発する前は不安な事がたくさんあり、悩んでいたところ、日本語が堪能な外国人がいると聞いて、少しでもネイティブの方の発音を耳に残したいと思った私はレッスンをしてくれないかとお願いしました。急にも関わらず、出発する前の半年間はレッスンしてもらいました。英会話だけでなく、外国人の方の常識なども学ぶことができ、とても感謝しています。レッスン最終日に、
 「本当にありがとうございました。お仕事もあるのに、私のために時間を使ってくれて本当にありがとうございました。」
とあいさつした私にその先生は、
 「全然いいよー。私もね、広島県の色んな市とか違う県とか住んだけど、ここの人にすごい助けてもらったからもうここにずっといるんだよ。」
と笑顔で返事して下さいました。私はその言葉を思い出し、外国人が言うくらいなら島ってそのくらい優しい人が多いのだなと実感しました。
 外国人が来日する人数が多くなっている中で、都会や世界遺産を訪れる方が多いと思いますが、ぜひ、江田島にも来て頂いて、自然の豊かさや人々の温かさを感じてほしいなと思います。進歩する技術面を魅力とするのも良いけれど、人が持っている変わらない心を魅力だと言える江田島ってすてきだなと思います。「カキ」の養殖と温かい人々は間違いなく世界とつながっていると思います。